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栄通記

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2007年 03月 21日

107) ユリイカ 「竹津昇 個展」・水彩 ~3月25日まで

○ 竹津昇  Arcosスケッチ展

 会場:ギャラリー・ユリイカ
    南3西1和田ビル2F・北向き
    電話(011)222-4788
 会期:3月20日(火)~3月25日(日)
 時間:11:00~19:00 (最終日17:00)

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 水彩画家・竹津昇さんのスペインのアルコス・デ・ラ・フランテラの水彩スケッチ展。

 アルコス。地図を見るとスペイン南部、グアラダレ川に沿った小村で、そのまま川を50kmほど下れば大西洋に出る。そこから100kmほど南下すれば地中海との出入り口のジブラルタル海峡に着く。
 北部のシエラモレナ山脈と南部の山並みに挿まれた平原地帯に位置し、温暖な気候とあいまって農業の盛んなところだろう。良質なワインも製造しているだろう。同じ平原地帯にセルビアがある。スペイン華やかりし頃の港町だ。中南米の財宝、海外の物産はコルドバを経由し国都マドリードに運ばれた。アルコスも往時の世界の中心時代スペインの一翼を担っていたのであろうか。

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 竹津さんは6回目のスペイン取材旅行。1月1日から16日までの行程で大半はアルコス滞在。おそらく、その都度ユリイカで成果を発表されているのでしょう。全部を見たわけではありませんが、似た風景であっても少し違って見えます。滞在地の変化や画家自身の心境の変化が微妙に綾なすのでしょう。赤、緑、青と画面一杯に描ききろうとして明るくなっていました。以前は水彩画特有の描かない部分の紙の白さが味わいを出していました。スケッチらしく素早く仕上げるのにも適しているのでしょう。それと、竹津さんは白壁が好きです。そういう性癖が画面に白さの微妙な表現に繋がっていたのでしょう。竹津さんは色の変化は暖かい場所を描いたからでしょうと、言っていました。
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 なんといっても赤土の色が多かった。それは道として表現されている。道の不思議さを表現しようとすればシンプルにならざるをえない。要するに何も描いていない道を手前を広くして何らかの空間表現を試みているのでしょう。「壁の人・竹津」が「壁と道の人・竹津」へと深化する兆しでしょうか。
 
 竹津さんの道は赤屋根の民家へ続いています。壁への興味は家屋や納屋へと視野を広げています。本人によると、その納屋の中を描きたいと言っていました。皮としての壁が体としての家へ心としての内部へということでしょうか。

 
 30点前後の同じ大きさの作品群です。全て同金額の売値が付いていました。一部ですがタイトルをメモしておきます。
 「ボルノスの納屋」「グラサレア」「坂道」「アルコスの綿小屋」「アルコスの畑」「道」「夕方」「アルコスの農家」「白い農家」「赤い屋根の農家」「アルコスの路地」「谷間の農家」

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by sakaidoori | 2007-03-21 12:09 | (ユリイカ)


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