2014年 07月 04日
第8回 村井貴久子絵画展 会場:大通美術館 大通西5丁目11・大五ビル (南進一方通行の西側。) 電話(011)231-1071 会期:2014年6月17日(火)~6月22日(日) 休み:月曜日(定休日) 時間:10:00~19:00 (最終日は、~16:00まで) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(6.22) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 定まった絵画造形や表現様式で、力強くグイグイと主張している。大きな円、水平線としての横線、描きたい世界を大きく描く、そういう安定したバックボーンだ。街並みなどを細かく描いていても、輪郭がはっきりいしていて、紛れはない。強い絵画だが、発散・爆発型ではなく、収縮的で完結的な世界だ、明るい理想郷だ。 ところが、次の作品は細やかで作品群の中ではもっとも変調をきたしている。 ![]() どこが変かというと、決めきれない暗さがある。闇夜を見つめる眼差しだ。おそらく、女史は描くことに迷いの少ないタイプだと思う。しかし、迷いを感じる絵だ。「なぜ?」という疑問と同時に、「決断画家なのに、やっぱり迷うのだな?」と安心もした。その不安定な作品があるからこそ個展表現として幅が生まれていると思う。 ![]() 樹林なのだが、地中の根っ子のように深く暗く絡むようにして大地に浸透していく。おそらく、樹にしろ根っ子にしろ、命の母体である大地と交わっているのだろう。というか、全編、生命の交歓がモチーフの作家なのだが、上掲はどこか沈鬱で葬送の前触れになっている。だが、いかに明るく前向きであっても、この押しつけるような粘着的強さの中に突然表に出てくる「暗さ」が秘められているのだろう。 絵はただ明るいよりも、暗さもあったほうが面白い。「正―反」という表現で画面が拡がる。「三角関係」があれば立体的にもなるだろう。画家は構図とか色合いの配置とかで意図的に工夫する。上掲の作品は、無意識の産物だと思う。本質的明暗を使いこなすほど器用な画家ではないと思う。だから、傑作が生まれたと思う。 ![]() この一群も暗い。僕は暗い絵は好きだが、女史は好きではないだろう。 やはり、描き足すとのことだ。身辺にいろんな事があったとのことだ。僕にはこれはこれで良いと思った。描き加えるぐらいならば、新しく始めた方が良い。「余生」と言われる年齢だ。過去は振り向かないで、新しい作品にエネルギーを注いではと思う。第一、村井喜久子的ではないが良い作品だから。 ![]() 特に上掲作品は変調だ。健全な都会の帳ではない。「崩れ」があり、その流れの中で這い上がり、絵画造形を強く保とうという意志を感じる。 ![]() ![]() 女史らしい向日葵だ。ノーテンキにならず、爆発を押さえ、花々の密集のなかで内に内に固まり、大きな顔で世間様に「生きているんだ」ぞとつぶやきあっている。 ![]() ![]() ![]() この大きい心!良いですね!。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
by sakaidoori
| 2014-07-04 09:23
| 大通美術館
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![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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