栄通記

sakaidoori.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2007年 03月 09日

94) 近美 「ペルシャ文明展」 ~3月25日まで

○ ペルシャ文明展  煌く7000年の至宝

 場所:北海道立近代美術館
    北1西17   電話(011)644-6881
 期間:2月6日~3月25日(日)
 時間:9:30~17:00 (入館は16:30まで)
 休み:基本的に月曜日
 料金:一般・大学 1200円

94) 近美 「ペルシャ文明展」 ~3月25日まで_f0126829_1434944.jpg
 「最大の見どころは『ペルシャ帝国』として知られ、最盛期にはエジプトからインド、中央アジアまで支配したアケメネス朝ペルシャ(前550-前330)の栄華を示す出品物です」と、パンフレットは語っています。『有翼ライオンの黄金のリュトン』を大きくパンフにも紹介しています。

94) 近美 「ペルシャ文明展」 ~3月25日まで_f0126829_1445563.jpg


94) 近美 「ペルシャ文明展」 ~3月25日まで_f0126829_1455263.jpg94) 近美 「ペルシャ文明展」 ~3月25日まで_f0126829_146487.jpg












94) 近美 「ペルシャ文明展」 ~3月25日まで_f0126829_1473999.jpg
 しかし、入って直ぐに並べられている「ユニークな造形美」の彩文土器のほうが微笑ましくて夢が膨らみます。私達は縄文土器に親しんでいるので、頭の中で比較しながら鑑賞することができます。年代的にも重なっているので親しみもわきます。鑑賞当日は若い女性も多くて、博物史的展示に意外な感じがしましたが、「あら、かわいい」と何度も耳にしました。
 土器の色は赤味、黄色味でどこか日本人好みな感じですが、形は大きくて、動物などのデザインは類型化の強さはありますが、極端に誇張され、おおらかでユーモアあふれています。大陸的というのでしょう。縄文の火焔土器が内にこもった情念をいまにも爆発させるのとは大いに違います。縄文人が土器造りを縄と遊びながらチマチマこねくり回しているんだな、と思い知らされました。この感覚は連綿と続く日本列島人の伝統なのでしょう。

 イラン国土の大半はイラン高原という大陸性で、作物の安定供給には不利ですが鉱物資源には恵まれています。定住農耕の発祥地で大穀倉地帯でもある西隣のチグリス・ユーフラテスは穀物以外は何もありません。ここに古代イラン地帯の繁栄が保証されたのです。作物以外の供給地帯であり、インド、中央アジアなどの『物の道』として栄えたのです。

 展示は土器に続いて貴金属の装身具、都市文明の象徴である銅製品や鉄の武具などがゆったりと並んで飽きることはなかったです。

 工夫を凝らしたコインの展示の後に様相を一変してアケメネス朝の最大都市遺跡、「ペルセポリス」の紹介です。世界最初の帝国の都はさすがに壮大な迫力を感じさせるものがあります。しかし、土器のような個性や楽しみがありません。同じ頃に栄えたギリシャの自由さは微塵もありません。古代ローマもそうですが、帝国というものは荘重であっても、自由さを前面に出せば支配が成り立たないのでしょう。

 最後のササン朝ペルシャの文物は壮大さもなくて、あっさりと回りました。スペースの都合上だと思いますが、都市文明発祥以来の回転式スタンプがまとまって展示してあります。大事な物を入れた袋を泥で封印し、このスタンプを押して(回して)刻印するのです。持ち主が誰だかを示す証拠印です。乾くと壊さなければ中をのぞけないという仕組みです。最古の印章の形態です。これはなかなか興味をそそられました。物も小さく愛らしいものでした。

 (写真は同展図録より)
 

by sakaidoori | 2007-03-09 23:58 | ☆札幌・近代美術館


<< 95) 画廊喫茶・チャオ 「林...      93) 重ねて発表する作家たち >>