2016年 04月 30日
「群青」(ぐんせい)展。 ぐんじょうと読まないで下さい。 ぐんせいと読んで下さい。「群れる青い人達」です。 ーーーーーー ●第3回 丸島均(栄通記)企画 群青(グンセイ) 八つの展覧会 〔写真、絵画、書、ドローイング、テキスタイル、立体〕 「群れる青い人達」による自己表現展です。 雪固まる1月、2月・・・ 寒い・・・ 少しでも元気になれれば・・・ ●会場: アートスペース201 札幌市中央区南2条西1丁目山口ビル5&6階 電話:011―251―1418 ●会期: 前期⇒2016年1月28日(木)~2月2日(火) 後期⇒ 2月4日(木)~2月9日(火) (前期は6階3室のみ。後期は全館5室の展覧会。) ●時間:10:00~19:00 (各会期最終日は、~18:00まで) 前期・6階C室 ○「対展 Ⅰ」(写真中心の美術展) 西口由美恵 小野寺宏弥 加藤良明 黒澤智博 笹谷健 篠原奈那子 鈴木悠高 加藤エミ 橋本つぐみ 庄内直人、佐々木練・・・(以上11名。) 前期・6階A室 ○「男展」(写真展) 金侑龍 小林孝人 佐々木錬 松尾泰宏 前期・6階B室 ○「鉄の灰」(写真2人展) 阿部雄 千葉貴文 ーーーーーーーーー(1.28) 2501)①の続き。 (以下、敬称は省略させていただきます。) ![]() ![]() モデル嬢と対作品の掲載です。モデルにしたくなる女性だ。そこに目を付けた小野寺宏弥、そして、しっかりモデルにした。そこは間違いなくアッパレだ。崩れているような、ちょっとエロチックな仕上がりだ。 「普通の女の子」を撮る学生が多い中で、モデル選びの美学はたいしたものだ。 惜しむらくは、ここに写真そのものの魅力が加われば最上だが、そこは今後の課題だ。今作はあくまでも被写体ありきだ。多くの商業雑誌で、「美女」に迫るプロの写真作品を沢山見ている。ここに、アマチュアイズムとしての小野寺・写真テクニックが加われば、と思った。大いに期待しよう。 ![]() 左側の少女の作品、物憂い気分で初々しい。顔が見えなくて、いっそう男心をそそる。 対して、右側のウエディング女性、見慣れたブライダル・ファッションで、見る側に想像とか妄想が働かなかった。組み合わせにもう少し工夫が欲しいところだ。 庄内直人は「対」を狭く考え過ぎたようだ。というか、今展への参加打診が遅すぎたので、準備不足だったと思う。 ![]() この対展は「写真の要素を含んだ作品、そしてA3以上の2枚の組み合わせ」という出品規定だ。 今作は。自作の手描き絵画をパソコンに取りこみ、そこで適当に加工して製版したしたものだ。それで、どこが「写真の要素」かというと、「写真のように見える作品にすること」だ。「こういう美術表現もあるんだよ」というメッセージだろう。他の参加者のバリバリ直球写真の中で、展覧会としての変化とか遊び心発見だ。 ![]() 実は、今展は10人構成の予定だった。展示をしてみると少しスキッパーになった。同時開催の「男展」参加者から、急遽作品を廻してもらった。だから、今作は「対展」用の作品ではない。だが、佐々木連は昨年も「対展」に参加していた。その参加経緯から意図的に「対」という視点でも写真を撮っていたのだろ。 佐々木練の作品に関しては「男展」で多く語ろう。 今作、申し訳ない点が一つある。作品は額装無しのスッピンだ。他の作品がそれなりに浮き出ているので、佐々木ワールドが小さく這いつくばった感じになった。見栄えとしては問題有り、なのだが、その消え入りそうな展示ムードが作品の持つ「日常性の埋没と主張」と重なっていて面白かった。 ![]() 加藤エミは空気を撮りたいのだと思う。「ふわーっと拡がる空気、そこを見つめる、浸っている私・・・う~んシアワセ!!」 だが、空気一般が相手ではないのだろう。どこにでもありそうな作品風景だが、「風土」と命名している。「その時、その場、その空気」という具体的な世界が背景にないといけない。そして、作品は「どこにでもある風景」としてそこにある。実体は追求しないが、実体に連れ添う空気で夢を膨らませている。 ![]() 被写体をがっちり強く撮る加藤良明だ。写真情報を沢山見せたい人でもある。だから余計にしっかり撮りたい。ピンボケ利用などの特異なムード表現を潔しとしない。だから、もっと大きくすればと思った。 加藤良明は大ベテランだ。しかも、20代の大学写真部関係者とのグループ展は初めてだろう。仕上げに遠慮が働いたようだ。 作品としては、左側の作品が気に入っている。 上部の建物群、下部の岩塊、右側の海の丸さ、これらを海岸線がうねりながら繋げている。撮影者はこれら4者の模様を意識して撮ってはいないだろう。なぜなら、撮りたいモノゴトを中央にバシッと撮る人だから。多分「海」を中心に撮りたかったと思う。だが、建物群が気になったのだ!そこでいつになく浮気心が湧いてきて、上部にもサービス精神が働いた。その上部は頭でっかちで重く、普通ならば作品をアンバランスにさせるのだが、先に言った「岩魂」、「海」、「海岸線」が絡みあって、王者的風格に仕上がった。 それと、作品下部のローマ字は無いほうが良かった。「試み」として出品したようだ。 さて、最後に、見に来てくれた若者に・・・「乾杯!」 ![]() ![]()
by sakaidoori
| 2016-04-30 23:39
| アートスペース201
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アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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