栄通記

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2007年 02月 23日

71) タピオ 「寒桜忌展」 ~24日(土)まで

○ 寒桜忌展  -うただより・今井和義へ<没後3年>-

 場所:タピオ
    北2西2・中通り東向き・道特会館1F
    電話(011)251-6584
 期間:2月19日~2月24日(土)
 休み:日曜日
 時間:11:00~19:00

 現代美術を発表し、歌人でもあり、文芸批評を発表していた今井和義君の弔い展である。参加者は太田ひろ、大友洋子、鈴木功一、斉藤邦彦、高坂史彦、竹田博、名畑美由紀、林教次の8名(D.M.より。敬称は省略)。

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 初め朝日歌壇・NHK歌壇を、その後短歌人会員。享年46歳。

f0126829_1042777.jpg○ 陽だまりは猫二匹ぶん射しておりミニサボテンが欠伸している

○ 反撃を読み切りナノ秒速く跳ぶマルチナ・ヒンギス精緻な獣

○ 言の葉は電波となりて浮遊する空一面の不可視の砂塵

○ 満たされぬ飢え持つ鴉ひもじくて飽きることなく嘴を研ぐ


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 僕は彼との面識はない。作品も2度ほどタピオで見た記憶はあるが定かではない。
 
 苦い思い出がある。
 4年前、タピオで「短歌我報[1]」というA4版1枚のミニコミを手にした。創刊の挨拶として「『身辺雑記+いろいろな歌人の歌+言葉に関するもの』といったラインで書きすすめていきたいと思います。・・希望される方は切手を送ってください」という趣旨のことが書かれてあった。その記事が特別に面白かったわけではない。短歌に強い興味を持っていたわけではない。いい機会だから定期的に読みたいなと思ってしまった。あいにく、いつものずぼらでそのままになっていた。そして、1年後の突然死。

 昨年、「短歌我報」以前の「うただより」百号を借りて、コピーして全部読んだ。欠番が2号あったが。彼の言葉によれば「へたれた文章」を挿みながら、友への作歌の勧め、自身の短歌の推敲過程、歌論、文芸論と回を重ねるごとに『文芸批評家』としての顔が際立ち始めて読み応えがあった。その知識は短歌を作り始めたから文芸書を読み始めたというものではない。おそらく文学青年であったのだろう。短歌制作は「うただより」によると1999年初冬で、初制作、朝日歌壇への初投稿、初入選ということになる。文章のレベルは素人の域を超えている。おそらく生活の悶々と精神状態が命を縮めることになったのだろう。服用していた薬と体調との絡みで帰らぬ人となったという。
 「人はいつか死ぬ」という知識がある。「いつ死ぬかわからないが、太陽が東に昇るように明日も目覚めるだろう」という前提で生きている。それにしても、50歳を過ぎてからエネルギーの低下と、視線の後ろ向きが多くなった。

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 写真上:右から名畑美由紀、大友洋子、左3点は斉藤邦彦。
 写真下:林教司 「悲しき玩具」

by sakaidoori | 2007-02-23 01:12 |    (たぴお) | Trackback | Comments(4)
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Commented by kotendesky at 2007-02-24 03:05
川上です。

>満たされぬ飢え持つ鴉ひもじくて飽きることなく嘴を研ぐ
良い歌ですね。

私は栄通さんより一歳下ですが、50を過ぎて人生の先が見えたとき
これからは自分のためだけを目標に生きようと思いました。
いろんな草鞋を捨てて2足にまとめました(笑)。

『漆黒の夜を切り裂く鴨の航跡 時刻(とき)の断層に我を試すか』

Commented by sakaidoori at 2007-02-24 10:18
>川上さんへ

 この詩(うた)、僕も好きですね。もう少し今井さんの「うただより」のことを書けば良かったのですが、あっさりとはしょった紹介になりました。
 川上さんも詠うんですね。

 文意を感じ取ったコメント、ありがたく思っています。
Commented by sakaidoori at 2007-02-24 18:05
>川上さんへの返歌

○ 何思ひ時の切れ間に行くものか やみ夜に跡は絵ほど残さじ
Commented by 川上@個展deスカイ at 2007-02-25 02:10 x
○ 原色も混成色も現実(うつつ)鍋 半透明の湯気受く自在鉤

(基本的には楽観主義です:笑)


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