2007年 03月 22日
○ 齋藤 周個展 「3月の次から」 会場:テンポラリー スペース 北16西5 斜め通・西向き 電話(011)737-5503 会期:3月13日(火)~3月25日(日) 3月17日は絵画ライブ 時間:11:00~19:00 展示中の模様、展示中、ライブ後写真を順次載せてみました。 ライブ以前の様子。 [齋藤絵画の間、人間関係の間] 齋藤絵画はデッサン風の人物群像と、場なり心の気持ちを反映したような茫洋な中間色の配色のみである。今展の支持体は全て板である。あたかも板を漂白したようにして白地にして、その白さと人物などの線と塊の色で全てが構成されている。美的空間に重きがあるのか、人物群像に重きがあるのだろうか。人間関係の齋藤的視点の反映として絵画が成立しているのではないかと、試みに論を進めてみよう。 人物は一見すると学園生活で皆が和気あいあいと和んでいるように見える。表情を消しているが、心地良い画面のムードに微笑んでいるのではと鑑賞者は想像してしまう。齋藤的絵画トリックだ。僕自身は能面のような笑みで皆がとりあえず挨拶して心の中は日々の旅心として過ごしているように理解をしがちだった。だが、この理解では誰かが主人公にならなければいけない。それに齋藤絵画があまりに虚像になってしまう。何より心地良く線や色が支持体に収まっている。一人一人がそれなりに楽しんでいる風情だ。自分自身の心のありようは不問にしているのだ。誰かがそこに居て、自分となんらかの関係でそこに居てくれるならばそれで人間関係は良いのだと理解するようになった。「私を理解して」とは絵は言ってはいない。「あなたを理解したくて私は苦しいのですよ」とも言わない。反農業的な市民的人間関係を受け入れてそれで良しと感じているのではないだろうか。強い出会い・離別は絵画には出てこない。思慕の念を表現した作品はかなりあるが、一点一点の作品としてではなく、全体としてみた時には様子も変わって見える。この人間関係に一定の距離を置いてそれでも軽やかな親和力で結ばれているのが彼の絵なのかも知れない。何もないのでは困る。濃密さの程度が色合いや間を決定しているのかもしれない。むしろ、遠くに離れてはいても一つ一つは結ばれているのだといっているようだ。それに、絵は何かを描かなくては成立しない。描くからには絵を信用しているのだ。描かれた事物を、事物そのものを関係において是として受け止めているのだ。 人と人との関係で齋藤絵画を考えてみた。人間関係のありようが空間処理を決定付けたかのような論の進め方をした。そう考えたら納得できる面があると思った。だが、断定すればちょと違うなという気持ちになる。[目鼻口」のない顔、その心理描写と思える絵も沢山ある。次回の楽しみにしよう。
by sakaidoori
| 2007-03-22 16:23
| テンポラリー
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アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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