栄通記

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2007年 02月 14日

58) 時計台 「教育大学卒業展」 ~17日(土)まで

○ 平成18年度 北海道教育大学札幌校美術科卒業制作展

 場所:時計台ギャラリー 2階3階全室
    北1西3 札幌時計台文化会館・仲通南向き
    電話(011)241-1831
 期間:2月12日~2月17日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00まで)

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 出品学生紹介。油彩、9名:今泉東子 大崎紗代 駒野道子 中田絵美 西田卓司 平田雅子 三森彩美 簗部亜侑美 和田萌  視覚映像デザイン、4名:春日真弓 舘内美久 細野まき子 溝口真理  情報デザイン、7名:青山奈津子 東佳奈 阿波加真那 内田彩 鎌田美智子 津田裕 山口悠  彫刻、5名:坂本伸雄 及川靖子 岡田綾子 高橋幸太郎 土田琢磨  金属造型、4名:稲荷山翔太 神成望 佐々木彩 菱田明日香  木造造型、3名:氏家菜々恵 長嶺智美 山口翔  合計32名  (卒業論文、5名:内田彩 及川靖子 大崎紗代 神成望 築部亜侑美)

 32名の学生が大小6部屋を使っての展示。基本的に1人1作品。平均して1部屋5作品の壁面、立体作品が並ぶのです。正直に言って少なすぎます。展示空間が間延びしてもったいないです。平均して1人2作品くらい並べて、自分自身をアピールしてもらいたいですね。学生展です。もっともっと量と意気込みで勝負してもいいのではないでしょうか。芸は控え気味では上手くならない。

 個々の作品は親しみが持てるのですが、大所帯のグループ展では目立つ作品にあいたいものですね。少し皆さんおとなしい感じです。平均点にそろっていると思いました。好きな作品順に紹介します。油彩が中心になると思います。

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 大崎 紗代さん、「小さな声」。こういう作品を現代美術と理解しています。1作品だけですと単なる鏡を使った壁面作品と思います。ほとんど同じ画題、正面と背中を鏡に向けて実像と鏡像が見ているうちに逆転現象を引き起こします。錯視です。4個の人物画のどれに焦点を当てていいのか当惑します。そもそも作家は画面全体をも何かに写っているいる虚像のように描いています。鏡と鏡に対する人の先入観を逆手にとって、絵画によるもう一つの世界を再現しようとしているのでしょう。小道具なり何か工夫が足りない感もしました。作意を聞いてみたい作品です。

f0126829_23593920.jpg 和田 萌さんの「もえの青」。これも自画像の小品との絡みが良い。ムンムンするような作家自信の感性が自画像の他人を挑発する顔からうかがえます。だからこの宇宙も単に綺麗だというのではなく、作家の独特なムードを伝える小道具になっています。まるで見ている人に、特に男性に「私はだれだか分る?青い私を捕まえれる?」と怪しげに色の向こうから目配せしているようです。




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 細野 まき子さんの「記憶」。よくあるパターンと言ってしまってはみもふたもありません。細野流「記憶箱」も、またいいものです。記憶とリズムとを一体に表現しようとしています。当今流行のデジタル的なのが少し記憶の誤差、自由度を取り込めなくて面白みにかけるところはあります。リズムに興味を持っているみたいなので、動きに通じる変化も欲しかったです。

 




f0126829_0194537.jpg 岡田 綾子さんの「人体/解体ー構築」。鉄筋を使ったのが目を引きます。全体に小さく見えるのが引き締まって良いのか、作家自信がこじんまりまとめようとする性癖なのか、判断に悩みます。タイトルは造形的でf0126829_038992.jpgすが作品から受ける印象は生理的です。どこか作家の主張したいことと作品にしたいこととのアンバランスを感じます。作家は何かふんぎることに躊躇しているのでしょうか。大きさ、誇張を含めてもっと大胆にされたらより個性的になると思いました。その時顔なしのトルソが良いのかどうかも面白いでしょう。今展の腕の切り口もそうですが、切った後の処理に作家はもっと悩むべきでしょう。そんなことをいろいろと考えさせる作品でした。

f0126829_1754427.jpg 今泉 東子さん、「黎明に舞う」。普段は現実の風景に心象をオーバーラップして表現するのですが、今作は今までの経験を生かして風景は実写でなく、心象の為の仮象とのこと。黎明はあけがたであり、作家・今泉さんの現在の心境でもあります。卒業直前、夜明け前なのです。作品を前にしての説明も、慣れないせいもあるでしょうが、少しはにかみ気味で、静かな意欲を感じました。壁が空いているからもう1点は並べて欲しい画題です。ピンクがまぶしい。


f0126829_18124761.jpg 西田 卓司君、「Columbia」。
 図面のようにコロンビア宇宙船を大きく描いただけの作品。インスタレーションの壁面作品としてみてしまいました。


 




f0126829_18185355.jpg 中田 絵美さん、「ROUTE334」。
 この絵に国道334号線というタイトルが目を引きました。この国道は道東の美幌町から女満別、東藻琴、小清水、斜里から知床峠を越えて羅臼に至ります。画中に鹿もいますから道東知床などが作家のテーマなのでしょう。配布図録にも同じタイトルの作品が載っています。この国道からの「風景」に拘っているのでしょう。


 会場風景を載せます。
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f0126829_1841574.jpg (映像作品)










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by sakaidoori | 2007-02-14 00:55 |    (時計台)


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