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栄通記

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2015年 02月 18日

2458)「永野曜一 個展 2015」 さいとう 終了/ 2月10日(火)~2月15日(日)

  


永野曜一 個展 2015       
     
             


 会場:さいとうギャラリー 5階  
     中央区南1条西3丁目1
      ラ・ガレリア5階
     電話(011)222-3698

 会期:2015年2月10日(火)~2月15日(日)
 休み:月曜日(定休日) 
 時間:10:30~18:30
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーー(2.13)


 会場風景を載せます。入口から右壁面、正面、左側の奥まった展示空間。



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 (以下、敬称は省略させていただきます。)



 会場風景をザッと見てもわかるように抽象絵画だ。
 やや薄塗りで勢い重視、そして重厚だ。色味なり筆さばきもその勢いの中でリズミカルに動いてはいるが、若者的な天真爛漫さで自由溌剌というものではない。心象風景ともとれるが、ある種のイメージの中に絵画的造形を試みているみたいだ。

 しかしだ。「永野曜一」の個別魅力を語る以前に、こういう「個展」を見れたこと自体が良かった。何と言えばいいのか・・・「画家」が「絵をしている」、「オレの絵は、世界はこれなんだ。見てくれ!」っとぶっつけている。そんなまっただ中で作品を観ている自分がいる、そのことが何とも心わくわくしてしまった。

 表現の基本は、何だかんだといって「自己表現」にあると思っている。その表現が単なる作家個人の価値(感覚)表現かもしれない、他者との関係を追求する社会派感覚や行動かもしれない。その表現が社会(他者)から認められようが、認められまいが、止むに止まれぬ「作家個人」がそこにある。だから、表現の基本は「個展」にあると僕は思っている。


 その個展が最近の札幌では少なくなった。札幌のギャラリーが少なくなってはいない。むしろ増えたと思っている。しかも、箱物的なギャラリー空間ではなくて、外光を取り入れた清潔で開放的な場であったり、特徴的な空間が増えた。独自の空間を設けた喫茶ギャラリーがその勢いの主体だろう。それは間違いなく良いことだ。

 しかし、作家自体が激増したとは思わない。結果どういう展覧会が増えたか?
 学生展が多くなった。グループ展が多くなった。喫茶ギャラリーの企画展が多くなった。
 若い作家にとっては良い環境になったと思う。発表歴の多い作家には無料展示の機会が増えただろう。

 良い環境にはなったが、「札幌の若い連中は面白い!」といえるほどの勢いはない。見慣れた作家の新境地を見る機会ばかりとはいえない。
 そして、ここが肝心なのだが永野曜一のような中年男性、及び中高年や初老、老人の男の個展が激減した。
 責任論でいえば、道内三大公募団体が責められても当然だろう。あそこには「純粋絵画」が沢山出品されているから。三団体で会員は300人はいるだろう。会友や一般を含めたら素晴らしい作家群だ。その作家達が個展をしない。何故か?あたかも公募団体が個の表現を押さえているかのようだ。



 「永野曜一 個展」、失礼な言い方だが、絶滅危惧種のような展覧会だ。・・・ふり返れば、そこには画家がいない・・・そんなことはないはずなのに。

 永野曜一が何を目指したいか?

 画家個人の自由な精神を、絵画という枠に如何に合致させるか、がテーマなのだろうか?最終的には、画家である以上、絵画枠の中の姿が画家の自由な精神だ。
 「描くこと」によって、画家自身が気付かなかった自由精神にも目覚めるはずだ。
 「描くこと」、画家自身が「見ること」、他者に「見せること」・・・「絵画」と「自由精神」の問答をしているようだった。

 何も焦って言語化することはないだろう。この2,3年の発表ぶりは元気そのものだ。孤軍奮闘かもしれないが頑張って欲しい。



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   ↑:「風のかたみ」・F50。




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   ↑:「いつかの空」・F20。




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   ↑:左側、「黄土」・F8。
   ↑:右側、「風景」・F10。




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by sakaidoori | 2015-02-18 11:12 | さいとう


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