2014年 07月 20日
Gleam groove (グリーム・グローヴ) 第1回『希望の光』展 会場:品品法邑 東区本町1条2丁目1-10 (北郷13条通の北側の南西角地。 同じ北側の向いに法国寺有り。) 電話(011)788-1147 期間:2014年3月16日(日)~3月23日(日) 休み:火曜日(定休日) 時間:11:00~18:00 【参加作家】 神成邦夫 木村輝久 木村睦美 戸井啓介 七苗恭己 楢崎豊 原田麻菜 牧志禮 丸山貴江 山本祐子・・・以上、10名。 ーーーーーーーーーーーーーーーー(3.23) 2417)①の続き。 (以下、敬称は省略させていただきます。) 次は1階の作品から。 (大きなお世話ですが、現場で見るよりも見やすく加工したかもしれません。多分、もっと暗めで、見続けていると目が慣れて上の写真のようになるのでは。) 全く困った人だ。天の邪鬼というべきか、目立ちたがり屋というべきか、グループの最協調者というべきか異端者と言うべきか、唯我独尊・我が道を行く神成邦夫だ。 間違いなく今作は「目立つ」ことを基本にしている。「10人も参加していたら、所詮一人は小さい。目立たない。どうしたら目立つか?」を基本にしている。しかし、ただ目立つのならば、エロ雑誌のハダカ女を撮ればいいのだが、それでは知性派神成邦夫の名が廃る。テーマは光だ、明日への希望だ、時期は冬だ。だったら北国の「夜明け前」だ、「『夜明け前』の前の闇夜だ」だ。 そして、「目立たないといけないの」のだが、グループあっての個人だ。他人作を否定したり、覆い被さってはいけない。あくまでも「目立たず目立たず」。 マイペースに希望に満ち満ち、明日を信じる神成邦夫であった。 正直心の撮影者だと思う。それに、写真で遊びたいんだ。 「正直心はヒューマニズム」と、「遊びたいは、作る・装飾性」ということだ。このヒューマジズム精神と作る遊び精神がかみ合っていない感じだ。真面目に一所懸命に考える。考える時の基本が、「写真ならば、こうした方がよくなる」になっていて、「写真としては少しおかしいが、僕はどうしてもここにこれを置きたい」になっていないのが最大の問題点だと思う。つまり、そうせざるをえない写真感性というものがあるのだが、その自分の感性を見つめることよりも、写真としての完成度に重きをおいているみたいだ。 例えば、親娘が離れてはいるが楽しそうな作品です。ロマンチスト&ラブストーリー全開だ。僕は真ん中の木立の影は装飾過ぎていらないと思う。親娘の愛情関係の為には邪魔だと思う。この真ん中は愛に包まれた余白の雪景色で充分だと思う。 だが七苗恭己は大きく木立のシルエットに着目する。二つの意味上がる。「とにかくここに何かを入れたい」、一種のハート・マークという飾りで満たしたい。 もう一つは、写真をより良くしたいという写真技術の問題-装飾とか構図とか光と影とか-として知的感覚で大きく入れた。 シルエットをどうしても入れたい心と、写真技術にズレが生じている。他の作品も全てそうなのだが、何やかにやで空間を埋めている。埋めるのは七苗恭己の感性だから良いことなのだが、全て知的操作・小道具に見える。写真としては整理した方が良い作品になるとは思うが、それでは七苗恭己の遊び心がなくなる。だから、整理したらダメなのだ。思うに、もっともっと愛を込めて、小道具を扱うべきだろう。ヒューマンという主題はしっかりしている。小道具が真のキューピットになったらと思った。 それと、試みとして装飾性を脇に置いて、「人間を正視」して撮られたらと思う。日の丸写真という無意味な悪評をもろともせずに、正直200%で迫って、七苗恭己の魅力確認をされたらと思う。この正直な感性は貴重だと思う。 「ニッポンの夜明け!!胸を張って堂々と、我が祖国ニッポン!!」そういう意気込み盛んな作品群だ。 とにかく強い。強さを200%発揮する。その強さから醸し出される「虚(キョ)」は仕方ないが、「ウソ」は断じてあってはならにという信念を感じる。 戸田啓介のような強い写真家にとっては難しい時代だと思う。氏の場合は「強さ」の裏に「焦り」とか「苛立ち」とかの感情の起伏はあまり作品に出てこない。もっぱら「信念」を感じる。今の時代は「信念」を飛び越えて「あるがまま」にいこうとしている。豊かな時代だから、他人との微差とか、より個人的感性が見られている。そういう意味では、戸井啓介の場合は、その力強い信念の内用よりも一人仁王立ちする姿が眩しく見られているかもしれない。 それはそうと、この強さは「風景」に納まるのだろうか?「社会」や「風俗」や「闘う人間」や「ドキュメント」に合ってる感じだ。 ほんのチョッピリ遠くにある「観覧車」、「電車」、「船」・・なんだかそこにちっちゃな幸せがありそうだな。ちょと覗いてみてみたいな。でも覗き見はいけない、」ちょっと遠くから眺めてあげましょう・・・。そんな作品群だ。丸山貴江にとっての童謡の「小さい秋みつけた」みたいだ。 被写体に迫るとか離れるとか、凝視するとか胸がドキドキするとか、そんな冒険はしない。もし冒険という言葉を使うなら、何でもない風景でも「撮るという行為」に小さな冒険をしているのかもしれない。きっと写真行為で「冒険」の入口に立っているのだろう。とりたてて深入りする必要も無し、かといって離れる必要も無し。でも、写真という冒険は彼女を少しずつ前に押しているかもしれない。観覧車の廻りの賑やかな風景を見つめていると、自分も灯火の一つになりたいと思い始めているかもしれない。 今回は6名の掲載でした。また来年も見たいと思います。失礼を顧みない文章ですが、また書かせてもらえれば嬉しいです。 以下、品々法邑2階からの風景。
by sakaidoori
| 2014-07-20 10:31
| (くらふと)品品法邑
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丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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