栄通記

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2018年 09月 18日

2602)「棚橋荘七 木版画展」大通美術館 終了/9月11日(火)~9月16日(日)



棚橋荘七
木版画展



 会場:ギャラリー大通美術館 
       大通西5丁目11・大五ビル 
       (南進一方通行の西側。)
     電話(011)231-1071

 会期:2018年9月11日(火)~9月16日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:10:00~19:00
     (最終日は、~15:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(9.16 日)


全館を使った大規模な個展です。
会場風景を載せます。


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掲載した写真は会場の一部です。この2年間の作品がほとんどです。大きさも大中小、モチーフ中心の作品から抽象画を思わせる淡い彫りの装飾画、色に重きを置いた作品とレパートリーも広くて、各人各様の楽しみ方ができる。

しかし、先ほど装飾画と形容した作品群、画面全体を覆う木目調の淡い模様、これが素晴らしい。
画面全体ですから「背景模様」とも言えるし、「空気感を表現するための意匠・装飾」あるいは、「淡い切り刻みの中での強い存在感」とも言える。この「模様」、「空気感」、「存在感」を見てもらいたい。
もちろん、画題に目が行く作品もある。むしろ、そちらの方が多いかもしれない。特に大作は人物表現が目的のように見える。ただ、個人的には人物描写の強い作品は、輪郭線も強く、人物のたたずまい(描かれた形)で表現していて様式化の強さを思う。人物に対する画家の思いが強すぎて、見る側の想像力は固定され、背景を見る時のムラムラ感とか不思議感が薄れてしまった感じだ。

もっとも、輪郭線の明解さは版画の「彫る」という技法上からくる宿命かもしれない。棚橋背景もしっかりと彫っている。だが、彫るには彫るのだが、同じ形の繰り返しであったり、微妙に彫りの深さを変えて「淡さ」を引き出したり、色の重ねでいっそう「淡く」なり、背景は背景以上の「絵画」になっている。

以下、どうしても丸島好みの選択ですが、単作の中の背景の世界、背景と画題(モチーフ)が織り成す不思議感を楽しんで下さい。

真っ先に一番好きな作品です。



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   ↑:「あの日・・・」。



明らかに「船」なんだけど、見ていると「建物」に見えてきた・・・船でも建物でも構わないのですが、擬人化されている。でも、擬人化にこの作品の魅力があるのではなく、明解な形を持ちながら、何処をどう見ていいのかわからない!場面全体のどこを切り取っても平等に強いからだ。わからないのだけれど、あれこれの情報は一つには繋がらないのだが、「棚橋・空気感」と「棚橋・存在感」で一つにまとめ上げている。





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   ↑:「海原」。




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波をしっかり描いているし、タイトルも「海原」とあるから、海景色と真っ先に思い込んでしまう。確かにそれは画家の意図なんだが、僕にはこの波の姿がはっきりし過ぎるのがチョットもの足りないところだ。どこかにわずかに波があればそれで良かったと思う。
細い線の重なりが寄せては引き、引いては寄せる波を人は自然に連想してしまう。何処に寄せるのだろう?何処に引いていくのだろう?その波間に何かがあるのだろうか?線の重なりを見ているといろんな想いが通り過ぎていく。






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   ↑:「(?)」。



おー、この固まり!それは海の中の魚たちだ。群れを通り越して巨大な肉の塊だ。巨大な生命体が周りを食い尽くす勢いだ。塊の一個一個は魚として描いている。でも、もう魚は方便で、何が何やらわからない生きものだ。魚という具象を借りて、生きるリズム、生命体という存在のおぞましい迫力、非定型な未知の世界に僕らを連れて行く案内人かもしれない。





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   ↑:「杢・B]。


これまた、あやかしの世界だ。
掲載した写真の拙さには我ながら呆れるばかりです。どうぞ皆さん!想像力を働かせて心眼で写真作品を見て下さい。




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   ↑:「少女の春」(2015年 飛騨高山現代木版画ピエンナーレ・準大賞受賞)



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   ↑:(中央)「木の鼓動」(9点セット)。




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   ↑:(上掲中央作品の部分図。)














by sakaidoori | 2018-09-18 22:15 | 大通美術館 | Trackback | Comments(0)
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