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栄通記

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2007年 01月 31日

33) 写真ライブラリー「藤田会 写真展vol.1」(終了)

○ 藤田会 写真展vol.1  加藤大輔&竹田佳祐二人展

 場所:札幌市写真ライブラリー
    北2東4 札幌ファクトリーレンガ館3F
 期間:1月23日~1月28日

 一人が大きな一部屋を使っているので、伸び伸びとした二人展だ。繋ぎ廊下に友人達が賛助出品している。

 加藤大輔。不思議な作品群だ。カラーの風景が中心だ。白黒、人物、意味不明の被写体、鮮明不鮮明な作品がちりばめてある。大きさ・額装も若干変化してリズムをつけている。
 飛び切りインパクトの強い物はない。ないのだが、僕は二度三度とぐるぐる部屋を廻った。おだやかな晴れた空、白い雲がゆっくりゆっくり流れるのをただポツネンとして眺めるようにして。そういう時には空を見ていても心は別のことでおおわれているいるものだ。まさしく『上の空』状態だ。心象的写真というには狭すぎる表現だ。視覚体験の可能性というのか、よき映像に出会えた。

 彼は以前、加藤D輔と称していたと思う。会場入り口に作家の言葉があった。22歳までの自分の撮った写真は全部廃棄したと書かれてあった。激しい性格の人だ。今展は再出発展でもあるのだろう。

 竹田佳祐。若い特定の女性のポートレート。およそ一年間ほど撮り続けているという。若い写真作家でテーマを決めてかなりの年月撮り続けた作品群にあまりお目にかからない。そういう意味では新鮮だった。残念なのは変化に乏しいことだ。それと、作家とその女性の作品上の距離感が不鮮明に感じた。その女性の彼氏もでてくる、母もでてくる、友もでてくる。人間関係の中からその女性の魅力なりを浮かび上がらせたいのだろうか。
 大変な作業だと思う。被写体は生身の人間だ。それ故に作家に高い緊張感が無ければ、甘さに流される危険がある。次回を楽しみにしています。

by sakaidoori | 2007-01-31 14:42 | 写真ライブラリー


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