2014年 08月 12日
宮崎亨展 「生きる」 会場:時計台ギャラリー 3階G室 中央区北1西3 札幌時計台文化会館 (中通り南向き) 電話(011)241-1831 会期:2014年8月4日(月)~8月9日(土) 時間: 10:00~18:00 (最終日は~17:00まで。) ーーーーーーーーーーーーーーーーー(8.4) (以下、敬称は省略させていただきます。) 一見、オドロオドロしているが、そうではない。健全健康な前向き指向で、主義主張の絵画群だ。「みんな生きてるか~!オレは生きてるぞ~!生きていたら辛いこともあるだろ~、がんばろ~ぜ~!」と、メッセージを贈っている。 画題としてのオドロオドロさは、草間弥生的な画家の人格上の妄想ではない。画家自身の主義主張として選ばれた姿だ。社会への意義申し立て、象徴としての暗黒からの叫び・・・だが、絵画としては観念的かつ説明的で、まだまだリアルさには欠ける。欠けるが、真摯一徹にこの道一筋という作画姿勢は10年先に期待を抱かせる。今の時代、学生時代ならともかく、頑固一徹にしかも生真面目に社会性を訴え、「原点から描きたい」という画家は貴重だと思う。 ところで、大作は観念性が強いが、小品は画家自身の気質が正直に表れていると思う。ひ弱さや繊細さ、綺麗な絵を描きたい、ユーモア、ジョークなどなど大作の作られた世界とは異質だ。 絵とは難しいものだ。小品の中の画家の気質を、大きな画面に正直に反映させればと思うが、そういうものでもないらしい。素直な自己感性は小品。「何かを描きたい」という意欲や主義主張が大作になるのだろう。それは仕方がないとしても、やはり大作の中にも、その観念絵画を支える画家自身の感性が埋め込まれていないと、なかなか絵としては本物になりにくいと思う。今は無理を承知で観念の旅をしているのだろう。若者の旅路なのだろう。 宮崎亨・・・青年のような気持で一歩一歩進んでいるのだろう。 まずは小品を載せます。 ユーモアと同時不思議さ繊細さもあり、興味津々。 次は大作です。 始めに、今年の新道展出品作品を載せます。最新作であり、新境地?的作品です。 希望の明日に向かう一本の道、だ。 ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」の冒頭だったと思う、サーカスで綱渡り師が高所で綱渡りをしていた。それを見たツァラトゥストラは、「進むも危ない、退くも危ない、ならば進むしか道はない」、そんな言葉を吐いた。「進め」と言ったかどうか?そしてその人は前に進み、そして墜落した。ツァラトゥストラは屍に歩み寄ったか?(読書の記憶が定かではない。) そんな光景を思い出した。 絵としては高所としての恐怖心は少ない。明日に向かう希望心が絵を覆っている。確かに説明調ではあるが、人の顔も描かないで、いろいろな状況を推測してしまう。好きな赤も意図的に避けている。良いイメージが画家に降りたのだ。無理の少ない心地良い作品と思う。 未完とのことだ。確かに全体が少し薄塗りだ。この淡さが今までとは違う宮崎調で面白かったのだが、画家の仕上げを今一度見定めねばならない。 新道展繋がりのお二人です。 右側が宮崎亨氏。左側は新道展会友の三浦恵美子女史。 三浦さんは9月22日から此処時計台ギャラリーで個展を開きます。初個展!?頑張って下さい。 →:「グランド・ゼロ」。
by sakaidoori
| 2014-08-12 00:20
| 時計台
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丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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