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栄通記

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2015年 02月 24日

2468)「第52回はしどい展 (北星学園女子中学高等学校美術部)」大通美術館 終了/2月10日(火)~2月15日(日)






第52回 はしどい 

北星学園女子中学高等学校・美術部 



 【出品者】
 1年:葛西響翔 松村楓愛
 2年:大井千華 廣永吉乃 
 3年:福士万穂 佐々木梨乃 
 4年:五十嵐千夏 五十嵐夕夏 ウィラーセタクルカウィヤ 茂見朋世 飯田キキ 大原麻結花 小村梨紗 高橋まりも 
 5年:小笹鈴奈 佐々木友香 高橋杏佳 田邊理瑚 山内野乃 川口琴愛 斉藤杏奈 山口彩紀 丹野花純 池田ルシィ理沙 石井優衣 今井真子
    
 

 会場:ギャラリー大通美術館 
       大通西5丁目11・大五ビル 
       (南進一方通行の西側。)
     電話(011)231-1071

 会期:2015年2月10日(火)~2月15日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:10:00~19:00
     (最終日は、~15:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(2.13)

 北星学園美術部の校外展です。参加者も多いので、個別作品を多く語ることは控えます。会場風景とかを多く載せます。


 この学校は大作にチャレンジするのが特徴です。高校生ならばとにかく100号を描く、上手いとか下手だとか、時間が有るの無いのは無視です。実際、大きさに力足らずで、未完じみた作品も目立つ。でも、「これで良いのだ!」が美術顧問氏の指導方針でしょう。「大きなキャンバスに、思い切って立ち向かえ」だ。



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 会場で会話した学生、お気に入りの作品を何点か語っていきます。



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   ↑:5年(高校2年相当)・丹野花純、「経過」。(F80あるいはF100?)


 手前に大胆な階段がある。その階段を薄塗りであっさりと処理している。そこが良い。もっとも、この階段に限らず概ね薄塗りアッサリ作品だ。気持ちを入れてそうなったのではない。時間足らず、熟慮足らず、とりあえず描き上げたとう作品だと思う。それであっても大いに気に入った。というか、この描き方をほめるわけではないが、もし入念に描き込み、物質感や存在感を表現したら、この絵のムードは台無しだろう。
 どこが良いのか。どこかウソっぽくて存在感の無さ、それでいて階段とか四角とか後ろ向きとか隙間とかが随所に象徴的に配されて、どこか不思議の国に入り込みそうなムードだ。本などの四角模様はレインボー風に七色模様で、階段の行き着く先には幸せがあるかも、といっているよう。

 階段、階段、あ~階段は昇るべきか下るべきか?階段の壁は単なる遮断物か別の世界への窓なのか?
 おそらく、描き手は僕の空想に驚くだろう。「私、そんな意味で描いてはいないわ、でも嬉しい」




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   ↑:左側、斉藤杏奈(5年)、「愛(未完成)」。
   ↑:右側、斉藤杏奈、「ポプラ並木」。


 斉藤杏奈、真っ直ぐで一途な学生だった。求めていることははっきりしている。「愛」だ。「愛」に飢えている。「見て見て、私を見て。私を愛して。私もアナタを愛するわ」。

 きっと他人と交わりたいのだろう。信頼関係で結ばれたいのだろう。
 そのことは誰でも思うことだ。手前勝手な僕だって望むことだ。望みはするが、ある程度のところで他人と一線を引いて、自分一人の時間を楽しんでいる。自分向けと他人向けの顔を安定的に使い分けをしている。
 斉藤杏奈は遺伝的難聴者だった。大きな声を出せば聞き取れるのだが、見ず知らずの世界でコミュニケートをとるのに苦労したことだろう。親しい人同士でも、ちょっと離れたところでの言葉は聞き取れないだろう。きっと不安だったろう。そういう「不安感」「不信感」が愛を求める絵画の動機なのだろう。

 上掲の2作、ゴッホ張りの印象主義(表現主義)絵画だ。色をストレートに信じて、筆力で学生自身のエネルギーを吐き出している。多分、エネルギー発散にはまだまだ不十分だろう。だが、周りには過剰な精神で絵画を吐き出している学生はいないから、絵の可能性に目覚めてはいないだろう。やっぱりまだまだ様子をうかがっている。もっともっと吐き出したらいいのに。




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   ↑:佐々木友香(5年)、「夜陰」。


 中央の四角はどんな意味があるのだろう?暗がりでの不気味な時間だから、「チョット不可解な空間」を表現したかったのか?墓場の象徴か?おそらく深い意味はないのだろう。時間足らずで思うとおりに描けなかったのだろう。

 絵としてはこの四角い部分を省略して、上半分の山模様だけの方が収まりは良さそう。青い部分がより神秘的に見えそう。
 絵としてはそちらの方が抜群に良いが、やはり失敗をしないと勉強にはならないだろう。小手先で良い絵にするよりも、未熟な自分を晒した方が画学生には栄養になると思う。

 ホラー気分を出したかったと佐々木友香は言っていた。ガンバレガンバレ佐々木友香!





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   ↑:石井優衣(5年)、「なく女」。



 ステンドグラスのように敷き詰められた背景、これが油彩の感覚なのだろう。空間処理、背景処理ではなく、画面全部を均等に絵にする姿勢、そこが良いと思った。





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   ↑:山口彩紀(5年)、「虚ろ」。


 確かに「虚ろ」的な虚無表現だ。しかし、窓や差し込む光は夢と希望を表現しているのだろう。






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   ↑:高橋まりも(4年)、「庭の街」。



 よく細かくいろんな表現をしたものだ。何かを描くというよりも、絵を楽しんでいるみたい。色形、直線曲線、人物に都会・・・なんでもありの「高橋まりも・庭」だ。




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   ↑:山内野乃(5年)、「宇宙」。



 積み木風の世界は少し繊細すぎて寂しいが、色使いがお気に入り。色だけの「宇宙」も充分描けそうな学生だ。




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   ↑:石井優衣(5年)、「生命の樹」。



 泳ぐような線が目を惹く。線を生かすために背景はアッサリ白模様。それだけでは面白くないから思案する人物を入れて線模様を引き立てている。





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   ↑:飯田キキ(4年)、「戦争」。



 「戦争」とは物騒な言葉だが、絵の中では「戦争」大いに結構だ。色も形も物も生き物たちも思考も、全ては入り乱れる。乱れることが楽しい!絵の中だ、乱闘だ、殺し合いだ、祭だ、戦争だ。

by sakaidoori | 2015-02-24 23:33 | 大通美術館


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