栄通記

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2016年 05月 11日

2517)①「4つの展示『いつもみたいに靴脱いで』中井結 日野まさ 2人展」g.犬養 終了/4月27日(水)~5月2日(月

  
      
◎ギャラリー犬養、4つの展覧会...から

◯ギャラリー2階


いつもみたいに靴脱いで
   中井結+日野まき 2人展
 
     
     ゲスト:Risa Melmet 化浦
        

                  
 会場:ギャラリー犬養 2階  
      豊平区豊平3条1丁目1-12
      (地下鉄東西線菊水駅より徒歩7分。
       駐車場有り。) 
     電話(090)7516ー2208 

 会期:2016年4月27日(水)~5月2日(月)
 休み:火曜日(定休日) 
 時間:13:00~22:30

 【同時開催】

 ◯ピアノのある部屋
 濱口真央個展 「箱庭の蝶 Ⅲ」

 ◯女中部屋
 飴屋晶貴+こまつたかし+麻子 3人展 「In Monochrome」

 ◯お風呂部屋
 沢田愛+中井結 二人展 「装飾と肉と私」

ーーーーーーーーーーーーーーー(5.1)


 今回の犬養ギャラリー、総合タイトルはありませんが全体で一つの展覧会です。
 各部屋は独立した展示ですが、微妙な違いを演出している。だから全部を紹介したいところです。でも、ちょっとムリ。2階メイン会場と「ピアノのある部屋」の二部屋ほど紹介します。

 会場風景を載せます。


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 (以下、敬称は省略させていただきます。)


 全館上げての展覧会だ。ゲストを含めて11名。
 古めかしい当館で、「ちょっと嫌らしく、ちょっと変態で、少女好みの偏愛ロマンが綾なしている。

 細密画、絵画、写真、関節人形などなど、そして日本各地から参上の表現者たち。住む土地も表現方法も違うけれども、こういう趣向は「類は友を呼ぶ」で、セクシャル(女の子)を真ん中に置いて、にぎにぎしく楽しく集っている。

 こういう展示、何故だか女の子や女性が喜ぶ。「女好きの男性諸氏」も当然好きなはずだ。でも、彼等は開けっぴろげな公衆の中で性を楽しむ健全さには欠ける。もっとも、女性たちはこういう世界をどんな風に語り合っているのだろう。気になるところだが・・・、やはり「かわいい」という言葉でくくっているのだろうか?

 では僕はなんて語ろう?いやいや、こういう「肉と性」、「妄想と夢想」の機微を、「女心と体と風景」の交わりを・・・無表情な女の子を眺め、関節人形に悲哀を感じ、細密画を楽しむ。古びたたたずまいが良く似合う。
 作品を載せます。言葉が出てきたら、忘れないうちに書き止めよう。


中井結(鉛筆画)の場合


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   ↑:全作、中井結。



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   ↑:中井結、「レスボスの日々 落日」・B2 鉛筆+色鉛筆 2016年。




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   ↑:中井結、「ツァラトストラはそのように語った 6」・ほぼA4 鉛筆+色鉛筆 2016年。



 「ツァラトゥストラはそのように語った」は、確か哲人ニーチェの小説的な哲学書と思う。その表題が「性露わな女の子の装飾画」になるとは。
 ニーチェは「神は死んだ」と宣言した。さて、作品におけるその意味は?にぎにぎしい世界での性と孤独?



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   ↑:「ツァラトストラはそのように語った。あるいは、おねしょの楽園」・B0 鉛筆+色鉛筆 2016年。 
 

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   ↑:(上掲の部分図。)



 未完でしょう。薄い部分はこれから描き込まれていくと思う。でも、この未完成な中途半端さが良い。
 中井優の細密描写は、画面全部を油彩画のように隙間無く描き上げる。当然、サイケで爛熟ムードだ。描かれた少女は概ね無表情だから、時間は止まる。止まれば静謐になる。孤独感が漂う。だが、空間を隙間無くいろんな生き物や物事で埋め込んで、個と絡ませて孤独から抜けだしたいみたい。しかも、ルネッサンス絵画的な様式で物語を作っていく。少女の心の多弁さは絵画の中の比喩や暗喩などに置き換えられて無言劇は進んでいく。その無言劇に未完性な部分が良く似合う。



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   ↑:「レスボスの日々 夜明け前」・B2 鉛筆+色鉛筆 2016年。


 白い柱が一際目を惹く。セクシャルなリズムだ。その白い柱は性そのものだ。そして交歓と結ばれの舞台だ。



化浦(ゲスト 球体関節人形 )の場合



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   ↑:(上掲の部分写真。)


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 表情が特徴的。面長でこまっしゃくれて、そこが可愛いと言えば可愛いし、小生意気ともいいたくなる女の子だ。歩き始めたら、びっこを引きそうな感じで、手をさしのべたら「余計なお世話よ!」と言われそう。服は女の子かもしれないが、体は大人未満で、心は大人直前!何から何までアンバランスなのが面白い。










日野まき(ペーパードール)の場合



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 ペーパードールの日野まきは東京在住だ。
 さわやかっ!他の作家が脂っこいから特にそうだ。残念なのは、一作のみをボックスアートのようにして額に収めているのだが、小さくて遠慮がちな展示になっていた。他の作家のアクセント気味だ。しかも、その日は光がサンサンと窓から差し込んでいて,部屋は白みがかって作品を小さくしてしまった。できれば、A0ぐらいの大きさの作品があったら、大きな中にいろんな紙人形が楽しく寄り添って、ふくよかな「日野まき・物語」を見たかった。
 さわやかなワンシーンから夢物語を作っていく感じ。また札幌に来て下さい。



Risa Mehmet(絵画)の場合




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 作品は小さい。しかし、」小さい中にびっしりと情報(画題)が詰まっていている。だから、小さくても気分は大きく感じる。なので、個別に大きく載せます。




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   ↑:「銭犬」・2016年。



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   ↑:「異臭塗れ」・アクリル絵具 画用紙 木製パネル 2016年 297×420㎜。



 とにかく画面一杯に騒いでいる。色も物事も。色はとても綺麗で爽やか!でも、描かれた世界は怪しく不思議!小道具が好きな人だ。小道具は喧嘩をせずに全体と調和を保っているように見えるが、しかし怪しい。物事を斜めから感じる人なんだ。でも表現は正々堂々としている。





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by sakaidoori | 2016-05-11 16:37 | (ギャラリー&コーヒー)犬養


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