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栄通記

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2007年 02月 19日

65) 案内 時計台 「PISTOL 2」 19日~24日まで

○ PISTOL 2
   SHU SAITOU & HIROSHI TAKEDA a.k.a. Azukepanpan

 場所:時計台ギャラリー 2階A室
    北1西3 札幌時計台文化会館・仲通り南向き
    電話(011)241-1831
 期間:2月19日~2月24日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00まで)

65) 案内 時計台 「PISTOL 2」 19日~24日まで_f0126829_1722053.jpg
 「齋藤 周 と 武田 浩志 の油彩を中心にした2人展」と思います。

 二人で以前に曙学舎でゲリラ的に二人展をしているので、それに続く意味で「2」を冠したのでしょう。この2人展の組み合わせに違和感があるので、見る前にここに記しておきたくなりました。

 ミクシーに二人のことを書いたので再掲します。

○ 武田君のこと

65) 案内 時計台 「PISTOL 2」 19日~24日まで_f0126829_1741023.jpg 8/26(土)~9/9(土) CAIにて
 
 昨年、アートスペースで「ファイブ・エナジー展」と言う企画展があった。鈴木涼子、野又圭二、中島貴将、?、と伴に参加していた。他は古典的ともいえるが、明確な主張や美学があり解かり易く見応えがあった。残念だが彼の一室は他とは趣を異にして、力不足と中途半端を感じた。男っぽさを排除した小物で纏めていて「浩君の部屋」というものだった。他の人との異質感が今後どう展開するのだろうという気持ちでいた。

 今展は簡明に三つの部分で構成されていた。
 
 一つは、壁面作品で油彩だと思ったが、金箔を貼ったりして日本的装飾美にチャレンジしていた。実験あるいは勉強中の表現を展示したもので、作品的にも全体的な面からでもどうという物ではない。今後、この作業がいろんな面に生かされるのだろう。
 
 一つは、ライブで使うのかオーディオ装置を屋台小屋風に一つに纏めたもの。これはなかなか良かった。白を基調にして機能的にも無駄が無く小道具の配置も安定していて綺麗だった。この中に浩君が入ってレコードを回したりして音楽を出すのだ。「浩志君の仕事場、あるいは遊び場」として成功していると思う。
 
 一つは、奥の7,8段の階段を上った隠し部屋みたいな狭い空間である。ミラー・ボールを吊るして、その向こうにモザイク状の女性の卑猥な写真を貼り付けていた。彼はこの写真が好きなようだ。男としてどうもこういうやり方に不満である。どうしても性描写は強いメッセージを見るものに与える。彼にとって性表現とは何なのだろうか。小道具なのか、遊びなのか、奇を衒っているのか、已むに已まれぬものなのか。ツイ出てくるものなのか。もっと徹底して欲しい、なんとも中途半端で門前払いの空間である。

 要するに表現として試行錯誤の日々なのだろう。三つの要素が独立して、かつ全体に非日常空間をもたらすには至っていない。僕の持っている古典的感覚とは異質なものを感じるので、密やかに大胆に表現したものを見たい。

  ☆ 物足りなさ度 4   (以上 ミクシーの再掲)

 彼は昨年の近美のMix Fix Maxにも参加していた。部屋をあしらえて他の作家が中に展示していた場もあったが、基本的にはcai展の理解で充分だ。セクシャルな写真を壁一杯に大きくして貼ってあったら褒めたかったが、そんな事は当然しなかった。非常に戦略的な展示だった。図録を見た外人が日本美というか余白美を感じるであろう展示である。画家が戦略的であるのは構わない。むしろ、内発的なものと他を意識した外発的なもので作品の変化・変遷、深化・劣化をもたらすのだろう。彼の場合、小賢しさが感じられてむずがゆい感じだ。それは僕と彼の年齢差からくるものかもしれない。僕の目は古い美意識と思う。彼は新しい美・視覚世界の表現者だろうか。彼のような人は人が沢山集まる場所に行って、もまれなければダメだと思う。

○ 齋藤さんの場合。他との絡みでミクシーに書いたのを利用して、今日の目で編集します。 

 齋藤さんは1968年札幌生まれ。道展会員。
 一昨年、今は無きプラハの外壁に仲間も交えて大らかに絵を描いていました。絵画から枠を外して内壁にはみ出し、外壁に飛び出た瞬間でした。立ち並ぶ木々の影が作品の中に入り込んで周囲との不思議な一体感を実現していました。

 落書きという視点で最近紹介している藤谷君と比較してみましょう。藤谷作品は力のこもった爆発型で、齋藤作品は爽やかに何処までも何処までも内側の世界を拡げていくという感じです。齋藤作品には女性が多く登場し中間色の薄塗りで仕上げています。ですが、続けて見ていくと激しい色調になったりして立ち止まって魅入る時があります。彼の作品は基本的に魅入らせるという絵画的強制を排除しているのに。
 彼は道展という写実的表現の強い団体に所属しています。その団体では枠という制度を怪しげに守り、他では壁自体を支持体にして落書き風に人や風景らしきものを描いています。律儀さと腕白さを感じます。藤谷作品とは方向性は反対のように見えますが、通奏低音の共通性を感じます。きっと齋藤さんは藤谷君の作品に行為に惹かれると思います。


 僕の二人のイメージを紹介しました。 今展を僕はどういう風に見るのだろう、どう感想記を書くのだろう。

by sakaidoori | 2007-02-19 15:58 | 時計台


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