人気ブログランキング | 話題のタグを見る

栄通記

sakaidoori.exblog.jp
ブログトップ
2007年 03月 21日

109) さいとう 「前川アキ個展」・油彩 ~3月25日まで

○ 前川アキ 個展   WATER-SCAPE

 会場:さいとうギャラリー
     南1西3 ラ・ガレリア5F
     電話(011)222-3698
 会期:3月20日(火)~3月25日(日)
 時間10:30~19:00(最終日は17:00)

109) さいとう 「前川アキ個展」・油彩 ~3月25日まで_f0126829_18301314.jpg
109) さいとう 「前川アキ個展」・油彩 ~3月25日まで_f0126829_18312098.jpg
 前川さんにとって「風景」とは何なのでしょう?

 彼女の絵画が風景と知った時、はじめて取っ掛かりを得ました。写生に基ずく抽象化した風景というよりも、自分にとっての「風景」を絵画化しているようです。心象を縦糸のように滲ませ、風景の中にたむろしている生命の基とでもいうのですか、目に見えない大事なものを横糸のように編んで、彼女独特の「風景画」に至っているような感じです。目に見えないといいましたが、「水」が大事な要素になっているのでしょう。空気の中の水、風の中の水、大地・山の中の水、水の中の水・・そういうものと呼吸しあいながら前川風景は誕生するのでしょう。前川さん自身の感知能力が高い時はびんびんと心躍らせているのでしょう。低い時ですら風景自身が発信力の高い場でしたら強引にも感じることでしょう。そして、絵画の中で一体化しようとしているのかもしれません。見果てぬ夢のように、かなわぬ理想の世界を追い求めているのかもしれません。

 青と白の好きな作家です。水に通じる青。雪とも雲とも骨にも通じる白。独特な色付けと同時に、太目の輪郭線を線描のように表現します。自由な線のようでもあるし、キッチリ構成的に収めた感じもします。線だけでなく、自由さと、堅苦しいとまではいえないのですが几帳面さが前川絵画には感じます。そこが不思議な魅力ではあるのですが・・。それと、若い女性の綺麗さ、優しさ、宝箱の世界も同時に思います。

 今展は入ってすぐの部屋は色合いも線も乱舞していて、にぎにぎしい大作で埋まっています。

109) さいとう 「前川アキ個展」・油彩 ~3月25日まで_f0126829_18335382.jpg
109) さいとう 「前川アキ個展」・油彩 ~3月25日まで_f0126829_18343413.jpg
 右の部屋は中品でおとなしく優しい作品達です。ほとんど青と白を基調にして下地の朱が目に鮮やかです。湖を前川さんは墓場のように描くことがあります。水底に石を組んだ水中葬祭と見えるような物を描く時があります。今展にはありません。だからでしょう、僕の目には優しく見えたのは。



 

by sakaidoori | 2007-03-21 14:56 | さいとう


<< 110) 資料館 「藤谷康晴ラ...      108) 案内 坂本公雄さんのサイト >>