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栄通記

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2016年 05月 02日

2507) 「林 教司 EXHIBITION」 たぴお 終了/4月25日(月)~4月30日(土)  

 



林 教司 EXHIBITION     

    

 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2016年4月25日(月)~4月30日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで。)


------------(4.30)

 (以下、敬称は省略させていただきます。)


 当館オーナーの林教司個展。そして、「林たぴお」は4月末日をもって閉館。この日、4月30日は最終日だ。
 今後は、当会館が「ギャラリーたぴお」と名前を変更しないで直接管理運営、新スタートです。
 林教司氏も新スタートです。中央バスターミナルビル地下1階で、「喫茶レ・ノール」を経営する。5月9日が新装開店予定日だ。美術作品がその喫茶店に展示されるのかどうか?いずれにせよ、その様子は報告したいです。
 

 さー、個展会場に行こう!サイゴだ、最後だ、林たぴおの最後だ。



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 先日北海道抽象派作家展に出品した作品が堂々と場を飾っている。久しぶりの自信作だ。
 40年前の作品が向かい合っている。この最新作と最旧作の対比は絶妙だ。
 
 その両者を真っ先に乗せます。



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   ↑:「赫景」・2016年。




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   ↑:「月と羅漢」・1975年(全道展)。



 旧作、20歳代の作品とは思えない出来映えだ。何よりも過去と今の共通性に驚く。「赤と黒」が好きな画家だ。「具象と抽象」、「引いたムードとめらめらと発火するムード」違いはあるが、画家はただ立ちすくんでいるように見える。空気感、緊張感、作品にのめり込むという姿勢と連続性を感じる。20代の情念、思いを変わらずに抱き続けていた。

 だが、時代は変わった。
 彼の属する同世代の男性群、「日本の戦後」の目標を物質的豊かさに求め、ひたすら脇目もふらずに邁進した。世界環境とのマッチングの良さが幸いして、目指す「豊かさ」を手に入れた。一世代遅れの私ではあるが、そういう彼等の努力に感謝しよう。

 林教司はどうだったのか?
 旧作の最初のタイトルは、「待つ」ということだ。あ~、「待つ人」だったんだ、林教司は。何を待っているのだろう?間違いなく、時代の上昇気流の中で生きた人だ。作風の「強さ」がそれを証明している。彼は「鉄の人」でもある。強い男が「突き進む」時代精神に疑問を持ったのか?ためらいがあったのか?

 それでは何を「待っている」のだろう?見果てぬ夢?触れ合い?何かとの合体?
 



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   ↑:「形代(かたしろ)」・1992年(全道展)。



 「元慰安婦、Tさんとの語らい」と説明されている。

 重い画題だ。ムードも林好みの荘重さが充満している。が、どこかユーモラスだ。
 「元慰安婦」に触発されつつも、社会的倫理性とは一線を引いて「絵画」で遊んでいる。
 真っ正面から対峙しつつ、斜に構えるという二段構えの画家だ。





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   ↑:「異郷にて」・1986年。


 おそらく、シュールリアリズムが流行った時の作品か?あるいは美術史を研究する中で、シュールを取り入れたのだろう。
 何を描いても上手い人だし、反逆精神や斜に構える姿勢の持ち主だから、こういう世界も自然なのだろう。だが、氏の持ち合わせている「遊び精神」が、シュールに花を添えることはあっても、こういう息苦しさを長続きさせるには、氏の抱える愛憎の強さが邪魔をするだろう。




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   ↑:「陀羅尼」・1996年。



 「林・マンダラ」。「鉄のマンダラ」と呼ぼう。





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   ↑:「異郷の人」・2015年。



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 林たぴお、最後の作品掲載になります。私の好きな作品です。



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   ↑:「種子シリーズ」・2010年~。





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by sakaidoori | 2016-05-02 21:11 | たぴお


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