栄通記

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2007年 03月 28日

121) お詫び & 「サイトウ」考

 北海道美術ネットのヤナイさんより「サイトウ 周」性の誤字の指摘がありました。
 このサイトには「サイトウ」性の作家が何人か登場します。表記数も相当あります。「齋藤周」さんを含めて、一気に全部を訂正することは時間的に大変なので、訂正には相応の時間を頂きたいと思います。


 「斉藤」「齊藤」「斎藤」「齋藤」、固有名詞としてはそれらは厳密に区別されて使われなければならないと思います。パソコンの場合、安直に変換できるのですからなおさらです。申し訳ございませんでした。指摘されたやないさんには感謝申し上げます。


 これから先は純粋に漢字の話です。
 冒頭の4区分、略字・旧字、略字・旧字の関係になっています。「齊」と「齋」の違いに落ち着くわけです。基本的にはこの2字は同意の関係です。前者は祭祀に奉仕する婦人の髪飾りをを意味し、後者は「示」が祭祀の祭卓であり、その卓の前で祭祀を奉仕することの意と辞書にはあります。

 「サイ籐」考。
 これから先は単なる私見。この場合の「藤」は「藤原」性からきていると思います。藤原氏は大化の改新以前は「中臣」を名乗り、神事に仕えていました。クーデター以後、仏教の保護者にもなる必要があり、本家は「藤原」を、関係同族は「中臣」をそのまま名乗って、神仏支配の中心に位置していました。藤原氏の権力の増進とともに、藤原との関係を性でわからせるために、神事に仕える者の中から「サイ籐」と称し始めたと思います。権力との関係で生まれた性ですから、非女性を意味する「齋藤」を選んだのでしょう。女性の神事からの影響力の後退も背景にはあったのでしょう。現在はともかく、江戸時代以前の著名人は「齋藤」性が大半なのも「齋藤」を名乗る由来から承知できると思います。

by sakaidoori | 2007-03-28 17:16 | ★ 案内&情報 | Trackback | Comments(2)
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Commented by ねむいヤナイ@北海道美術ネット at 2007-03-28 21:53 x
「斉」と「齊」は、略字か正字かの違いだけで、事実上おなじ字です。
「斎」と「齋」も同様です。
ただ、中が「二」か「示」かで、違う字になるというのは、
「一斉に」
とは書きますが
「一斎に」
とは絶対書かないこと、同様に
「平岸斎場」
を、けっして
「平岸斉場」
とは書かないことからもわかると思います。

 小うるさいことを申して、お手数をおかけします。
Commented by sakaidoori at 2007-03-30 13:36
 仰るとおり「一斎に」、「平岸斉場」とは書きません。あくまでも、両字の語源的な事を調べて書いたまでのことです。表記の時に交換可能との意味ではありません。「同意の関係」とは語源的に同じという意味です。ですから、古代中国の典籍では交換して表記する例があります。斉明・斎明、斉潔・斎潔など。
 語源を調べて面白いのは何故「一斎に」と書かないかがわかることです。「齊」の語源は祭祀における行為者に着眼しています。儀式上意味のある櫛をした女性です。美しい人です。心もです。心身をきちんと整えている状態です。多数の女性ならば、皆が一つになってのことです。「一斉に唱和する」は心の美しく整ったさまを前提にしているのです。類語に「均」「等」などがあります。前者は質量の同じさを、後者は見た目の形の同じさの意です。

○参考辞書:「字統」白川静著、平凡社。「漢字源」藤堂明保他編、学研。


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