2014年 03月 17日
小樽商科大学 写真部 三月展 会場:札幌市資料館2F ミニギャラリー3室 中央区大通西13丁目 (旧札幌控訴院 大通公園の西の果てにある建物) 電話(011)251-0731 会期:2014年3月11日(火)~3月16日(日) 休み:月曜日(定休日) 時間:9:00~19:00 (最終日は、~17:00まで。) ーーーーーーーーーーーーー(3.6) 《本編に入る前に、雑感。 15日(土)、16日(日)と五つの写真展を見た。社会人の有志展が二つ、北海道支部展が一つ、大学写真部展が二つだ。そのうちの一つが前回掲載の「ポンチ展」だ。全てを掲載するつもりです。 全てがグループ展だった。特に社会人のは充実していた。大学生展もそれなりにチャンとしていたし、何より正直な初々しさが楽しかった。 24名の社会人撮影者をグループ展で見たのだが、やはり他人から独立した個展を見たい。個展が無理ならば2、3人展だ。「個」でしょう。確かに現在の美術表現は自己表現と同時に社会との関わりを重視している。安直性、利便性とは違った意味で、グループ展の意義もわかる。が、「自分が何を見つめているか、生みたいか、表現したいか、かつ自分の思いのままに展開する」ということは個展でなければ実現できない。 もちろん、個展として他人に見て貰えるだけの力量を積まねばならない。だが、そのレベルを誰が決めるのかというと、当事者以外にはいない。「卵が先か、鶏が先か」ではないが、「グループ展参加=個展の始まり」だ。 絵画を含めて、もっともっと「オンリー・ワンとして、俺が俺が精神の個展」が増えて欲しい。》 閑話休題。本編の小樽商科大学写真部の三月展です。会場風景を始めに載せます。 (以下、敬称は省略させていただきます。) ![]() ![]() 全体の印象は小さくまとめている。それぞれの関心を確認している。 もし確認に重きがあるのだったら、テーマ性にこだわらずにあれこれ沢山出して、自分の好み(偏り、傾向)を気づいたらいいと思う。 おぼろげながらでもテーマ性なり特定の被写体に関心があるのなら、未整理状態でもいいから沢山出したらいい。どうしても沢山出すべきだ。なるべく大きく。なぜかというと、写真技術向上の王道だから。作品選択センスを磨く王道だから。 「王道」とは言ったが、あくまでも僕の信念を言ったまでです。それぞれが何でもいいからそれぞれの「王道」を見つけて欲しい。いろんな王道があるはずだ。 ![]() よくぞ小樽商大生がヌードを撮った。それだけでアッパレだ。 マネキンと生のヌードの対比が撮影者のセールスポイントだ。 ヌードと言えば官能美だが、作品は悩殺からは遠い。まるで人体ですらマネキン的に撮っているみたいだ。モデルや撮影者が若くて、「官能」から遠いからかもしれない。比較の効果を高めるためのマネキンが、意外にも強く機械美や機能美を発揮していて、それに引っ張られたのかもしれない。 果たして浅沼青夏(男性)の意図はどこにあるのか?対比自体を楽しんでいるのか? ヌードですら機械美になったのは面白いのだが、作品自体はひ弱だ。被写体との距離感、写真という枠への収め方が安定的で・・・(おそらく、ヌードから生理を削いだのはそれが根本的鯨飲だろう)・・・撮影者の生理が写真から浮いている感じだ。「浮く」が本来の目的か? ![]() 浅沼作品を自分好みにトリミングしてみた。 ![]() 例外的な作品。 後ろ向きの下着姿、こういチラリズムのほうが生身の性を感じる。受付嬢は「行為前」とズバリ指摘した。単にチラリズムを楽しんでいた私はいきなり現実に戻ってしまった。 ![]() ![]() 人や動物の「見つめる視線と表情」だ。どこかに「見つめ合う」という関係性があるのだろう。そういう関係性は強く撮らないほうがいいのかもしれない。 ちょっと気になる表情、そんなことが好きな人か。 ![]() ![]() 心象風景か? 寂しい風景ばかりだ。殺風景という個性的現場だ。強く撮れば撮影者の個性が引き立つと思うが、岩井峻はそれを好まない。気になる「風景」をさりげなく記録するようにしてパチリ。 ![]() ![]() 被写体をま~るく小太りにしてしまう。そういうボリューム感の好きな人だろう。 ならば堂々と中央に大きく撮ればいいのに。自分好みの造形としっかり四つに組み合って、その塊を抱けばいいのに。 何を撮っても自分のボリューム感にできるのは大きな個性でありセールスポイントだ。この感覚を磨いて被写体と大きく向き合えばいいのに。 ![]() ![]() ![]() 人のスナップ写真の方が抜群に良い。どこが良いかというと、余りに普通に素直にパチリ、そこが良い。好きな彼氏を見つけたら、胸キュンキュン・・、そえでも普通に側に近づいて、冒険をするでもなくニッコリ笑ってパチリ。普段着の笑顔が好きな撮影者だろう。普通に普通に人が撮れる、これも特技かもしれない。 ![]() ![]() あ~、何て素直なのだろう。気になる被写体を真ん中にしてパチリ。しかも優しく優しく。遠くで見守るタイプかな。 俗に言う日の丸写真だ。日の丸写真で多いに結構。この撮影スタイルで一向に構わない。ただ、表現として続けるとなると難しい。なぜなら、あまりに個性が無いように思われるから。 今回は「優しさ」が作品を包んでいてほのぼのしている。この姿勢を貫けるか?別の味わいを発見できるか?写真技術を高めながら、初々しさを保ち得れるか? ![]() いろいろと頭で考えて工夫する人だ。被写体とはいろいろな距離を保ち、彼女の表情の綾に迫ろうとしている。しかし、そういう工夫とは裏腹に、どの写真も収まりがいい。おそらく、「彼女とバイオリン」で何を表現したいかが弱いのだと思う。多分、バイオリンは装飾だろう。だったら、彼女にもっともっと近づいて撮る!眼差しの真剣さ、額の汗ばみ、指先の可憐さ・・・。あるいは、舞うように弾く可憐な全身スタイルなどなど。 思うに、佐藤愛香里自体がバイオリンの音色に酔っていないのでは。「彼女」と「佐藤愛香里」と「バイオリン」が一つの音楽世界を共有していないみたい。 ![]() 撮影者が語っていたが、この写真は他とは違った雰囲気がある。 残念なのは、作品が小振りでその良さを強烈にアピールできなかったみたい。 ![]() またまた好き勝手に佐藤作品をトリミングしてみた。モデルの指があんまり可愛いから。 ![]() 佐藤愛香里の課題は「冒険心」だろう。あるのだが、定型枠にはめがちだ。冒険を晒すのは好まないのか?そうとも思えない。こうして僕のブログに納まるのだから。また会いましょう。
by sakaidoori
| 2014-03-17 22:41
| 資料館
|
アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
検索
最新の記事
ファン
カテゴリ
全体 ★ 挨拶・リンク ★ 栄通の案内板 ★アバウトの写真について ★ 目次 (たぴお) (時計台) 市民ギャラリー (写真ライブラリー) さいとう 大丸藤井スカイホール (ユリイカ) ミヤシタ テンポラリー af 北専・アイボリー CAI(円山) CAI02(昭和ビル) (大同) アートマン アートスペース201 大通美術館 STVエントランスホール コンチネンタル 資料館 門馬・ANNEX 百貨店 (カコイ・ミクロ) 4プラ・華アグラ 石の蔵・はやし (シカク) ☆道外公共美術館ギャラリー (アッタ) 奥井理g. ★ 案内&情報 ★ 訪問客数 ◎ 樹 ◎ 花 ◎ 山 ◎ 本 ◎ 旅・飛行機・船 ◎ 温泉 ◎ 個人記 ◎ 風景 ◎ 短歌・詩・文芸 ☆★ ギャラリー巡り 写真)光映堂ウエスト・フォー (いろへや Dr.ツクール) JRタワーARTBOX ポルト 写真)富士フォト・サロン 道新プラザ 紀伊國屋書店 S-AIR ◎ 自宅 (ニュー・スター) 札信ギャラリー (マカシブ) (自由空間) 真駒内滝野霊園 サード・イアー (どらーる) 区民センター ★★ 管理人用 山の手 富樫アトリエ (プラハ2+ディープ) ★ギャラリー情報 ★ パンフより 創(そう) (オリジナル) ATTIC 美容院「EX]内 ADP 粋ふよう エッセ ◎ 雑記 ★「案内版」アバウトの写真 ☆北海道埋蔵文化センター ☆三岸好太郎美術館 ☆本郷新彫刻美術館 ☆芸術の森美術館 ☆函館美術館 ☆札幌・近代美術館 ☆モエレ沼公園 ☆旭川美術館 ☆北海道開拓記念館 ☆帯広美術館 ☆関口雄揮記念美術館 (☆夕張美術館) ☆(倶知安)小川原美術館 ☆(岩見沢)松島正幸記念館 ☆(室蘭)室蘭市民美術館 ☆北武記念絵画館 ★その他 【道外・関西】 ー [石狩] [ニセコ]有島記念館 [岩見沢]キューマル 他 [音威子府] [深川] [苫小牧]博物館 [洞爺] ☆小樽美術館 市民ギャラリー [美唄] [江別] [室蘭] [小樽] [帯広] [恵庭] 夢創館 【北広島・由仁】 [函館] [夕張] [三笠] [赤平・芦別] 【幌加内(政和)】 (くらふと)品品法邑 (茶廊)法邑 (カフェ)れんが (ブックカフェ)開化 (カフェ)アンジュ (カフェ)北都館 (カフェ)エスキス (画廊喫茶)チャオ (カフェ・soso) (カフェ)ト・オン (カフェ)アトリエムラ (カフェ)サーハビー 槌本紘子ストックホルムキ記 (画廊喫茶)仔馬 (ギャラリー&コーヒー)犬養 Plantation CAFE BLANC(ブラン) - コレクション ■ 複数会場 公共空間 ー ◎ 風景 新さっぽろg. ー ○ 栄通日記 学校構内 ー ◎ライブ路上パフォーマンス 道銀・らいらっく (コジカ) ▲個人特集 (風景)サイクリング・ロード (風景)札幌・都心 A.S.T(定山渓) 趣味の郷 公共空間・地下コンコース 六花亭 ◎今日・昨日・最近の風景 500m美術館 Room11 アルテポルト・ART SPACE サテライト 【2010年旅行記】 【2010年 ロシア旅行】 【海外旅行】 【2012年上海旅行】 【震災跡地2回目の旅】 【2013旅行記】 ◎ 川・橋 OYOYO コケティッシュ ・我が家 レタラ カモカモ 北のモンパルナス チチ クロスホテル札幌 黒い森美術館 Caballer ▲原田ミドーモザイク画 SYMBIOSIS (ハルカヤマ藝術要塞) 群青(2016) チカホ space1-105 100枚のスナップを見る会 北海道市民活動センター 群青(2018) HUG(教育大文化施設) 札幌グランピスタ 大洋(大洋ビル) - 未分類 タグ
個展(242)
グループ展(183) 油彩画(183) 企画展(153) インスタレーション(115) その他(98) 学生展(93) 現代美術(74) 写真(71) 公募展(70) 写真展(59) 総合・複合展(43) 温泉・山・旅行・雑記(42) 彫刻・金属・ガラス・陶(40) 日本画(38) 北海道教育大学(37) 版画・イラスト(31) シルクスクリーン(26) 藤谷康晴(25) 卒業展(24) リンク
○ 美術関係以外
古い日記 (サカイ・ヒロシさんのブログ) ○ 美術愛好家のブログ Ryoさんのイートアート (サカモト・キミオさんのH.P.) 散歩日記V3 (SHさんのブログ) ○ 表現者のブロブ(相互リンク?) Photo Foto Blue (コバヤシ・ユカさんのブログ) 水彩の旅 (タケツ・ノボルさんのH.P.) アートダイアリー (マエカワ・ヨシエさんのブログ) 画像一覧
最新のトラックバック
以前の記事
2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2017年 08月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 02月 more... ブログパーツ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||