栄通記

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2007年 02月 21日

67) 時計台 「三人展」(油彩) ~24日まで

○ 三人展  折目桃子 窪田麻依子 高田里枝子

 場所:時計台ギャラリー 2階C室
    北1西3 札幌時計台文化会館・仲通り南向き
    電話(011)241-1831
 期間:2月19日~2月24日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00まで)

 大谷短大の学生展。
 折目桃子さんは専攻科美術2年油彩コース、窪田麻依子さんと高田里枝子さんは一級上で共に研究生。

67) 時計台 「三人展」(油彩) ~24日まで_f0126829_12495072.jpg67) 時計台 「三人展」(油彩) ~24日まで_f0126829_12503790.jpg 











 高田さんは昨年もこの時期にここで個展をしていたのを記憶しているので親しんで見ることができました。その折も一言二言話をしたのではないかと思いますが、彼女は笑みを浮かべることなく対応していたと思います。今思えば緊張していたのですね。今回は2度目と言うこととグループの仲間がいるので、随分くつろいでいました。

67) 時計台 「三人展」(油彩) ~24日まで_f0126829_13172770.jpg 作品は心象を緑系を基調に半透明な画面にたゆたゆと表現していると言った感じです。ほとんど画題らしきものはなくて、唯一「木」をしっとりと描いています。命としての木なのか、あるいはその形にこだわっているのでしょう。画面を覆っている緑と相性がいいのでしょう。個人的に好きな点は輪郭ぼやけたおおらかな塊の形です。「青空に一つだけ浮かぶ大きなふわふわな雲」という印象です。ワイルド感や迫力、目に迫るものがなくて、ついじっくり見てしまいたくなります。67) 時計台 「三人展」(油彩) ~24日まで_f0126829_13183710.jpg小品ですが額装を工夫した作品群は、どれもそういう迫らない大きな形をしていて好ましかったです。次回はどこで会えるか楽しみです。

 例によって、大作のタイトルだけ記します。
 「ポプラ並木」「ポプラの木」「もくもくの木」「木」「さざらき」「ゆきたまり」



 

67) 時計台 「三人展」(油彩) ~24日まで_f0126829_13305641.jpg
 窪田さん。
 作品は2系列。
 光を取り入れた古典的な「風景」画。実景というよりも理想美でしょう。あまり個を挿入しないで光の中の風景に仮託したマクロコスモスの表現でしょうが、同時に若き習作でもあるのでしょう。(写真左「光の方へ」)
 
 他の作品群はより人間っぽいいものです。写真右側の「見つめるだけ」は対象である牛を愛情をこめて描いています。小品に煮干を画題にしたものもありました。おそらく彼女が何の規制も無く絵を描いたらこんな風に優しく描くのでしょう。身の丈よりも高い草むらを後ろ向きに歩く少女の絵もありました。おそらく自画像でしょう。これも人間臭いというのか、余りに正直に自分を出している作品でした。

 残念なのは展示です。与えられた限りある壁面に作品の大きさのアンバランスといい、小品の配置といいもったいないと思いました。遠慮することなく大作をあと二点持ってきて、小品は小品らしいところに移動したらいいと思いました。通路壁面だって利用したらいいと思いました。

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 折目さん。
 全て空想と思える洋風建造物を画題にしています。上の写真は左から「湖水の搭」「湖水の砦」。67) 時計台 「三人展」(油彩) ~24日まで_f0126829_13511968.jpg中品も写真紹介をします。これが彼女のメインの出品作品の全てです。
 一点一点は面白いのですがなんとも作品の変化がこちらに伝わらなくて物足りない感じでした。誤解なきように。作品が悪いというのではありません。展示としての自己表現が不十分だということです。連作の展示の難しさでもあると思います。連作として描くことは当然だし、必要なことと思うのですが、それをそのまま展示しても必ず成功するとは限らないと思います。特に今展のように3人展ですと、際立ったところがないと観覧者が長く足を止めないのではと思います。連作でありながら変化を含めた工夫が欲しいです。それと、皆さんに言えることですが作品の紹介ファイルが欲しいですね。隣室の齋藤さん達は美的にも素晴らしい作品紹介をしています。是非参考にして下さい。
 僕の意見も人前に作品を晒したから出てくる言葉です。参考になるならないは別にして、展覧の意義でもあると思います。作品考を書けませんでした。次の機会に。

by sakaidoori | 2007-02-21 14:13 | 時計台


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