2016年 05月 17日
「群青」(ぐんせい)展。 ぐんじょうと読まないで下さい。 ぐんせいと読んで下さい。「群れる青い人達」です 後期・6階A室 「女の空間」(女性写真展) 外崎うらん 高澤恵 平間理彩 杉下由里子 高橋ヤヒロ(高橋智乃) 石澤美翔 ●第3回 丸島均(栄通記)企画 群青(グンセイ) 八つの展覧会 〔写真、絵画、書、ドローイング、テキスタイル、立体〕 「群れる青い人達」による自己表現展です。 雪固まる1月、2月・・・ 寒い・・・ 少しでも元気になれれば・・・ ●会場:アートスペース201 札幌市中央区南2条西1丁目山口ビル5&6階 電話:011―251―1418 ●会期:前期⇒2016年1月28日(木)~2月2日(火) 後期⇒ 2月4日(木)~2月9日(火) (前期は6階3室のみ。後期は全館5室の展覧会。) ●時間:10:00~19:00 (各会期最終日は、~18:00まで) 後期・6階B室 ◯「神成邦夫 写真展 HORIZON-北海道- ~内界と外界の境界線~」 後期・6階C室 ◯「対展 Ⅱ」 佐々木仁美 高橋徹 竹中春奈 杉下由里子 村田主馬 宍戸浩起 高橋ヤヒロ(高橋智乃) 酒井詞音 石澤美翔 ・・・(以上9名) 後期・5階D室 ◯「元気展 ~色・物語の部屋~」(多ジャンル美術展) 碓井玲子(テキスタイル) 小西まさゆき(絵画) 佐々木幸(現代美術) 杉崎英利(絵画) 後期・5階E室 ◯「元気展 ~線の部屋~」 久藤エリコ(切り絵) 佐藤愛子(クロッキー) ドローイングマン(ドローイング) 樋口雅山房(書) ●催し:2月5日(金)17:00~20:00 17:00~ ドローイングライブ(ドローイングマン) 18:00~ 出品者紹介 18:45頃~20:00 パーティー ●企画者:丸島均(ブログ「栄通記」主宰) 連絡先:090―2873―2250 marushima.h@softbank.ne.jp 住所 :札幌市北区屯田3条2丁目2番33号 ーーーーーーーーーー(2.8 9) (①「女展」に引き続きます。残りの3名を報告します) (以下、敬称は省略させていただきます。) ![]() ![]() ◯外崎うらんの場合 札幌大学OB。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() お喋りとか足音とか風の音とか、そんな雑多な物音だけの無言劇だ。普通に日常を振る舞ってはいるが、そんな生活に寄り添う隠れたもう一つの感情、を描写しているみたい。カラーで、カラッとしつつ、言葉にしてはいけない・・・淡々と日々が過ぎていく、太陽が一杯。 二十歳ぐらいの若い撮影者だが、非常にしぶい。しぶさ重たさを孕んではいるが、若さ健康さも同居している。何より、女性的感覚が随所に出ていて重そうな被写体・物語を楽しく語り合える。 例えば、「はらわた」シリーズ。そもそもはらわたとは食べたものがグチャグチャしていて、目の当たりに接すれば吐き気をもよおすはずだ。そうい世界なのに、ポーンとメロンパンだ。綺麗で食べたくなっちゃう。土門拳的赤裸々なリアリズム・真実主義とは無縁だ。「写実」という同じ虚構ではあっても、二十歳の女性が軽く土門を足蹴にしている。 総合タイトルはないが、「葬式」と理解した。派手さを廃し、グッとこらえて被写体と対話している。チョット恐い話、それを弾んで会話する、そういうチョット恐い女の感性だ。 若い男性の作品は入れ込みすぎて、重たくなってしまった。恋人だろうか?だから、記録としてどうしても出品したかったのだろう。なんて素直な振る舞いなんだろう。その行為に好感を持てる。いろんな矛盾が作品群にまぜこぜになっている。 ![]() ◯高橋ヤヒロ(Yahiro Tkhashi・高橋智乃)の場合 タイトルは、「breath」。 東北芸術工科大学芸術学部美術課洋画コース卒業。 ![]() ![]() ![]() ![]() まるで絵画のようだ。黄色くベタッと誇張された廃墟!生き生きと残骸をさらしている。 高橋ヤヒロは「無機質な世界が好き!」という。 不思議だ。僕は、ヤヒロ作品のような廃墟ムンムンな世界を「無機質」と思ったことはないから。機械的で感情から距離を置いた世界、そういうのを「無機質」と理解していた。だから、「高橋ヤヒロにとっての無機質の意味」から頭を悩ました。結論として、「人間の手が入ってない、ありのままの姿」と解した。この場合、「廃墟」は廃墟が抱く、逞しい活動痕跡は問題にしない。人の手が加わらずに廃墟になった、という結果が「無機質」だ。 きっと、本当に「無機質」が好きな人だと思う。しかし、ヤヒロ的に捉えた無機質の世界の、何と表現者の生理を感じることか!作品は、「人の行為のおぞましさ」をえぐっているようだ。絵画として肉筆で、廃墟という存在を明示しているようだ。 だから、問題は元に戻る。無機質とは無感情的表現のはずだ。なのに、作品はすこぶる感情的だ。「存在感」という重みまである!それは意図したことなのか?あるいは、これが彼女にとっての「無感情」なのか? 高橋ヤヒロとお話をしていると、ふと不思議な表情にであう。瞬間、「無表情」になる。それは真剣になった時だ。まるで「何も考えていません」と言っているみたいだ。実は、僕の息子がそうなのだ。真剣になって相手の意見を聞けば聞くほど、口が半開きになって表情を無にしてしまう。だから、『チャンと聞いているのか?』と、勘違いされる。 彼女は「対展」にも出品している。そこは写真の場なんだが、「水彩画(やはり廃墟を画いている)を写真らしく見せる」というテーマだ。決してウケねらいではない。その成功不成功はともかく、複雑な表現様式(心理)の持ち主のようだ。 アンビバランスなことに感応し、その隙間を徘徊しているようだ。「無機質ー肉声」、「写真(ありのまま)ー絵画(感動表現)」、「廃墟(壊れてもそこに在る)ー現実(感情が渦巻き、調節された世界)」・・・まだまだあるが、それは高橋ヤヒロ人間論になってしまう。 興味津々の人だ。今後の展開を期待して見守って下さい。 ◯高沢恵の場合 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() セルフポートレートだ、しかもヌードだ。 まったく驚いた。 嬉しいね~。 女の裸が見れたこと、そのことばかりが嬉しいのではない。こんなささやかな展覧会に、ここまでパワフルにチャレンジしてくれた。、そのことが無上の喜びだ。 高沢恵は、それこそ無機質な街中風景を撮る。大学生がよく撮るシーンだ。無機質なんだけど、臭いがするというか、撮り手と被写体の間が、見た目以上に近い。その辺りを、「高沢恵という女の空間」として楽しもうと思った。 ところが、あにはからんやヌードだ、セルフだ。 それにしても伸びやかなポーズだ。猫が沢山いてをしっかり撮っている、主役は猫かな?・・・そんなはずはない!・・・猫と女の絡み・・・猫に囲まれた自由な女だ。 裸は変身だ。自分で自分を規制している殻を自分で脱ぎ捨てる。 「あ~、かる~い。自由ってこういうのかな~、きもちいい~」 「『自分をみつめる』、結局はそういうことかもしれない、そんな理屈よりも伸び伸び振る舞いたい。しがらみをふわ~っと飛ばしたい。さぁ~、これから何をしようか?何を撮ろうか?ふふふ」 楽しき冒険をしてしまった高沢恵。これからも表現に紆余屈折はあるだろうが、賽は投げられた。
by sakaidoori
| 2016-05-17 15:12
| 群青(2016)
|
アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
検索
最新の記事
ファン
カテゴリ
全体 ★ 挨拶・リンク ★ 栄通の案内板 ★アバウトの写真について ★ 目次 (たぴお) (時計台) 市民ギャラリー (写真ライブラリー) さいとう 大丸藤井スカイホール (ユリイカ) ミヤシタ テンポラリー af 北専・アイボリー CAI(円山) CAI02(昭和ビル) (大同) アートマン アートスペース201 大通美術館 STVエントランスホール コンチネンタル 資料館 門馬・ANNEX 百貨店 (カコイ・ミクロ) 4プラ・華アグラ 石の蔵・はやし (シカク) ☆道外公共美術館ギャラリー (アッタ) 奥井理g. ★ 案内&情報 ★ 訪問客数 ◎ 樹 ◎ 花 ◎ 山 ◎ 本 ◎ 旅・飛行機・船 ◎ 温泉 ◎ 個人記 ◎ 風景 ◎ 短歌・詩・文芸 ☆★ ギャラリー巡り 写真)光映堂ウエスト・フォー (いろへや Dr.ツクール) JRタワーARTBOX ポルト 写真)富士フォト・サロン 道新プラザ 紀伊國屋書店 S-AIR ◎ 自宅 (ニュー・スター) 札信ギャラリー (マカシブ) (自由空間) 真駒内滝野霊園 サード・イアー (どらーる) 区民センター ★★ 管理人用 山の手 富樫アトリエ (プラハ2+ディープ) ★ギャラリー情報 ★ パンフより 創(そう) (オリジナル) ATTIC 美容院「EX]内 ADP 粋ふよう エッセ ◎ 雑記 ★「案内版」アバウトの写真 ☆北海道埋蔵文化センター ☆三岸好太郎美術館 ☆本郷新彫刻美術館 ☆芸術の森美術館 ☆函館美術館 ☆札幌・近代美術館 ☆モエレ沼公園 ☆旭川美術館 ☆北海道開拓記念館 ☆帯広美術館 ☆関口雄揮記念美術館 (☆夕張美術館) ☆(倶知安)小川原美術館 ☆(岩見沢)松島正幸記念館 ☆(室蘭)室蘭市民美術館 ☆北武記念絵画館 ★その他 【道外・関西】 ー [石狩] [ニセコ]有島記念館 [岩見沢]キューマル 他 [音威子府] [深川] [苫小牧]博物館 [洞爺] ☆小樽美術館 市民ギャラリー [美唄] [江別] [室蘭] [小樽] [帯広] [恵庭] 夢創館 【北広島・由仁】 [函館] [夕張] [三笠] [赤平・芦別] 【幌加内(政和)】 (くらふと)品品法邑 (茶廊)法邑 (カフェ)れんが (ブックカフェ)開化 (カフェ)アンジュ (カフェ)北都館 (カフェ)エスキス (画廊喫茶)チャオ (カフェ・soso) (カフェ)ト・オン (カフェ)アトリエムラ (カフェ)サーハビー 槌本紘子ストックホルムキ記 (画廊喫茶)仔馬 (ギャラリー&コーヒー)犬養 Plantation CAFE BLANC(ブラン) - コレクション ■ 複数会場 公共空間 ー ◎ 風景 新さっぽろg. ー ○ 栄通日記 学校構内 ー ◎ライブ路上パフォーマンス 道銀・らいらっく (コジカ) ▲個人特集 (風景)サイクリング・ロード (風景)札幌・都心 A.S.T(定山渓) 趣味の郷 公共空間・地下コンコース 六花亭 ◎今日・昨日・最近の風景 500m美術館 Room11 アルテポルト・ART SPACE サテライト 【2010年旅行記】 【2010年 ロシア旅行】 【海外旅行】 【2012年上海旅行】 【震災跡地2回目の旅】 【2013旅行記】 ◎ 川・橋 OYOYO コケティッシュ ・我が家 レタラ カモカモ 北のモンパルナス チチ クロスホテル札幌 黒い森美術館 Caballer ▲原田ミドーモザイク画 SYMBIOSIS (ハルカヤマ藝術要塞) 群青(2016) チカホ space1-105 100枚のスナップを見る会 北海道市民活動センター 群青(2018) HUG(教育大文化施設) 札幌グランピスタ 大洋(大洋ビル) - 未分類 タグ
個展(242)
グループ展(183) 油彩画(183) 企画展(153) インスタレーション(115) その他(98) 学生展(93) 現代美術(74) 写真(71) 公募展(70) 写真展(59) 総合・複合展(43) 温泉・山・旅行・雑記(42) 彫刻・金属・ガラス・陶(40) 日本画(38) 北海道教育大学(37) 版画・イラスト(31) シルクスクリーン(26) 藤谷康晴(25) 卒業展(24) リンク
○ 美術関係以外
古い日記 (サカイ・ヒロシさんのブログ) ○ 美術愛好家のブログ Ryoさんのイートアート (サカモト・キミオさんのH.P.) 散歩日記V3 (SHさんのブログ) ○ 表現者のブロブ(相互リンク?) Photo Foto Blue (コバヤシ・ユカさんのブログ) 水彩の旅 (タケツ・ノボルさんのH.P.) アートダイアリー (マエカワ・ヨシエさんのブログ) 画像一覧
最新のトラックバック
以前の記事
2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2017年 08月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 02月 more... ブログパーツ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||