2014年 07月 24日
夕張市美術館コレクション展 会場:ニセコ町・有島記念館 特別展示室 ニセコ町有島57 電話(0136)44-3245 会期:2014年7月12日(土)~9月7日(日) 時間:9:00~17:00 (入館は16:30まで) 休み:会期中無休 料金:一般500円 高校生100円 中学生以下無料(含 ニセコ在住65歳以上) ーーーーーーーーーーーーーーーー(7.19) ニセコ有島記念館での夕張市美術館コレクション展だ。 夕張市美術館、建物は存在しない。 2、3年前、大雪で美術館の屋根が崩壊した。結果、閉館になった。失礼な表現だが、2度目の閉館だ。一度目は夕張市が大赤字で財政再建団体に転落した時だ(2007年3月)。その時、美術館は可能な範囲で収蔵品を整理した。そして加森観光が「夕張リゾート」として市内観光施設を再開したが、美術館もその一部に組み込まれて再スタートした。 雪で展示や収蔵のための館(やかた)は亡くなったが作品はあったのだ。今でも市役所などのロビーを使って展示しているとのことだ。当然、作品はそのまま夕張市内某所に保管している。 今回、そのコレクションのみによる企画展だ。 夕張美術館収蔵作品の問題、美術愛好者は施設崩壊後の作品の行く末を心配していたと思う。夕張市がしっかり収蔵しているということを今展で知ることができた。それは今展の意義の一つだろう。 2番目の問題として、「なぜニセコの有島記念館での展示なのか?」だ。 この問題は本当はたいしたことではないと思う。今、札幌で徳川時代展なるものを近美で開催しているが、いちいちその開催理由を問わない。それと同じ事だから。普段見れない作品が見れたらそれでいい。ただ、「開催理由という物語」は水戸黄門のご印籠のようなもので、何かにつけ御利益があるかもしれない。 しかし、史上最高最大の財政破綻地方自治体の美術コレクションが相手だ。何かの「物語」を発信して、今展の存在理由を声高にしたいところだ。 だから、当日のギャラリー・トークでそのことを確認した。 曰く、 「夕張の石炭は発電事業の核でした。ニセコにも、あまり知られていないが王子製紙の水力発電所があります。電力繋がりということで、夕張との共通性を確認します。主に炭鉱に働いていた人達やその生活環境にスポットを当てた作品を紹介します。本展は2部構成になっていて、第一部は夕張市という炭鉱の姿を地元作家作品で見ていきます。第二部では炭鉱マンの作品を離れて、広くコレクションをみてみます」とのことだ。 「電力繋がり」意外な回答だった。 僕は、 「地方美術館の存在理由を風前の灯火のような夕張コレクションを通して考える」とか、 「展示される機会の少なくなった作品達の紹介」とか、 「北海道産業の中核としての農業、有島は大地主として農業に深く関わった。夕張は国家のエネルギー産業として石炭に関わった。共に日本近代の牽引車には違いないが、今では歴史的遺産という扱いだ。そのことを今展では考えたい」そんなことを考えていた。 関係者の開催理由(拘り、物語)を伺ってもピンと来なかった。王子に関わる林業と水力発電か・・・。知らないことを知ったのは事実であり、勉強にはなった。決してこじつけではないが、裏から攻められた感じだった・・・。 前置きがいつものように特大に長くなりました。 以下、会場風景です。 夕張市美術館に親しんでいた人にとっては懐かしい作品が続くと思います。4人の地元画家によって構成されています。 次の②で、作家名を記します。 この写真に会えてよかった。いずれ詳細に報告します。 次からは第二部です。 次回は印象に残った個別作品を何点か掲載します。4、5日後になrます。 ②に続く。
by sakaidoori
| 2014-07-24 22:20
| [ニセコ]有島記念館
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丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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