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栄通記

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2014年 06月 29日

2388)①「風間天心  信仰 」 cai02 終了/6月7日(金)~6月28日(土)

  


風間天心    信仰  

     

         
 会場:CAI02 (全室)
      中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2   
      (地下鉄大通駅1番出口。
    ※注意⇒駅の階段を下りてはいけません。
          昭和ビルの地下2階です。)
     電話(011)802-6438

 会期:2014年6月7日(金)~6月28日(土)
 休み:日曜・祝日  
 時間:13:00~23:00

※ オープニング・レセプション ⇒ 6/7(土) 19:00~
 
 企画:当館


ーーーーーーーーーーーーーーー(6.27)


 「宗教」あるいは「信仰」を問う美術展のようだ。「ようだ」という気の抜けた言葉を使ってしまった。他意はありません。僕自身が知的関心として宗教なり信仰を考えはするが、「美術鑑賞」や「精神的行為」としてそういうものとガップリ四つに取り組む姿勢に欠けているからだ。発表者やその仲間たちの尋常ならざるエネルギーの発露展として見てきた。


 (以下、敬称は省略させていただきます。)


 風間天心は禅僧である。東川町・某寺の住職である。
 同時に、美術大学を修了し、作品発表をし続けている。現代美術作家である。

 (実は、お坊さんといかに接すべきか戸惑っている。
 お経に詳しく葬式を営む自営業者として、今展を仕事以外の人として見るべきか?
 生と死を思索している考える人?
 その結果から得られる救済や信仰の実践者?
 宗教者として尊敬し畏怖すべきか?
 日本での宗教者とは何者だろうか?
 
 しかも風間天心は現代美術家だ。人間や社会のあり用を感じる人だ。
 宗教家とまともに対話したことがないのに、宗教家&美術家を前にして真の「対話」が可能なのだろうか?
 僕は過剰な美術作品を愛する。宗教者は過剰な精神を抑制せねばならない。中庸を人格化させねばならない。何でもありの現在の美術だ。宗教者の抑制する自己鍛錬と、美術行為の両立は可能だろう。が、お説教的可能さでは面白くない。たとえ崇高な美術現場であっても、結論ありきでは非現代的だ。
 では、宗教家の美術展に何を求めるか?宗教家だからできるものの見方、感じ方、提示の仕方・・・それらが思想信条に関係なく新鮮な違和感生む。違いとの出逢いを求めたい。)




 さて、今展は2会場での展示だ。ともに仏教を題材にしていてインスタレーションだ。
 見せ方は随分と違っている。共に「膨大なエネルギー」を前提にしていて、個人的には「ここまでするか!」と驚いた。両展示には前後関係はなく、対的にいろんなアプローチではある。が、僕は暗い写真の空間が、狭くて明るい極楽浄土的な空間のイントロとして楽しんだ。




 では、先に暗くて広い部屋を報告しよう。巡礼行の写真・映像展だ。





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   ↑:(映像シーン。) 




 綺麗な写真だ、映像だ。


 カトリックの大聖地「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」・・・1660㎞の大巡礼記録だ。撮影はユダヤ人カメラマンLukasz。

 巡礼記録ではあるが、「巡礼生活」ではない。「求法的実践行」を宗教的に追体験させる場だ。遊びや笑いはない。性など論外だ。

 1660㎞の巡礼、厳しい旅だ。素晴らしいと思う。四国のお遍路さんのように、道すがらの出逢いは心の触れ合いや新たな発見にになるだろう。だが私には無縁だ。「ご苦労様」と気にかけるだけだ。



 ここには記録を超えて「実践」という膨大なエネルギーがある。しかも「聖」オンリーだ。カメラマンは東洋的な美にチャレンジしている。異質的でエキゾチックなものへの憧憬があるのだろう。精神的・神秘的な写真空間であり構成になっている。被写体の風間天心は仏教修行者を演じ、修行エネルギーを視覚美として昇華させている。


 綺麗な写真だと思う。確かに精神的で厳かだ。
 が、仏教修行など無縁な私にとっては「ご苦労様」と思うだけだ。修行や苦行はいかに美しく再構成しても、風間天心とカメラマンとの精神的対話を傍観者として見るだけだ。私は老いてしまったようだ。ただ眺めるばかりだ。



 この空間では「膨大なエネルギーを、仏教行為としてヨーロッパで実践した」、ということを確認しておこう。次室でも膨大なエネルギーを見ることができる。


 その部屋を②として案内します。(続く





 では、②では隣室の明るくて蒸し暑くて変な空間へ行きましょう。

by sakaidoori | 2014-06-29 21:20 | CAI02(昭和ビル)


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