栄通記

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2007年 04月 08日

133) 市民ギャラリー「魚拓展」・版画 ~4月8日(日)まで

○ 第39回 北海道魚拓展

133) 市民ギャラリー「魚拓展」・版画 ~4月8日(日)まで_f0126829_135078.jpg 会場:札幌市民ギャラリー、1F
     南2東6
     電話(011)271-5471
 会期:4月3日~4月8日(日)
 時間:10:00~18:00

 毎年開かれていて、カレンダー欲しさに顔を出している。車も駐禁で落ち着かないのだが、ついつい魅入ってしまう。

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 魚拓には技法上、直接法と間接法があると場内では説明している。両者は出来栄えが全然違っていているのだ。この間接法の意味がわからないので、傍にいた会場関係者に質問をした。これが長居のキッカケで実に面白い話を聞くことが出来た。その道々に知らない世界が山とあるのですね。幾ばくかなりとも知遇を得た喜びを紹介できればと思う。

 話は戻って、「直説法」とは魚に直接色を塗って写し取る事です。魚拓本来の目的であり、釣った魚の大きさなどを自慢したい、記録に残したいということです。記録重視ですから、黒色が主流です。墨ではなくポスターカラーを使う。おそらく日本だけの表現様式だろう。「今、釣った」という、力強い風現表現だ。

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 (2作品とも薄く色塗りされているのですが、うまく写真表現されていません。下の作品は黒澤さんの作品。登別市の魚です。)

 「間接法」とは魚に紙(支持体)を張って、その上から印泥(油性)の色を付けたタンポで、ぽんぽんと優しく叩きながら色付けをしていくのだ。魚は生である必要はない。というか、腐るから生であってはいけないのだ。なんとホルマリン漬けで保存している魚を使うのだ。魚の美しさを時間をかけて色付けしていく。たまたま質問した関係者は黒澤友義(源一郎)さんという方で、この世界の第一人者ということだ。氏の場合はこのホルマリン漬け魚を千体単位で所有しているという。地下の保存庫に並んでいるという。登別在住の方で、そちらに行く楽しみが増えてしまった。将来、その医療研究室のようなホルマリン魚を写真紹介したい。黒澤さんはかなりの年配だが、ニコニコしながら説明してくれる。傍に若い方が補足説明をしてくれる。名前をうかがうのを忘れてしまった。仮にx氏と呼ばさせてもらおう。x氏は黒澤さんの弟子で、40年の関係だ。x氏「魚拓は目を写しません。最後に肉筆で133) 市民ギャラリー「魚拓展」・版画 ~4月8日(日)まで_f0126829_1410943.jpg目を書くのです。光の当たっている白い部分がセールス・ポイントです。技量、表現力の差は目にはっきりと表れます。個々の魚の生き生きさ、群れの動きの流動感は目の表現で全然変わってきます。」・・「魚拓は何処が盛んなのですか?」x氏「北海道だと思います。この会は40年近く継続して活動をしています。アマチュア集団です。お互いの技術の研鑽と公開を前提に運営しています。ここから、プロとして独立する人もいますが、その人たちは、なかなかその時点以上の技術の向上が少ないのです。我々は日進月歩で進んでいます。彼らは我々のレベルに追いつけなくなって、プロとしての存在が難しくなるのです。そういう意味で北海道には魚拓のプロが育ちにくいですね。テレビでも趣味の講座に魚拓が扱われることがあります。ところが彼らの講義を真に受けて実践すると、出来ない場合があるのです。つまり、技術的に大事なところは隠しているのですね。なぜだか解りますか?・・」x氏の話はよどみがない。非常に理路整然として解り易い。魚拓への信頼と愛情、たずさわる者としての自負があるのだろう。今展では忙しくて出品できなかったとの事。「だめっしょ!」と言う言葉に始めての笑われた。照れていた。面白いお話だった。

 魚拓の間接技法は画題が本物の魚である事を問わない。何でも出来るのだ。醤油の入っていた小さい魚の入れ物や貝殻や・・石でも手のひらでも何でもいいのだ。黒澤さんはいろんな画題と画材一式を携えて、魚拓の普及活動に努められている。本当に楽しくて仕方がないご様子だ。
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 ところで、前回は版画の鳴海君を紹介した。小樽美術館では版画の可能性を追求した一原有徳展が開かれている。近美常設展2階では近代版画をダイジェスト的に展示している。岡部昌生氏がヴェネチア国際展で版=フロッタージュを携えて出品する。北海道の現在の版画の活動状況はどうなっているのだろう。

by sakaidoori | 2007-04-08 14:24 | 市民ギャラリー


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