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栄通記

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2014年 08月 01日

2435) 「釜谷美由紀展 Photo Exhibition」 ミヤシタ 7月16日(水)~8月3日(日)

   




釜谷美由紀 Photo Exhibition   
           



 会場:ギャラリー ミヤシタ
      中央区南5条西20丁目1-38 
      (南北の中小路の、東側にある民家)  
      電話(011)562-6977

 会期:2014年7月16日(水)~8月3日(日)
 休み:月曜(定休日)
 時間:12:00~19:00 
     (最終日は ~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(7.31)



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 (以下、敬称は省略させていただきます。)




 縦長の世界が窓のようにしてたたずんでいる。被写体はいくつかのパターンに分かれているが、全ては「向こうにある」、そして「覗いている」。その一つ一つは大事な一瞬なのだろうが、撮影者の心が止まった感じで、こちらも被写体を追いかけはするが、何とはなしに自分自身の風景感と対話している感じにもなる。

 淡々と作品を追っかけよう。






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 プロローグとしての小品。
 荒々しさだけが目立つ変な作品だ。「大地を見よ!向こうの区切られた空間を見よ!左右の壁も見よ!」と、訴えている。今展の主要部分を構成する作品とはムードを異にしている。だが、以下の心象風景的にも見える光景の背後には、こういう並々ならぬ強さが隠れているのだろう。





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 木々の傾く姿、横たわる姿は心をざわつかせる。木々の線で区切られた向こうの風景を僕らは垣間見る、見つめる。・・・撮影者は現場の臨場感を伝えたいのか?同時に、作品を見た瞬間に「これは過去の出来事だよ」と、作品の凸凹な画質感が教えてもいるようだ。過去と現在の結び目を探しているのか?
 水平線は中央にある。真ん中にも変な塊がある。決して手前を強く見ているのではない。全てが等価値でそこにある。いや、荒廃した姿だ。過去には「違った風景」があったはずだ。

 おそらく東北震災の姿だろう。確かに撮影者は歴史的風景を撮りはするが、記録とか告発という立場ではない。「非日常的な重い現実」と「今という普通の風景」を「撮る」という行為で重ね合わせ、「見せる」という姿勢で何かを付け足そうとしている。
 「何を」・・・。先に進もう。





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 寒々しい光景だ。全てが立っている。
 おそらく撮影者は「立つ姿」が好きなのだろう。しかも「堂々と立つ」ことを。







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 遠くにある。ならば近くには無いのか?撮影者は水平線の向こうの横拡がりの世界を近づけたがっている。高くにある理想郷をアゴを上げて求めようとはしない。上下は木々の立ち姿で充分だ。向こうにある世界をたぐり寄せたい。



 ここまでが今展の前半。震災とか、向こう側の時空とか、表向きの主張は以上の作品で充分だろう。

 後半は写真そのものをいろいろと楽しんでいる。以下の、寄せ集めとも思える種々なアプローチ、強いて脈路を付けてはいない。だから、今展には総合タイトルがないのだ。「残心」という言葉で写真気分を代弁させてはいるが、一人の人間が撮っているからそれなりの統一と関連はあるだろうが、やはり強いてあるコンセプトでくくらない方がいいだろう。風景を切り取る写真と自分の可能性の場でもある。

 女子たちを見つめるロマン、絵画のような切り口、恐いネコは自画像か?抽象を力一杯楽しんでもいます。そうなんだ、この人は全てに力一杯なのだ。だからこちらもついつい力が入るんだ。後半は力を出し加減、前半は力を溜め込んでいたのだろう。





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 奇を衒わずに付かず離れず、画面の細やかさは女性だからか・・・そんな窓越しでのあれもあるこれもあるという風景だった。










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 突然現れる怒るネコだ。吠える子ネコか雌ネコか化けネコか!





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 自画像として見た。

by sakaidoori | 2014-08-01 11:19 | ミヤシタ


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