2016年 01月 18日
北海道教育大学岩見沢校 芸術課程 美術コース 実験芸術専攻 こここここここ 空間造形研究室展+卒業制作展 【参加学生】 ギャラリー1:2年高橋乃亜 4年八谷説大 ギャラリー2:4年泉菜月 ギャラリー3:3年内藤万貴 ギャラリー4:4年林満奈美 ギャラリー5:4年花井みか ギャラリー6:3年山田大輝 会場:札幌市資料館2F ミニギャラリー全室 中央区大通西13丁目 (旧札幌控訴院 大通公園の西の果てにある建物) 電話(011)251-0731 会期:2016年1月13日(火)~1月17日(日) 休み:月曜日(定休日) 時間:11:00~19:00 (最終日は、~17:00まで。) ーーーーーーーーーーーーー(1.16) (以下、敬称は省略させていただきます。) 1人一部屋の展示、4人四部屋を載せます。 ○花井みか の場合 映像は人物を大きく見せておおらかだ。が、室内展示はスキッパー感覚でもの足りない。作品を見ていると、川、火、焼き物(土偶)、そして「自分」、「女」ということを思う。思うのだが、何とも間が空きすぎた感じだ。時の流れに任せたおおらかな気分とか、何かしら象徴的な事柄を表現したかったのだろう。同時に余白美を。が、この余白美ほど難しいものはない。 ○林満奈美 の場合 羊毛や糸、女性特有の美と思いの世界だ。僕はここに触感や視覚としての「あやかし」とか「無限増殖」があると一人興奮するものだ。要するに、静的「美」にたいする動的「破壊・カオス」とか、「安心なるもの」に対する「不なるもの」に拘るタイプだ。だが、それは僕の単なる好み。淡々と紡ぐようにして部屋を飾った作者、追体験しよう。作者はつむぎ、ぼくらは包み込まれ、その中を軽く歩み、どこかに辿りつく・・・淡々とたたずんでみよう。 中は通路のようになって羊毛の塊に辿りつく。塊、どこか脳みそみたいで、気持ち良いような悪いような感じ。 歩いて見て下さい。 ちょっと上下を見てみましょう。 ○内藤万貴 の場合 非常にシンプルで分かりやすい。この単純明快さ、と同時に女性的しなやかさ、こだわりへの軽さが売りだ。 タイトルが全てを言い尽くしている。「大地の血管」だ。大地の中の血管といえば、厳密に言えば変なのだが、鑑賞者は人間だ、生き物だ、その意味するところはストレートだ。 さらに作者は、「・・・普段は気にかけない地中の生き物たち。ミミズ・・・(略)・・・地中にたくさんのトンネルを掘って・・・(略)、地上だけでなく、地下にも意識を向けてみませんか」と記している。 この土の入ったビニールホース、それは「血管」であり、ミミズの「足跡」であり、生き物の「住み家」だが、そこんところへの迫りかたの軽さ、そこがいい。誰かのお家に「ちょっと寄ってみませんか・・・春ですよ・・・」というリズム感だ。しなやかにしなやかに、大きく大きく成長して欲しい。 ○泉菜月 の場合 軽くてさわやかなような、それでいて重たいのかな?ふわふわしているような、やっぱり重たいのかな?そんなとりとめのない気分にさせる作品だ。 悩ましき理由の原因ははっきりしている。「涙」で字を書いているからだ。日々、涙を壺にためては字を書き、火にかけて文字をあぶり出している。泣かざるを得ない理由があって涙しているわけではないだろう。間違いなく作品の為の涙だ。「女の涙」といえばロマンティックだが、どこかおぞましい行為だ。そしてその文字に火を当てる。まるで火あぶりの刑だ。危険な行為だ。そうして出来上がった姿、どこか寒々としている。しまりがあるようなないような。 泉菜月、不思議というか変な学生だ。 生活感を求めつつ、どこかにぽっかりした洞穴、意味を問いつつ、「何が何だかわからない、でも記録と記憶に残しちゃおう」と動き回る。深刻ぶらずに楽しんでいる。「ニヒリズム」、そんな野暮ったい言葉は止めよう。どうも男性言語は現代女性には不向きだ。
by sakaidoori
| 2016-01-18 17:50
| 資料館
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丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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