栄通記

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2007年 04月 02日

127) CAI 「11期生卒業展」 (終了・3月31日まで)

○ CAI現代芸術研究所 11期生卒業展

 会場:CAI現代研究所
     北1西28
     電話(011)643-2404
 会期:3月25日~3月31日
 時間:13:00~19:00

 CIAの尋問室のような、地下生活者の棲み家のような部屋での個展です。僕はこの無味乾燥なコンクリートに囲まれた部屋が好きです。冷ややかさがたまらんですね。学習(研究)の場でもあるから、なかなか展示会が開かれないのが残念です。

 卒業生10名の作品展。おそらく、かなりの人が実年齢の若い人だと思います。出品名でははっきりしませんが、女性が多いです。しかし、女性の方が大きく表現していて男性人のこじんまりさに、もっともっと頑張れよと、声をかけたいです。全体に「はみ出さんばかり」とは言えませんが、若い人が何かを表現したいというのが感じられて好感を持ちました。

 先に出品作家を壁順に列記します。
 本間康恵、ゆうがん、森崎拓、Sah、山下敦子、鹿野綾子、奈良知佳、高橋定大、経塚真代、澤優子

 次に全体の写真紹介です。
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 次に気に入った作品と、簡単な作品紹介をします。

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 本間康恵さんの「迷霧」。部分写真を張り合わせて大きくしたもの。草薮の迷宮に迫って、その細部の小宇宙を見極めようとする直視する対峙姿勢が印象的です。

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 山下敦子さんの「エビフライと仲間達」。ユーモアと皮肉と過剰となかなか面白い。力をつけて、一部屋を自由に造ってもらいたい。

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 Sahさんの「17」。線の感じで女性でしょう。17歳ということでしょうか。本人の年齢か、その歳へのこだわりか、鑑賞者にその歳を思い出せといっているのか、単純にして不思議なネーミングです。やはり肉筆線は魅力的でだ。大きく描いてくれました。
 以上がお気に入り大作三部作です。

 ベッドの作品は経塚真代さんで「鏡」。ベッドの上に少女の漫画を置いています。思いが先行して、説明的になりすぎていた感じです。それにしてもベッドはインスタレーションの小道具としてよく使われます。皆が使うだけに、高い表現力は難しいともいえるのでしょう。

 小空間にテレビを置いている作品は高橋定大さん、経塚真代さんの共同制作「増殖と開放」。ストリート・ダンスを真ん中の人が中心になって踊り、周りを仲間も一緒になって踊っている。映像を早くしたり、遅くしたり、ノイズ状態にしたりしている。機械的な音楽もかかっている。この音は部屋中に響くほどかなり大きい。繰り返されるエンドレスの映像と音楽は見る人の思考を停止させる。らりった状態。表現された結果は好みの分かれるところだが、気になる作品。

 他省略。タイトルと作家など間違いがあるかも知れません。タイトルなど「朧夜の底」を参考にさせていただきました。

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by sakaidoori | 2007-04-02 17:55 | CAI(円山)


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