○ 原井憲二展 「蒼の洞窟」
会場:ミクロ
南5東3・南向きの民家
電話080-6093-0776
会期:4月8日~4月15日
時間:12:00~21:00
2階建ての古い民家を2階に上がる階段まで蒼一色に塗りつぶしてしまった。とりあえず、一気に写真紹介しましょう。
綺麗に塗ったものだ。聞きはしなかったが、下塗りをして、2,3回塗ったのだろう。水性ペンキ。臭いもなし、塗りむらもなし、一瞬建物の古さを忘れてしまった。この場所は近々解体されるそうなので、何をしても自由ということなのだろう。。なぜ青なのかとうかがえば、青が一番多い色だからとのこと。確かに空、宇宙、海と青だらけだ。青といえば、芸森で見たイヴ・クラインを思いだす。当然作家もそのことは意識したらしい。
それで、この空間に居るとなぜ青を塗ったかという疑問はどこかへ飛んでいって、ただただ、蒼に居る自分を体感するのだ。民家は基本的に狭い。そこで、立ったままで作家や訪問者と会話をするのだ。何とも何とも、不思議な視覚体験、会話体験である。絵画を見たときには、好き嫌いや、良い絵悪い絵の判断は一瞬である。僕はこの蒼の世界が「悪くない」と一瞬に判断した。しかし次が出てこないのである。去りがたく、知人にも合えたので、馬鹿話をしてかなりそこに居た。その部屋は僕に「ここに居れ」と、強いるのである。ここは日本人が住む為に造られた空間である。芸術の為の場ではなかったのだ。そこに棒立ちになり蒼に包まれた虚実の世界を遊ぶのである。知人との会話も、話した内容よりも、会話したことが記憶に鮮明に残ってしまった。
作家・原井憲二、まことにまことに面白い男である、存在である。山口県出身で、来道してまだ1,2年とのこと。次回の原井マジックを楽しみにしよう。