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栄通記

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2014年 08月 19日

2450)③「第60回高文連石狩支部 美術展」 拓北高校 終了/8月6日(水)~8月8日(金)

       


  

第60回 高文連石狩支部 

   美術展
   
  


 会場:北海道札幌拓北高等学校
     札幌市あいの里
     電話

 会期:2014年8月6日(水)~8月8日(金)
 休み:
 時間:初日  ⇒11:30~17:00
    二日目 ⇒10:00~17:00
    三日目 ⇒10:00~15:30
   (以上は一般公開日程)
 

 【参加高校生】
 とても沢山。60校総作品数807点。  

 当番高校:北海道石狩翔陽高校
 主宰:北海道高等学校文化連盟石狩支部 

ーーーーーーーーーーーー(8.8)


 2441)①、2445)② の続き。

 会場は第一体育館、第二体育館、構内の廊下と盛りだくさんです。

 作品は線描・点描や切り絵などを中心に載せていきます。



 (以下、敬称は省略させていただきます。)


 今回の会場風景写真は特に場所の明記はしません。それでも、始まりは第二体育館の風景からです。




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   ↑:(以上は第二体育館。)






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   ↑:東海大学附属第四 2年・沼館加奈子、「見据える。





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 切り絵だ。刻み線のゆらっとした自由な感じとか、シマウマの縞々模様の緻密さとか、切り絵の魅力たっぷりだ。高校生らしく自画像?も入っている。口を隠して見据える姿勢も凛々しい。

 色柄は「派手にした」と本人は解説しているが、それほどド派手ではなく、むしろスッキリ清潔だ。収まりの良い全体構成だ。そのことが学生の期待した「ハデさ」とは違うムードなのだろう。それに、白味が多い。この白は個人的には大好きなのだが、ハデにしたかったら白の領域が多すぎるのかもしれない。

 「ハデにしたい」のは、学生にとっては色だけの問題ではないのだろう。自分自身の気持ちや心を大きくしたいのだろう。そういう意味では、志は良かったが、まだまだだ。上手な人だ。もっともっと冒険心を沸騰させて、丁寧に丁寧に切っていけば、色だけでない「ハデさ」が画面から発散していくだろう。




 次の5点は全作札幌山の手高校だ。おそらく、似た感覚なので、顧問先生の好みや指導が反映しているのだろう。





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   ↑:左側、札幌山の手高校3年・山口辰哉、「存在」。
   ↑:中央、札幌山の手高校3年・宮田紗花、「救いを求めよ」。
   ↑:右側、札幌山の手高校3年・石川司、「時」。



 以上は全員3年生。次は2人とも1年生。



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   ↑:左側、札幌山の手高校1年・山崎逸紀、「異界の猫」。
   ↑:右側、札幌山の手高校1年・川野詩織、「ⅩⅡ時のシンデレラ」。



 相当緻密に線描を施している。肉声を伝えると言うよりも、装飾処理みたいになっていて、自分好みとは少しずれる。その装飾もアラベスク風の無限回帰に陥りそうだと、それはそれで大好きなのだが、そこまでの没個性にはならない。「高校生らしさ」第一の制作態度だから当然だろう。今は一所懸命に空間を模様感覚で埋め尽くして、その絵画エネルギーを財産として蓄積しているのだろう。ここからそれぞれが自覚的に先に進むと凄いことになるだろう。







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   ↑:札幌平岸高校3年・金子ひかる、「ナチュラルハイティーン」。



 こちらは同じ埋め尽くすでも、肉声200%の自己主張だ。「人生、愛も恋も憎しみも楽しみ苦しみモ、イッパイイッパイ!」だ。かなりオドロオドロ雰囲気が露出しているから、単なる見かけの明るさを問題にしているのではないだろう。何より、描いた本人がスッキリもっきりカイカ~ン、良い気分だと思う。だから絵は最高だと思う。








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   ↑:札幌東商業高校3年・福井杏奈、「邂逅する夏」。




 こちらは気分ドロドロだ。色もそれなりに多用しているが、やっぱり流れ落ちる黒い炎模様が圧巻だ。蝶々があったり、女の子が背中を見せて集まったり、舞台のカーテンみたいなのがあったりと、かなり象徴的に小道具を配している。

 「これが私の夏、これが私の良い気分」と、うそぶいている姿勢が頼もしい。「この世界だって綺麗なのよ」と呟いているのだろう。






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   ↑:札幌東商業高校3年・佐藤杏奈、「つながる」。



 「つながる」というタイトルに驚いた。てっきり「別れる、離れる、断絶する」と解した。

 確かに手の触れ合いに「つながる」を見ることができる。しかし、二つの世界(顔)の接続部分、その間を埋めている暗い闇は、「永遠の断絶感」を思った。一人の人間の崩壊に近いものを見てしまった。
 それにしてもこの「崩れ感、いや、学生のタイトルでは統合感」、確かに圧巻だ。漫画的だが、そのブラックユーモア的要素が人間の悲哀を感じる。黒に包まれたカラフルさも刺激的。







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   ↑:札幌西高校3年・高橋侑汰、「蛇神」。




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   ↑:(上掲の部分図。)




 画面の中には小さな蛇だらけだ。小さな蛇が集まった大きな蛇になったわけだ。
 蛇は気持ちが悪くて遠慮しがちが、人間にとってはユニークな存在だ。アダムとイブではないが、絵画上でも大事な存在だ。

 それにしてもこれほどの蛇にチャレンジするとは!エライ!









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   ↑:札幌白陵高校2年・佐藤茉依、「ダチョウ」。


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 細密画だ。細密表現もいろいろあり感心してしまう。見事なものだ。







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   ↑:有朋(通信)高校2年・小平朗寛、「“脳”インスピレーション」。



 これまた面白い作品だ。
 四畳半の一人部屋で、空想に浸っている感じだ。
 貧乏な四畳半かもしれないが、作品の線はふくよかだ。だから、作品自体に貧相さはない。青年が狭い空間で自分の手や顔を見ながら、自分自身と対話して、なんだか変な気分になってきて、その変な世界を覗き込む・・・でてくるでてくる夢物語、その前奏曲だ。








 なんとかもう一回は載せたいです。気分は「④に続く」ですが・・・





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by sakaidoori | 2014-08-19 14:42 | 学校構内


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