2014年 08月 04日
「自然史―北海道/福島/徳島」 +「福島の光景」 「露口啓二写真作品+岩崎孝正映像作品」展) 会場:CAI現代研究所 中央区北1条西28丁目2-5 (環状線から北海道神宮方面に曲がり、直ぐの左側の中小路に入る。 50mほど先の右側、コンクリートの一階建て。) 電話(011)643-2404 (13時以降) 会期:2014年7月19日(土)~8月5日(日) 休み: 時間:11:00~19:00 ※ 上映会 ⇒ 7/30(水) 14:00~16:00 ※ クロストーク ⇒ 7/30(水) 19:00~21:00 於・当会場 参加・露口啓二+倉石信乃+岩崎孝正+四方幸子 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8.3) (以下、敬称は省略させていただきます。) 今展パンフのタイトルには、作家の明記がない。内容紹介として、「露口啓二」「岩崎孝正」の名が見えるだけだ。上映会等、確かに多くの方が関わってはいるが、実質は「露口啓二写真作品を中心にした露口啓二展」だ。 ではなぜ「露口啓二」の名前をしっかり主張しないのか?おそらく・・・「自然が露口を動かしている。その自然の力を見て欲しい」、「福島を見つめるとは多くの人との関わりで成り立つ。だから、固有名詞は避けたい」という写真家の意向か? だから、今展は「自然の中の境界域とその力--露口啓二の原風景(徳島)、アイヌ語に誘われた北海道風景、そして今福島を見つめる」として見た。 展示は「徳島」「北海道」「幌内」「福島」なのだが、ほとんど独自の地域性を感じることはできない。被写体としての面白さ物語は皆無と言いたい。 次の写真は僕が一番面白かった作品だ。 福島を撮った一枚だと思うが、全く面白くない作品だ。 荒れ地の雑草だ。「福島」だから、人の住まいなどの痕跡地かもしれない。昔はもっと自然豊かな地であったかもしれない。何かの象徴として選ばれたの?だが、面白くないのは事実だ。 ただ、他の写真も同様だが、強い写真だ。「ここを見よ」という主張がある。面白くないところをさりげなく撮ったのではないことは確かだ。 露口作品を面白いと思う人は、「露口啓二」を知っていて、その行為が好きとか、氏の作品に見慣れて虜になっている人だろう。あるいは、この名もなき作品とシンパシーが会った人だ。つまらない光景を強く見つめる撮影者に心動かされた人もいるかもしれない。 次の作品は比較的わかりやすい作品だ。(こちらのミスで場所は何処だかわかりません。) 神社が見える。ということはこの山はご神体で神域だ。だから、その手前の風景は人為の跡に違いない。そして、山際の暗い直線ラインも気になる。神域と人域の境界ラインとして意識して撮っている。「ここを見よ」と言っている。更に言えば、「ここから人の文化文明は発したのだ。だから私はここを強く撮り、強く人に見せ、強く記録としても残しておく」と強く強く語っている。 露口写真としては説明しすぎ、語り過ぎだから成功作品と言えないかもしれないが、今展は「露口自分史」だから許されるだろう。 この写真で明瞭なのは撮影者は神域あるいは異界に着目し、同時に神域に触れる人の足跡地も並々ならぬ関心があるということだ。 だから、先ほどの面白味に欠ける草むら作品も、その風景に氏は異界と人界に関わる何かを感じたのだろう。 以下、始まりから掲載していきます。 「自然に何かを感じて、一人格闘している人間・露口啓二」として僕は見た。皆さんはどうでしょう? 徳島での原風景としての自然。アイヌ語によって原風景を北海道で後追いし、福島に関わることで「一人」という立場から、「ともに」に軸足が動いた。「アイヌ語」による写真撮影は他者との関わりを生んだ。今は他者から世間へとより広く間口を広めているのかもしれない。 生地徳島県の忌部山あたりの光景。「忌部山」、何てゆかしき地名だろう。古(いにしえ)の香、修験者やお墓の臭いプンプンだ。 幼少時、この「光景」を身に付けてしまったのだろう。この光景の意味を問う旅が氏の写真行為かもしれない。 次は北海道の光景です。 次のやや小振りの作品群は「福島」だと思う。本当に恥ずかしいのだが、ほとんど地域性を考えないで見ていった。撮影場所等に誤記があるかもしれません。 最後のコーナーは北海道?かな。 岩崎孝正氏の福島原発に関する映像が流れています。
by sakaidoori
| 2014-08-04 13:25
| CAI(円山)
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アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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