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栄通記

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2014年 07月 05日

2396)①「第四一回 北海道抽象派作家協会展」 市民ギャラリー 終了/4月15日(火)~4月20日(日)

  

 
第四一回
北海道抽象派作家協会展
 


 会場:札幌市民ギャラリー A室
     中央区南2東6(北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2014年4月15日(火)~4月20日(日)
 時間:10:00~17:00
      (初日は13:00~、最終日は~16:00まで。) 


 【出品作家】
 同人:今庄義男(岩見沢) 宇流奈未(札幌) 後藤和司(札幌) 佐々木美枝子(得陳) 鈴木悠高(札幌) 田村純也(苫小牧) 名畑美由紀(札幌) 能登智子(札幌) 林教司(岩見沢) 三浦恭三(小樽) 宮部美紀(石狩)・・・以上、11名。

 推薦:小川豊(小樽) 田中季里(札幌) 柿崎秀樹(江別)・・・以上、3名


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(4.20)


 2ヶ月前の展覧会。
 2014年4月20日、その日はどんな天気だろう・・・豊平川の風景から入りましましょう。雪が溶けて春気分かな?



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   ↑:(欄干から豊平川を見下ろして撮る。太陽がホワイト・ホールのようだ。)




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     ~~~~~~~~~~





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 左回りで、全絵画風景を載せていきます。




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 以上で、だいたいのムードがわかると思う。

 昨年までは二部屋を使っていたが、今年は大広間の第一室のみ。
 同人11名、推薦3名で14名の展覧会。昨年の推薦作家から4名が新たに同人に迎えられた。


 さて、順不同で7名程度の感想を記していきます。
 全体の印象としてはコンパクトにすっきりした感じ。奇を衒った作品とか、破格の大作などはない。気持ちよく絵画を楽しめた。



 (以下、敬称は省略させていただきます。)



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   ↑:柿崎秀樹。左側、「葬送」・91.5×182.5㎝。右側、「埋める」・同。



 モノトーンで押さえに押さえて、エネルギーを内側に蓄えている。
 左側の作品は紙を切り刻んで貼り合わせている。爆発風にもインスタレーションにも応用できる作風だが、畳一枚の枠に収めた。右側の細密描写との関係で対に仕上げたのだろう。それと、この協会展の中で遠慮したと思う。もっと激しいほうが柿崎的だが、静かに勝負した。グループ展の中で、自分の領域を限ることによって、他者との関係を計っているのだろう。

 左側は「葬送」だが、右側は「埋める」だ。まるで言葉だけを捉えたら「埋葬」になるが、さて作家の意図は?
 それはともかくとして、「埋める」の細密描写に強い関心を持った。




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   ↑:「埋める」。




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 このエネルギーは凄い。丸い模様がミジンコのメンタマみたいで、小さな生き物が他を犯すことなく綺麗にびっしりと埋まっている。「埋める」と言うより、エネルギーを「閉じ込める」みたいだ。自己の過剰なエネルギーを日課のような作業の中に閉じ込めていく。アール・ブリュット風の何も考えない一心不乱な世界に似ている・・・が、少し違うようだ。何も描かない◯模様を配して、絵画上の抜ける空間を意図的に作っている。何より、自身の過剰なエネルギーを自覚していて、そのエネルギーと自覚的に向きあっている。震えないで、あまりに淡々としている。その意志が、凄いエネルギー作品だが、目立たないように内に内にしているのだろう。

 溜め込んでばかりいるとシンドイ。だから、左側のエネルギー直接型で発散したいところだ。しかし、今作は共に枠にはめてしまった。抜けるところのない作品群だ。きっとどこかに発散したがっているかもしれない。しかし、この徹底した自己制御力、充実期の柿崎秀樹かもしれない。





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   ↑:「埋葬」。







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   ↑:同人・鈴木悠高、「'14-4-15」・156×1000㎜。





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 「柿崎秀樹さんがエネルギーを内に埋め込むのなら、僕は自由精神で遊びまくろう」・・・ではないだろう。

 「黄色の人・鈴木悠高」は最近は黄色から離脱したようだ。封印ではないのだろうが、一色だけにかまけるのがシンドクなったのだろう。黄色を描かざるをえない無意識の必然性があったはずだ。しかし、黄色を徹底的に描く作業は無意識のカオス探求には至らず、一端離れる戦略を選んだ。それでも画家は何かを描かねばならない。その苦し紛れの選択が今回の作品だろう。
 この作品にあそこが良い、ここが悪いと言っても始まらない。余白がどうの、もっと緻密にとか、色加減はどうのこうのとかは枝葉末端のことがらだ。肝心の線に情熱がない愛がない感情がない。「感情がない」からといって機能美構築にもならない。

 とにかくそれなりに目立つ作品を出す、そのことに尽きる。恥を忍んで、それでも「俺は画家なんだ」と叫ぶ鈴木悠高がいる。





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   ↑:同人・林教司。(中央)「種子と道標」・180×180㎝。




 肩の力を抜いて、すっきりした作品だ。

 以前の林教司ならば、「道標、右に行くべきか、左にすべきか?それが問題だ」と、悲劇的に逡巡し、その重さが作品を覆っていたはずだ。
 今作、道標自体を楽しんでいる。生き生き感が漂っている。そうだ、素直なのだ、若いのだ。何と悩みなき数字だろう。この若さはどこからきたのか?

 素直さは良い作品の保証にはならない。が、「鉄の人・林教司」にとっては、新境地への滋養になるかもしれない。

 とは言っても画家は「道標」を選んだ。素直な意欲の先、我々鑑賞者は静かにその行程を見つめよう。





 ②に続く

by sakaidoori | 2014-07-05 00:08 | 市民ギャラリー


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