栄通記

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2007年 02月 26日

77) 時計台 「PISTOL 2(齋藤周&武田浩志2人展)」 終了

○ PISTOL 2
    齋藤 周 &武田浩志(Azukepanpan)2人展

 場所:時計台ギャラリー 2階A室
    北1西3 札幌時計台文化会館・仲通り南向き
    電話(011)241-1831
 期間:2月19日~2月24日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00まで)

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 ピストル、女性が保身用の小さなピストルを袂から「パーン、パーン」と撃ったような展覧会だった。イギリス貴族はこのピストルを被った帽子の中に忍ばせていた。、脱帽して他人に会うのは「わたしはピストルを持っていません」という意思表示であった。レディー・ファーストもピストルから自分を守る為の楯として女性を使っていたのが起源である。ジェントルマンとはかくも隠微できわどい存在である。

 綺麗な展覧会だった。手馴れた美人が腕を伸ばしてピストルを撃ったような緊張と、かすかな白煙が余韻を保つように。

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 「撃つ」「対決」ということでいえば、齋藤さんのほうが意識が強いようだ。作品は「撃たれる標的」のようだ。床には「撃たれた残骸」としての作品群もあった。
 彼の作品は比較的横広がりが多い。これは仕方のないことで、視線を上下に動かす攻撃的運動、感覚よりも、両目が左右に並んで焦点以外はぼやけていて、ぼやけた部分に自然に焦点が行くという均衡感、安心感という美意識が齋藤さんの根底にあるのだろう。作品には少年が少し背を曲げているか細い優しさを感じる。画題としては圧倒的に女性しか描かないのだが。
 女性に潜む少年心は時に飛び跳ねもする、走り回ることもある、おもちゃのピストルで打ち合いたくなる、「禁じられた遊び」もする。そういう少年心の起伏が齋藤絵画の1枚1枚の小さな絵としてパズルになって、アメーバーのようにいろいろな形に群れなすのだろう。赤や緑に輝きながら、白い海を漂いつつ。
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 武田君の場合はどうなのだろう。
 齋藤周さんの意識が撃つ人ならば、彼は「撃ってください、構いません」と、優しげに手を大きく広げて待ち構えているようだ。作品群は生理をなるだけ出さないように、綺麗に綺麗に纏めている。誰かの作品にヒントを得たようなピンクの絵も遊びとして展示していた。僕は若い男性がピンクを多様することに抵抗を感じている。それは「空、青くて綺麗ですね」と書いて、文章表現が成り立つと思っているのと同根のような気がするからだ。だが武田君の桃色は自己表現としての色ではないようだ。彼は自己表現ということにどの程度の関心を持っているのだろう。齋藤作品の中にある少年のような優しさとは違う。知的な行為としての美術活動とそういうことを他人と一緒にせざるをえないような優しさを感じた。知的な人間の優しい表現は見る人に小賢しさを感じさせる時もある。今のところ何を制作しても「美」にまとめ上げている。彼は絵を描くことが好きだったと思うのだが自分の「美術」を信用しているのだろうか。群れて活動してもいるから他人の「美術」は好ましくもあり、信じているのであろう。武田君、君は若い。自分の「美術」を狭く決め付けないでもらいたい。君は相当に賢い人と思う。まだまだ君の気づかないことは沢山あるだろう。
 CAI展以来の武田ワールドに一応の言葉を書くことができた。僕は彼との面識はない。偏見はしないように自己努力はした。誤解は沢山あるだろう。次からの作品鑑賞で変更していけばいいだけだ。だらだらと長くなったのは不可解な作品群を不可解を前提にして、書き進むことによって自分なりに像を作ろうとしたからだ。
 
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追記:上の作品は二人の合作です。どこが誰だか楽しんでください。
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by sakaidoori | 2007-02-26 12:12 |    (時計台)


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