今日はいい天気だ。その日も同じような日だった。下ばかり向いて歩くのももったいないので、なるべく上を向いて歩くようにした。
窓らしきない建物に、空から出入りが自由にできるような大きな覗き穴を持つ建物に出くわした。鳥になって、傍によって覗きたくなった。
空に行けたらと思って上ばかり見ていると、高層ビルの窓の清掃作業を見てしまった。上から吊り下げられたブランコに乗って、いささか物々しいふくそうだが、左右にブランコを動かしながら軽やかに窓をふいている。一瞬自衛隊の侵入訓練かと思った。あまりに平然とした作業に首を90度にして、口をモングリと開けてしばし魅入ってしまった。鳥になりたいなどとは空想以前のよまよい事で、見ているだけで自分の立っている大地が揺れる思いがした。
晴天の空に機能的なビルの直線ライン、それを飾る不思議な円い窓、戦争もどきのスタイルでブランコに乗って空で遊ぶ人・・・その日はこうしてギャラリー巡りが始まった。24日、午前×時。