2015年 02月 27日
◎ コレクション展 彫刻のできるまでー本郷新の頭の中 ◎ 「In My Room」vol.10 佐々木仁美 上記コレクション展期間中に同会場の一角で開催される若手作家展。「In My Room」として彫刻・立体作品などを個展形式で紹介。 梶田みなみ ⇒ 2014年12月13日(土)~2015年2月15日(日) 佐々木仁美 ⇒ 2015年2月17日(火)~4月19日(日) 会場:本郷新記念札幌彫刻美術館・本館 中央区宮の森1条12丁目 電話(011)642-5709 会期:2014年12月13日(土)~2015年4月19日(日) 休み:平日の月曜日 時間:10:00~17:00 料金:一般/300円 65歳以上/250円 高大生/200円 中学生以下/無料 主催:当館 ーーーーーーーーーーーーーーーー(2.27) ![]() ![]() 佐々木仁美。 1985年、札幌市生まれ。30歳になったか? 2008年、富山大学高岡短期大学部専攻科産業造形専攻修了。 最初に見たのはグループ「ループ」展だった。2010年?だったか。小振りのブロンズで、正直ロマンという印象だった。その後何かと見続けている。小さな作品に新芽などを挿入して、「あ~、愛を表現したいんだな~、慈しみとか・・・、でも、そのものズバリで解説調だな~、女の子だな~。そんなものがなくっても、彼女の持つ優しさだとか、他人との触れ合いとかは十二分に感じるのだから、新芽や種とかをこれ見よがしに出なくってもいいのにな~」という印象は拭えなかった。が、時折見せる造形そのものへの拘りが気になり、『何が何でも作り続ける』という情熱には感心していた。 やはり見続けるものだ。今展、形・量塊で勝負だ。硬い硬いブロンズ表面にも工夫探求と今までとはひと味違う。しかも、ほとんどがこの1、2年の作品だ。彼女の今の傾向がしっかり読み取れる。ようやく甘いセンチメンタルから一歩先に出た。何を作っても彼女なりの優しさや愛情感、生命観はでてくる。具体的な姿に引っ張れ過ぎないで欲しいものだ。それでなくても女性は生の形を愛するものだから。 ![]() ![]() 「ある雨の日」というよりも、「ある夏のズッキーニ」と言った感じだ。それはともかく、何だか変なものを作ったものだ。形に拘り、表面に拘り、触り心地にこだわり、完結したマ~ルイ世界を表現しようとしている。 ![]() 今展一のお気に入りだ。これを見れただけで大満足だ。 人間が蹲っているのだろう。おそらく女であり、主婦として見た。日本近代彫刻史を飾った作品を彷彿させる。おそらく、ロダン流の「金属による人間という存在表現」だ。ただロダン流の男性作家は「個」が全てであった。ここには全てを包み込みたい、全てと一体化したい女の生理で覆われている。 佐々木仁美からデッサン会の出品案内をもらったことがある。そこで初めて彼女の人体デッサンを見た。デッサン作品としてはお世辞にも上手いとはいえなかった。ただ、どうして今更人体デッサンなのかと不思議に思っていた。胸像とか裸体を専門に制作しているのではないから。今作を見て、やっと納得できた。人体を研究していたのだ。 お気に入り作品ですから、角度を変えて載せます。 ![]() 後ろから。お尻具合が良い。 ![]() それに反して頭の部分は悩ましかった。髪の表現がどうも・・・。 ![]() ![]() ![]() 抽象作品だ。この方向に邁進するとは思えないが、いろいろな形を試みることはいいことだ。もしかしたら、本郷新のようにモニュメンタル作品にも手を出すかもしれない。それは良いことだ。彼の平和そのものの人畜無害の裸婦ばかりでは面白くない。 ![]() ![]() ↑:右側、「日常」、2013年 ブロンズ。 こうして二つの作品を並べると、俄然僕好みは左側の「変わらない空気」だ。変わりはしないが、重たいブロンズがふわふわ軽やかで、いろいろ余裕が生まれて心地良い。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 形いろいろ、色いろいろ、皮膚いろいろだ。 ![]()
by sakaidoori
| 2015-02-27 22:12
| ☆本郷新彫刻美術館
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アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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