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栄通記

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2007年 03月 30日

123) ②夕張にて 「夕張美術館・大平まゆみ(バイオリン)コンサート」 3月25日(終了)

○ Finish and Begin
   夕張市美術館の軌跡(1979-2007)、明日へ

 場所:夕張市美術館
    夕張市旭町4の3
    電話(0123)52-0903
 期間:2月11日~3月25日(日)
 休み:月曜日(2月12日は開館)、2月13日14日、3月22日
 時間:10:00~1700

企画1 所蔵作品に息づく夕張
 期間:2月11日~3月4日(日)

企画2 夕張の風土が培った作家たち
 期間:3月7日~3月25日(日)

  
企画3 夕張応援作家展
   期間:2月11日~3月25日(日)・・全期間


企画4 コンサート・ワークシップ・シンポジウム・・・3月に連続開催

 行こう行こうと思っていて、最終日になってしまった。ぐずぐずしていると時間だけが過ぎていく。シューパロの湯の駐車場で持参したおにぎり弁当を食べて小休止。その日は曇天で向かいのスキー場も良く見えない。駐車場も前回とは違ってがら空きなので寂しい気持ちになる。時間はある、あせる必要もない、適当にその辺を歩いて夕張の空気を吸ってから美術館に行った。

 受付に行くと館内からバイオリンの音色が聞こえる。のんびり来て失敗したと思いながら、入って直ぐの左側、館内市民ギャラリー・ルームへ直行した。
 札響コンサート・マスター、大平まゆみさんの演奏会だ。午後1時からだから遅れること30分、子供向け用の曲を弾いていた。「星に願いを」。かなりお客さんが居る。妻は何とか席を見つけて、立ち見での鑑賞だ。僕は彼女の独演を一度聞いているので、少し興奮気味だ。トークの後にリクエストを聞いていた。「屋根の上のバイオリン弾き」を二人目に声をかけた。一瞬場内から軽いささやき、大平さんは手をのどに当てて「ここまで出掛かっているのですが、初めのメロディーを思い出せなくて、チョッと口ずさんでいただけませんか?」逆に投げかえられて困っていると、突然にどなたかが口ずさんでくれた。大きな声でしっかりと長い時間詠ってくれた。残念だが大平さんは弾けれなくて、換わりに映画音楽の「虹の彼方に」が流れることになった。楽しく予定の時間を消化して、以外にアンコールが無くてやや物足りなさを抱いて、絵画鑑賞に足を運んだ。
 ところが、かなり時間が経ってバイオリンが聞こえるではないですか。今度は入り口のロビー・コンサートだ。大平さんは帰り難かったのですね。誰かの為に弾いている風情ですが、再度の演奏の成り行きはわかりません。再びリクエストを求めています。「チゴイネルワイゼン」、一瞬の間を置いて再びリクエストをしました。どよめきが走りました。誰かが「あの曲は8分もかかるのよ。本当に弾くの?」というひそひそ話が聞こえてきます。大平さんはニコニコ顔を崩しませんが、どうしたものかと一瞬思案した後、気合モードに切り替わり仁王立ちになり弾き始めました。確かに長い演奏だ、しかし全然長さを感じない。一気に弾きまくって、拍手喝采である。彼女の音は力強く、骨太だ。綺麗さよりも、大きく膨らんでいく感じだ。「柔(やわ)な気持ちでバイオリンを相手にしてないのよ」って言っている。

 いいリクエストをしたと思う。真っ向からそれに応えてくれた。お客さんは間違いなく、めったに合えない鑑賞ができたと思う。(つづく)

by sakaidoori | 2007-03-30 23:44 | (☆夕張美術館)


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