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栄通記

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2015年 02月 21日

2465)「竹中春菜 橋本つぐみ(藤女子大写真部4年)二人展 reply」ニュー・スター 2月17 日(火)~3月2日(月)





竹中春菜 橋本つぐみ 二人展 
reply

 
(藤女子大学写真部4年)


 会場:ギャラリー ニュー・スター
      中央区南3条西7丁目・KAKU1階
       (西向き一方通行の道路の北側。
       美容室kamiyaの隣。)
 電話:
 期間:2015年2月17 日(火)~3月2日(月)
 休み:火曜日(定休日)
 時間:11:00~20:00
      (日曜日は~ 17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーー(2.20)



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 ビシッと決めたモノクロ・ワールドだ。

 橋本つぐみはやや淡い色調で心象気分。
 竹中春菜は黒の強さに変化をつけ、被写体そのものと向き合う姿勢。
 狭いギャラリーは二人の巣箱のようだ。ヒバリさえずる生娘(きむすめ)2人展だ。


 昨日拝見。それにしても良い天気だった。天気に誘われてか、3人の塊ができた。見知らぬ女性は気分は上々で目が笑っている。無言では立ち去りがたい雰囲気、何となく二言三言の立ち話。2月というのに春気分の陽気は他人同士を引きつける。
 もう一人の男性は顔見知りの写真家。始まったばかりというのに2度目の訪問という。これまた良い感じで立ち話だ。


 (以下、敬称は省略させていただきます。)



 左側の橋本つぐみから載せます。



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 橋本つぐみは高校時代から写真発表をしていた。僕はその頃を全然知らない。彼女を知る人たちは大いなる期待で見守っていたはずだ。

 結果は・・・、僕は伸び悩みだったと思っている。
 大学入学時のお祝い桜写真も見た。同性愛者達の街中行進も撮っていた。「女」あるいは「女の子」の性にも取り組んでいた。藤女子大特有のモノクロで「風景」にもチャレンジしていた。
 圧巻は、今回の相方・竹中春菜がモデルだ。昭和ロマン的な「女の子」の標本世界でゾクゾクとした。抜群に良かった。橋本のテーマの一つ「女、女の子、性」にも適っていて、その自作の期待を高めた。

 しかし、ここからがいけなかった。相棒・竹中春菜への全面的な信頼は、他の被写体を強く見つめるキッカケにはなれなかった。

 もしかしたら橋本つぐみはセンチメンタルでロマンティックな女の子なのかもしれない。「何かを強く撮らないといけない」という自意識と、「自分の気持ちを吐き出したい」という感情が上手く重なっていないのかもしれない。

 今展、素直な作品だと思う。優しさもあり、男の撮るモノクロとちょっぴり違う感じだ。でも、結局は意図的に求めていたこととは随分違う位置にいる。自分に正直になたのだろう。回り道、試行錯誤の「卒業」という儀式だ。
 卒業後もモノクロに拘るのか?原点のカラーに戻ってより楽しく写真をするのか?な~に、焦ることはない。気長に続けて、大学時代とは違った橋本を見せたらいい。




 次は竹中春菜です。




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 おーっ、森山大道顔負けの迫力だ。いきなりのハード・パンチだ。




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 この花は撮影者自身だ。

 竹中春菜は野に咲く花を愛する。綺麗とか可憐ではなく、強くしっかりそこにある、という姿を愛する。だから、単作で勝負するタイプだ。その一作の中に自分自身を含めた全部を表現する。そういう意味でのモノクロ派だ。ありのままの美ではなく、誇張を含めてあるべき姿としての美を探求している。理想や願望を強く自覚している。



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 まるで中国の「集合住宅のある風景」みたいだ。どこか場末がかって現代との断絶を感じる。それは「昔々~」とか、「トンネルを抜けると・・」で始まる物語の手法で、見る者を別次元に誘う。

 僕は先ほど、「竹中春菜は単作作家」だといった。今まではそうだった。ここにきて、彼女の中の物語が蠢き始めた感じだ。きっと今までは「自分らしくある」という写真に拘っていたのだろう。写真による存在証明だ。その段階は終わった。まさしく「卒業」した。今展は「物語の始まり、予告編」だ。展示作品の黒の色使いはかなりバラバラだ。意図したものではないだろう。あれもしたい、これもしたいという気持の表れだ。

 きっと、地道に写真努力をしたのだろう。気持ちの上では焦っていても、一歩一歩着実に技術と感性を磨いたのだろう。



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 以下、雑談。藤女子大とモノクロ雑考。



 藤女子大学写真部4年の竹中春菜と橋本つぐみの二人展。いわゆる卒業記念展だ。

 ここの写真部はモノトーンで有名だ。だからだから今展もモノトーンだ。

 不思議なものだ。他大学写真部も暗室の備えはあるのだが、今や発表はカラーが主流と言ってもいい。そして被写体は極々普通の身辺事情ばかりだ。
 その中で、女子大学なのに孤軍奮闘でモノクロ主体でやっている。さぞや男勝りの勝ち気な女性と思いきや、いたって普通ムードで可愛い女子学生ばかりだ。しかも小柄だ。暗室の中でジトーっと時間をかけて写真に向き合う。「良い黒よ黒よ、出てこい!」、「あ~、この淡い灰色が良いんだよな~」と自問自答しながら悪戦苦闘しているだろう。間違いなくそれは良いことだ。

 写真行為をすること、写真を知るには暗室体験は最高だ。悪いわけはない。ところがどうしたことか、この女子大学の卒業生達、卒業後の発表をあまり聞かない。

 何故か?僕は根ながら考えた。

 結論その一。
 モノクロからカラーへの意向に失敗したのだろう。変にモノクロに拘りすぎたのだ。
 卒業後に暗室制作を続けるのは至難だ。それに、これはどんな写真家にもいえるのだが、デジカメで膨大な写真を撮っている。至って普通の女の子がモノクロを続けるのには無理がある。

 結論その弐。
 モノクロは男の美学だと思っている。そこにはウソがある。いや、ウソばかりだ。だからカッコイイ。ウソの中で勝手に空想、妄想に浸ることができる。壮大なロマンに酔うことができる。
 だいたい、現在の美術は西洋価値観を前提にしている。その西洋美学&美学史は男の価値観の結晶だ。
 そのモノクロを普通の女の子が継続するには無理がある。

 結論その参。
 被写体としてはモノクロは何でも料理しやすい。料理とはまさに加工で、撮影者の美学に高めることだ。多重露光でとんでもない加工をしても、黒の美学を重んじるモノクロはあまり異様とは思わない。むしろ、「虚から実」というサインになる。
 その点、カラーは等身大を前提にしている。もちろんいかようにも加工できるのだが、加工それ自体が「実から虚」というサインになる。
 空想よりも生身の実感を愛する女性軍は、鑑賞はともかくとして、なかなか無意識的かつ自覚的に「虚」を前提にはしにくいのでは。

by sakaidoori | 2015-02-21 18:21 | ニュー・スター


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