2016年 05月 22日
徳丸滋個展 All Kinds of Insects SHIGELU TOKUMARU 会場:時計台ギャラリー 3階G室 中央区北1西3 札幌時計台文化会館 (中通り南向き) 電話(011)241-1831 会期:2016年5月9日(月)~5月14日(土) 時間: 10:00~18:00 (最終日は~17:00まで。) ーーーーーーーーーーーーーーーーー(5.14) 部屋は虫だらけだ。見慣れた虫ばかりだ。画家の好きな羊蹄山や、得意とする風景作品は一つもない。「虫だらけ」といっても、虫の標本展示とは全く別物で、まさしく「徳丸・虫」だ。 それでは、「徳丸・虫」とはどんな特徴か。虫の形がかわいい、ググッと迫る細密描写、そして、「この虫は生きているんだ」という生命観だ。この三拍子、可愛くて、細かくて、生きている、を堪能していただきたい。 今展は、かなりの過去作(20年ほど以前)と最新作で構成されている。 上掲の作品群は最新作だ。氏はそれなりの高齢だ。しかし、衰えることない緊張感がある。 どこか「かわいい」。2匹のコガネムシが大きなメンタマに見えてしまった。それは徳丸滋・眼球だ。 リアルなんだけど、リアリズムではない。虫たちは「かわいい」。 真善美を追求する徳丸ワールドにあって、こういう「かわいい」という人畜無害な日本女の子言葉は失礼かもしれない。 氏の絵画追求は見えるものをトコトンまでリアルに追求して・・だからどうしても細密描写になる・・・見えない彼岸に迫るというものだ。だが、そればかりでは精神が「生真面目」という鎖に縛られる。そこで「虫」という良き画題の発見だ。虫はかわいくて、細かく見たくなるし、だからこそ生きている。そこに「徳丸・かわいさ」を注いで再生させよう。 上掲のシリーズは20年前ぐらいに発表したもので構成されている。 虫の世界とは言え、いや、虫の世界ゆえに微に入り細に入り生きている場を見つめている。 そして、このピンク!日本の画家はなかなかピンクを使おうとはしない。ピンクがあまりに狭いイメージしかあたえないからだ。いわく、「女の子っぽい」。「それでは本格絵画にはなじまない」と、生真面目な日本男子絵画作家は決めつけがちだ。昔は「貧乏」というのが身近だったから、「ピンク」では気合いが入らなかったのだろう。 徳丸ワールドも徹底真面目ワールドなんだが、「遊び心」も旺盛だ。自由に取り組んでいる。色に対しては「ブルー」への禁欲的拘りと、それ故に百花繚乱のパラダイスを自由に往き来している。 (今展では、本格的大作絵画のブルーへの徹底作は見ることができない。近美に闇夜の中で樹の這い回る根っこを描いた作品があります。いつの日にかご覧になって下さい。) 以下、適当に個別作品を載せます。 ↑:右側、「ゾウムシ」。 [#IMAGE|f0126829_11281549.jpg|201605/22/29/|right| →:「ハンノアオ」・31×21㎝。
by sakaidoori
| 2016-05-22 11:29
| 時計台
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丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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