栄通記

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2014年 08月 15日

2445)②「第60回高文連石狩支部 美術展」 拓北高校 終了/8月6日(水)~8月8日(金)

     


  

第60回 高文連石狩支部 

   美術展
   
  


 会場:北海道札幌拓北高等学校
     札幌市あいの里
     電話

 会期:2014年8月6日(水)~8月8日(金)
 休み:
 時間:初日  ⇒11:30~17:00
    二日目 ⇒10:00~17:00
    三日目 ⇒10:00~15:30
   (以上は一般公開日程)
 

 【参加高校生】
 とても沢山。60校総作品数807点。  

 当番高校:北海道石狩翔陽高校
 主宰:北海道高等学校文化連盟石狩支部 

ーーーーーーーーーーーー(8.8)


 2441)① の続き。



 ①では第一体育館の様子を載せました。

 この②では、構内の様子を伝えます。
 写真を撮る時は生徒を挟んで先生方の講評会の真っ盛りだった。作品を見たい撮りたいという立場からだと、いささか困るのだが、こういう風景なり講評の様子を垣間見るには良い機会だった。何事も一長一短、現場に合わせて楽しむのが一番です。載せたくなるような作品にも会えなかったかもしれない。でも、これだけの作品群だ、個々の作品力よりも、「高文連美術展」の雰囲気を少しでもお伝えしたいです。




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 受付け近くの階段から3階に行く。すると、広間に沢山の作品群。

 以下、適当に進んでいきます。





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   ↑:札幌啓成高校3年・中嶋栞、「グロテスク」。



 明るい絵だ。でも、顔はつっぱている。「ふふふ・・」という感じでタイトルを見ると「グロテスク」だ。ここで学生の説明文を読めばその意図はわかるのだが、読まなかった。お花さん満開の「明るく素直な満開の花々」、「変な顔、自画像?」、そして「グロテスク」、ちょっと不思議な三角関係を記憶しておこう。


















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 絵画作品の画題は女子高校生。そしてキャンバスも人物のようにして並んでいる。「私がイチバンだわ。何言ってんの、ワタシよ。エッ、ワタシだってば・・・」そんな楽しいのか、怪しいのか、ワイワイガヤガヤのお喋りも聞こえてきそう。





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   ↑:札幌西高校2年・貝澤由紀、「思いで旅行」。



 色がいろいろ、明るくって楽しくて賑やかで、そしてそして何より可愛いのが好きなのだろう。だから、ビーズとかをコラージュ感覚?で貼り付けている。でも楽しいばかりじゃ面白くない。それに、「絵に自分がなくてはつまんない」、だから、いろんな表情の自画像を描き込んでいる。楽しい絵だが、「あ~、自分って何なんだろう?」という声も聞こえてくる。

 彼女自身が何なのかは知らない。言えることは、もっともっと色を使って人生をチャレンジしたらいい。コラージュも、するならするでもっと大胆にしてみたらいい。人生の冒険は至難だ、心を開くことも角が立つ。せめては絵の中だけでも波瀾万丈でありたいものだ。





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   ↑:札幌西高2年・中田結依香、「回顧」。



 札幌西高の生徒の具象表現力は巧みだ。おそらく、顧問先生の指導が熱心なのだろう。

 中田結依香もしっかりしている。お母さんを中央において大きめに描いてはいるが、メインの画題は左側の娘だ。わざとにメインテーマを脇にて、強調表現を高めている。顔を含めて一所懸命に描いていて、油彩特有の濃密さが伝わってくる。顔表現の乱れは拙さかもしれないが、かえって生きている少女らしい。

 さて、中田結依香と会話することができた。写真を使っているとのことだ。写真の使用、それは良い。
 もし、写真を真似る感覚で描くのならば、沢山写真を撮るべきだと思う。メインの写真が1枚あるとしたら、その写真風景の周りをぐるっと10枚ぐらい撮る。ついでに空だけも、地面だけも撮る。四方八方もついでについでに撮る。そんな写真20枚位を並べて、じとっと写真風景とにらめっこしたらいい。そういう全体の中で構図を考えたり、風景の取捨選択をする。何より大事なのは、その場の風なり空気なり臭いを思い出して、絵画に溶け込ませたら!心すべきは写真はあくまでも手段です。
 とは言っても、「写真の通りに描く」ことに最大限の楽しみがあるのならば、それはそれで描き手の美学だから、上記の言葉は意味をなしません。「絵画技術」修得に全精力を注げば、より早く写真の通りに描けるようになるでしょう。それは「個人表現の美術・芸術」ではなく、「巧みを競う工芸」に近いかもしれない。






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   ↑:札幌西陵高校3年・川崎乃佳、「vakker」。



 ファンタジックで綺麗な作品だ。溢れんばかりな真夜中なのが僕は好きだ。昼間は普通にそこにあって、なぜだかお月様が明るくなるとみんなが活き活きしてくる。





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   ↑:札幌西陵高校2年・齋藤希季、「ごろごろーど」。



 これまた元気だ。一つ一つを頑張って大きく描こうとしている。そこが良い。オシクラ饅頭でホッペを膨らましている。負けるわけにはいかない。みんな頑張るのだ~。






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   ↑:札幌厚別高校2年・中澤菜那、「階段」。




 寂しい絵だ。その寂しさがよく伝わってくる。おそらく、寂しい絵を意図的に描いているのではないだろう。人もいない。おそらく、人物を描きたいと思っているはずだ。が、描けないのだろう。この階段に自分を託している。上に昇れば明るいか?「天国?」、行きたくない。下に降りれば暗いか?「地獄?」、行きたくない。

 学生本人の作品解説に、「明るい絵が描けないんです」とある。描く必要はない。それでも何か描きたい!嘘のない自分を描けばいい。美術ほど自分から離れて行けば行くほど魅力のないものはない。

 確かに拙い絵でもある。が、拙いが故に寂しさがとても伝わってくる。良い絵だと思う。







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 二つの中庭を見ることができた。そのうちの一つです。贅沢な高校だ。

by sakaidoori | 2014-08-15 11:52 | 学校構内


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