栄通記

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2007年 04月 20日

150)案内: 室蘭 「北浦晃個展」・油彩画 

○ 北浦 晃 個展  「北海道の風景」
     平成18年度室蘭市芸術文化功労賞受賞記念展

 会場:室蘭市文化センター展示室  
     室蘭市幸町6-23
     電話(0143)22-3156
 会期:2007年5月9日(水)~5月13日(日)
 時間:10:00~18:00(最終日は16:00まで)

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 風景画。
 山容・風景という具象画の中に、抽象的造型を意識的に偲ばせ、明るくはあるがあまりに知的で構成美をかもし出す世界。見る人によっては硬いと思うかもしれない、僕はその貼り絵のような遠近感、絵画的トリックに魅入られて昨年は白老、美唄と足を運んだ。その前の年も美唄に「静物画」自選展を見に行った。

 北浦氏は自身の画業を時系列を中心にしてわかりやすく展開される。自分自身の為でもあるが、鑑賞者に少しでもわかってもらいたいという気持ちである。鑑賞者には若い画学徒も想定されているであろう。


 簡単に氏の画歴を紹介します。以下はあくまでも僕の理解の範囲です。

 初期の版画時代。見ていないのにこういう表現は誤解を生むかもしれないが、「青春画時代」と呼びたい。

 次に版画と決別し、全道展の油彩部門を主な発表舞台とする。人から静物へとテーマは動き、挫折を伴った試行錯誤時代、「競争画時代」と呼びたい。明快に2期で分けられる。前半はあまりに公募展的な構成美、後半は東洋画にある空間美の追求。あまりに空間の見えざる闇を凝視しすぎて袋小路に陥りがちになり、大きな世界、風景へと逆に開眼することになる。

 90年代初頭より画題は自然、それも山を中心と定める。そして、今日に至るのである。「本格的絵画時代」と呼びたい。やはり2期に明確に分けられる。10年前の「日勝峠シリーズ」が再びの袋小路へと氏を追いやった。マクロの風景を志向しながら、ミクロにこだわりすぎるという過去の習性離れがたく、山容の木立のみの山水画のような様式美と禅問答のような形式美に陥った。10年前にこの室蘭文化センターで「日勝峠」までの回顧展をされたとある。その後、風景そのものの魅力が北浦絵画を蘇らせた。まさに、今展はそれから先の北浦絵画の代表作の展覧となるのであろう。100号以上11点を含む30点の油絵と8点の版画(複製シルクスクリーン、頒布用)。新作発表が6点ほど図録より認められる。
 

 僕は絵が嘘だということを北浦絵画に学んだ。今展出品の画題の山名ー十勝岳、斜里岳、有珠山、美瑛岳、美唄岳、室蘭岳、旭岳、羊蹄山、夕張岳、風不死岳、ピンネシリ、熊根尻山、樽前山、大雪山、芦別岳、駒ケ岳と雄阿寒だけ以外は登っている。これほど綺麗に描かれているのに山岳美が前面に出ない絵も珍しい。更に、嘘としての絵がなぜ面白いかということも学んだ。

 室蘭は遠いところです。行くことができなくても、賞を頂いたお礼としての記念展、気に留めてください。氏は昨年の6月で70歳になられたとのこと。友情エールで「古希記念展」とおっしゃる方もいます。「ごあいさつ」文に「・・・まだまだ続くライフワークの中間発表といった気持ちです」と、あります。
 失礼な言辞があると思います。お許し下さい。来週中に、昨年の美唄の「山の自薦展」の写真紹介をしたいと思います。

by sakaidoori | 2007-04-20 15:59 | ◎ 個人記 | Trackback | Comments(0)
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