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栄通記

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2007年 02月 21日

68) さいとう 「高畑宏治絵画展」 ~25日まで 

○ 高畑宏治絵画展

 場所:さいとうギャラリー
     南1西3 ラ・ガレリア5F
     電話(011)222-3698
 期間:2月20日~2月25日(日)
 時間10:30~19:00(最終日は17:00)

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 高畑宏治君、1966年札幌生まれの40歳、独学で絵画を修得する。個展歴は2001年に大通美術館で初個展、2005年・2006年とスカイホールで開催して今展が4回目です。ほとんどグループ展には参加していません。ということは作家達ともあまり交流がないのかもしれません。知らない方も多いと思います。僕も記憶になく初見です。

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 最近札幌で目にすることの多かった小林孝亘(タカノブ)の話をするとやはり好意を持っているとのことです。こういう言い方をすると失礼になるとは思うのですが、4,5人の著名な作家の特徴を併せて高畑流に再構成したような感じです。人によっては新味に欠けるという人がいるかもしれません。僕はかなり楽しめました。

68) さいとう 「高畑宏治絵画展」 ~25日まで _f0126829_1627157.jpg 真っ先に見たのが上の写真の小品、「共感」の2対1組の作品。教育大学卒業展で紹介した大崎紗代さんと同じ感覚だと思います。2作品を鏡像のようにして微妙に違えてトリック・アート風にしています。
 全ての作品は影は無く、童話風にしてメルヘンとも不思議の国の理想郷とも取れるかもしれません。本人にとっては絵画による異次空間の実験場なのでしょう。描き始めの動機はあっても、描きながら絵の世界の主人になりイメージが拡がり、今度は逆に作家がイメージの僕となって描き進めていく、その往還現象で仕上がっていくかのような絵画です。そういう描き方に油彩という画材は適応している。渇きが悪い分、描かれる絵の時間と描き手である作家との時間の、奇妙な一致不一致をもたらして意外な方向に行く可能性があるのでしょう。少なくとも高畑君は油彩という物理的材料が自分の世界を拡げるのを楽しんでいるみたいです。油彩という「オタク」性。対極に位置するのが「書」でしょう。一筆による時空の横断、一瞬性、間違いが許されないから、精神性も問われられます。・・・などなどそんなことを高畑絵画をみながら夢想してしまいました。

68) さいとう 「高畑宏治絵画展」 ~25日まで _f0126829_16323774.jpg68) さいとう 「高畑宏治絵画展」 ~25日まで _f0126829_16332916.jpg







 
 最後ですが、彼は顔に特に目に拘っているようです。不思議空間の絵画的再現も小道具や人の動きや線の世界で追求するのではなくて、顔や目の百態が大きな比重を占めているようです。

 タイトル名は上から、F50「上昇気流」、「共感」、F20「ゆるやかな足跡」、一番下の左側は不明、右側は「見えない対話」。

by sakaidoori | 2007-02-21 16:42 | さいとう


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