栄通記

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2014年 07月 10日

2405)③「七月展(北海道教育大学岩見沢校・美術コース学生自主作品展)」市民g. 終了/6月25日(水)~29日(日)



  
  

七月展 

北海道教育大学岩見沢校 
美術文化専攻の学生による自主作品展
 



 会場:札幌市民ギャラリー・1階全室
     中央区南2条東6丁目
     (北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2014年6月25日(水)~6月29日(日)
 休み:
 時間:10:00~18:00
    (最終日は、~17:00まで。)

 【参加学生】
  とても沢山。私は

ーーーーーーーーーーーーーー(6.27)


 2385)①、2391)②の続き。


 個別作品を何点か掲載します。今回はこれで「7月展」は終了です。
 (以下、敬称は省略させていただきます。)




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   ↑:デジタル絵画研究室4年・佐藤菜摘、「~6.24.」・キャンバス 油彩。





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   ↑:(上掲の部分図。)



 フワフワ気分と色々気分、それは夢気分かもしれないが、どこかに押し殺しムードも漂っていて、200%明るく爽快良い気分ではない。
 いつもそうなんだ、色もふんだんに使っているし、線描も肉声を伝えているし、形もふっくらとしているし、いかにも当世女の子絵画なのだが、すとーんと突き抜けていかない。どこかに地味な心があって、そいつが自由な精神を統御しているみたい。より自由になるほうがいいのか?どこかに覗き目精神を残したほうがいいのか?悩ましき22歳の佐藤菜摘だ。






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   ↑:空間造形研究室3年・泉菜月、「声のない」・写真等。



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 こうして作品を写真で見ると「うさぎ」の形をしている。でも、ほとんどの人が「うさぎ」に気付かなかったと思う。多分、「うさぎ」の発見にテーマはないと思う。何に見えてもいっこうに差し支えないと思う。何かを表現したい取っかかりとしての「うさぎ」と思う。
 だったら、貼られた写真の「気取った女の子」が大事なの?「うさぎ」よりは大事な存在と思うが、これも「女の子」を貼りたいことが中心ではなさそう。では何をしたいのか?

 そのことよりも、四角な粒々の模様が壁のシミやゴミに見えて仕方がなかった。そのシミが壁という存在を意識させる。「あ~、壁なんだ、カベなんだ、これは壁なんだ。剥がれそうな壁なんだ」と、力強く納得してしまう。「どうしてそんな壁を利用して展示会というものを開くのだろう?」と新たな疑問も起こる。僕の心は美術展という場の精神を忘れてしまいそう。

 近づいて見る。女の子の写真はかなり挑発的だ。「こっちへ来い」と手招きしている。
 シミに見えたのはマスティング・テープだった。写真は演劇的ピンクが目立つが、テープは地味な色で存在臭がない。

 空間造形室に籍をおく学生作品だ。空間そのものに興味があるのか?表現したいことが先にあって、そのことを空間造形の中で模索しているのか?面白い学生だ。




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   ↑:(上掲の部分図。)






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   ↑:映像研究室3年・櫻田竜介、「無題」・インスタレーション。



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 「初めてあう二人にA君のことを話してもらう・・」そういうシチュエーションの映像だ。

 A君のことを語り合う「映像」なのだが、二人芝居だ。右の女性がA君の魅力を女の子っぽい仕草を交えながら、お喋りが続いていく。ただそれだけのことだ。左の女性が黒子の聞き役で出しゃばらない。お喋りをする女性の魅力を引き出す役目になっている。中心になっておしゃべりする人は、学生で素人の演技者だと思う。まったく普段着の話し方をしているのではと感じる。少なくても「普段着」を演じる役目だ。

 何をお喋りしているかというと、「ある男」のことだ。その内容はどうでもいいのだ。「女の子が男の子のことを語る」口調、表情、仕草が見ていて初々しい。

 では、この映像はそういう「女の子」の魅力を見せる作品かというと全く違うと思う。「普段着」が「映像」になり、「見られる存在」として目の前に現れている。それは間違いなく「人間」なのだが、見る私も「人間」なのだが、「リアルな表現」の女の子なんだが、「虚(きょ・うそ)」、が幾重にも包み込んでいる。結局「実在感」が遠のいていく。私が生き生きと演じている「女の子」に魅入られて、「可愛いしぐさだな、恋を語る女は生き生きだな」と感じれば感じるほど、何かがするーっと滑り落ちていく。

 「普段着」と「素人っぽさ」と「男と女」という道具立てが、全く違った世界を成り立たせていた。





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   ↑:美術・デザインコース/1年・鈴木恵梨奈、「かさなるイヌとワタシ」・キャンバス 油彩。



 見事な二重画像絵画だ。この二重の意味はどの辺にあるのだろう?私も犬も大好き?逆に、私も犬も大嫌い?私は犬?犬は私?単に二重画像を楽しんでいるだけかもしれない。気になる作品だ。






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   ↑:美術・デザインコース/1年・森遙奈、「鏡外の片鱗」・油彩。




 前出の二重画像絵画は自虐的なのか願望なのか遊びなのかはわかりにくかった。こちらはかなり戦闘的だ。「顔」、「壊れた鏡」、「目」・・・これだけ舞台装置がそろえばメッセージは明快だ。1年生らしくて実に良い。さて、今後はこの絵画衝動はどう進むのだろう?こんな傷つくような作品から遠のくのか、更に近づくのか?





 線描とか細密画とかは大好きだから、そういう作品を載せます




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   ↑:美術・デザインコース/1年・佐藤水紀、「海の起源に関する一章(寺山修司 詩より)」・ペン画 画用紙 ボ-ルペン 透明水彩。



 涙するワンシーンだ。細密描写の髪が涙の波のようにうねっている。でも、涙に反して生き生きしている。まさしく髪は生命の象徴だ。より美しくありたい、髪はそんな作家の願望そのものだ。   





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   ↑:映像研究室2年・笠原優奈、「MINTO」・点描 コラージュ。



 愛くるしさと強さだ。点描でも強く表現できるんだ。







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   ↑:油彩研究室4年・佐藤真奈実。左側、「眼帯」・ペン 紙。右側、「指輪」・同。



 ちょっとニヒルで影のある女。
 こういう描き手は何でも描けるんだろうな。眼帯とか小道具を見つけては物語が膨らむのだろう。






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   ↑:版画研究室3年・八谷聡大、「再生の唄 復活の聲」・ミクストメディア。



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   ↑:(上掲の部分図。)



 昨年も八谷聡大の作品をこの場で見た。同じ画題だ。それにしてもたいしたものだ。壮大なドラマが作家の頭の中に詰まっていて、飽きることなくそれを丹念に拾い上げ、赤裸々にしては更に物語を膨らませていく。膨らんでは細大漏らさず拾い上げる。エンドレスの世界だ。





 あと10人位載せたいのですが止めます。
 最後は会場でお話をした学生の作品です。




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   ↑:木材工芸研究室2年・高嶋千晴、「0」・油彩 アクリル キャンバス。


 力強くて素直な絵だ。「もっと薄塗りにしたほうがいいのかな~」、そんなことを言っていた。僕は油らしいから好きだ。主張も明快だ。ただ、枠に収めているのが面白くない。光も影も共に大きく場を占めているのも面白くない。
 高嶋千晴は小柄な学生だが、この絵の手のように「もっと大きくなりたい」と背伸びをしたらいいのに。「強さ」には「平均」は似合わない。もっと大きく闇を描くとか、極端を取り入れて一点を強く見る目を鍛えたらと思った。

by sakaidoori | 2014-07-10 23:10 | 市民ギャラリー


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