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栄通記

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2014年 03月 18日

2373) ①「JRP(日本リアリズム写真集団)札幌支部 写真展 2014」 資料館 終了/3月11日(火)~3月16日(日)

  



JRP(日本リアリズム写真集団)
札幌支部 
写真展 2014
 

   ~特別招待作品 「フクシマの怒り」ほか 渡部幸一   




 会場:札幌市資料館2F ミニギャラリー1・2室
     中央区大通西13丁目 
     (旧札幌控訴院
      大通公園の西の果てにある建物)
     電話(011)251-0731

 会期:2014年3月11日(火)~3月16日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:9:00~19:00
     (最終日は、~18:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーー(3.15)


 会場は二部屋。
 まずは、それぞれの全体風景です。




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   ↑:(以上、広い部屋の第1室。)





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   ↑:(以上、狭い部屋の第2室。)




 支部会員、ゲスト、招待と、9名のグループ展。

 昨年に引き続いてのもので、同様の場所と会場規模だ。作品気分も昨年同様と思いきや、予想外の気合いの入れようだった。昨年は自然体というか、普段の写真スタイルをそのまんま展示した感じだった。今回は、「見せる」、「見られる」ことをより強く意識して展示に臨んでいる。その強さなり、取り組む姿勢が見ていて爽快だった。

 ところで、このミニ・個展レベルの全員を全て報告できるだろうか?ここが今展の唯一の悩みだ。極力沢山報告と言うことで、できるところまで話を進めていきます。

 (以下、敬称は省略させていただきます。)








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   ↑:吉川優子、「SOLITUDE」(セルフタイマーで撮るもう一人の私)




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 「アモーレがいっぱい」の吉川優子だ。西洋景色のフラットな壁にドアがあって、その前を人が通り過ぎていて、そんなささやかな色づいた演劇空間を眺めては、「イタリア大好き!壁大好き!ドアや窓大好き!ピンクに黄色に青に七色大好き、だからアモーレ大好き」、そんな世界の人だ。

 僕もドアが好きだから気になっている人だ。もっとも僕のドアは抜けた世界、未知なる向こうへの出入り口だ。だから視覚的象徴にもなりがちだ。

 吉川優子の場合はどうなんだろう?
 今作、かぶり物のセルフ・ポートレイト、夜景などで、一見すると今までとは違うが、作品構造はそんなに違わない。ただ、「ドア」の意味を具体的にいろいろと探っていている。「ドア」から誰かが出てきて、吉川風景の前で横になって立つ。横向きでなければならない、なぜなら風景を横断する人だから、愛(アモーレ)運び人だから。
 タイトルは「寂しい」とあるが、僕にはロマンチックに見える。マッチ売りの少女は貧しく寂しいかもしれないが、マッチの明かりに夢を託したい。おとぎ話のような、ロマンチックでノスタルジックな夢気分を、愛に変えて「ドア」からこの世に運ぶ人、今回の吉川優子はそんな人になりきろうとしている。見る人と同時に発信する人へ少し変身したみたいだ。











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   ↑:nakky、「飽和都市」。




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 モノトーンで黒々と「飽和」だ、アジアの活力だ。

 ナッキーは人間大好きなロマンチストだと思っている。中央の大きな女性顔にそのロマンが漂っている。だが、女性美に溺れることなく、バチッと人に迫っている、その背景として都市がある。

 黒の強いモノトーン、それは写真虚構だ。どういう虚構を構築して、チラリズムとしてのリアルさが垣間見えるか?「飽和」し臨界点を越えれば何かが結晶として立ち現れる。都市の場合はゴミか?だが、撮影者はヒューマニストだ。都市に秩序美を見、一人一人の生きているパワーを確認している。だが、溢れる人混みをどう撮るか?都市の「個」を見つめること強く、「個+個+個・・・」は迂回して見つめるばかりだ。「群れ」として見ている、それが「飽和都市」か?「強い個」と「群れ」との関係はどういうものなのか?ナッキーの視点は真摯で具体的だ。



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   ↑:湯浅啓喜、「癒しの動物達」。



 札幌市円山動物園、厚真町、沖縄県本部町、名護市からの「癒しの動物たち」です。



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 動物の間の抜けた表情、それに空の青さです。沖縄の空だ。だからか。




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                                           ↑:(札幌円山動物園。)




  






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   ↑:朔太郎、「DIGITAL AZIA」。




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 カルカッタ(コルカタ)だ。

 カラーは白黒に比べればよりリアルだ。だが、普通に撮ったのではアジアの喧噪さは伝わらない。そこで加工だ、工夫だ。露光過多で白を白昼夢的に飛ばし、色はもっともっと元気カラフル、視野も魚眼レンズ風にして世界を一つに閉じ込める、しかし焦点を一点に閉じ込めない・・・それはデジタル加工なのだが、撮影者自身の生理の再構成でもあろう。賑々しく、うるさく、ゴチャゴチャはちゃめちゃ、そして愛を込めて。

 僕はこれを書くために随分と朔太郎の写真を見返している。確かにうるさい。だが、写真の特徴か、朔太郎の写真感覚か、もの悲しい気分になってきた。一心不乱に被写体の生理を伝えようとすればするほど、全てが静止画になり時間が止まっていく。日本の日常はゆるやかでも小さな川の流れがある。意外にも大河の流れの一コマのような朔太郎世界が、大河なるが故に時間が袋小路でさ迷っている。





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 ②に続く

by sakaidoori | 2014-03-18 13:28 | 資料館


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