2014年 02月 11日
(佐々木恒雄展) And Yet 会場:テンポラリー・スペース 北区北16条西5丁目1-8 (北大斜め通りの東側。 隣はテーラー岩澤。) 電話(011)737-5503 会期:2014年1月21日(火)~1月26日(日) 休み:月曜日(定休日) 時間:11:00~19:00 ーーーーーーーーーーーーーー(1.26) (以下、敬称は省略させていただきます。) 網走から佐々木恒雄が来た。久しぶりの個展だ。わざわざの個展なのに見遅れた。お客も多くて、盛大な最終日でだった。その様子を兼ねながら、会場風景から始めます。アップの美人顔も出てきます。いささか失礼でしょうが、男・佐々木恒夫の久方ぶりの札幌晴れ舞台です。華を添えてもらいましょう。 ご存じのように当館は1階と屋根裏のような2階という構成。1階から始めます。 宴会モードで盛り上がったところで、早速画家本人に登場してもらおう。今展の代表作の前でのポ-トレート、ほろ酔い赤ら顔とピンクに包まれた織り姫&彦星とのドッキングだ。あまりにも素直すぎる佐々木ロマンだ。 スプレーを使ったりして、ニューヨークニューヨークの屋根裏描き殴り、エネルギー発散の情熱絵画、と理解して大過ないのだろう。でも、毎日々生業として海ばかりを見ていると、そうそう妄想中心の屋根裏ワールドというわけにはいかないようだ。 上掲の①は会場左側に集められている。落書きペインティング系としておこう。 何が何だか解りにくい。外というか、何かに意識が向かっているのだろう。それでも、海という形もあるから、心象を含めた日常の断片なのだろう。 対して②は会場右側だ。右側には他にもある。それが以下だ--。 (哀しげな作品だ。昨年だったか、道東で猛吹雪による凍死事件があった。車から脱出し、吹雪の中で父親が娘に覆い被さって一夜を過ごした。子供は無事だったが父親は亡くなられた。そのことを悼むでの作品とのこと。) 右側の壁面は具体的な道東生地のイメージだ。素直だ。僕はただ、「素直、正直」としか言いようがないが、地元の仲間が見たら何て言うのだろう? 「ツネオ!毎日見ている海ジャン。何かこ~う、この風景、目頭が熱くなるのう・・・」 あるいは、 「そうか、ツネオはこんな感じで俺たちを感じているのか・・・知らんかっった」 おそらく、感心することはあっても決して無視しないだろう。 こうも言ってくれるかもしれない。 「ツネオ、俺、絵とかむずかしいこと解らんが、お前の絵、面白いよ。普段、もっと見せてくれよ。お前の絵を見ながら駄弁りあおうぜ、酒飲もうぜ・・・」 ニューヨークニューヨーク・屋根裏好みの佐々木恒雄には2階も用意している。落書き作風だが、一方では非常に端正な性格の持ち主でもある。小綺麗にキチンとした2階に昇ることにしよう。 発色よろしきカラフルさと、スプレーによる黒の表現、安心して人を見つめているみたいだ。ピンクは幸せでハッピー色か?随分と遠慮無く多用している。どこかるんるん気分なのだろう。ルンルンなのだが、ぐっと距離を黒で保とうとしているのか? 佐々木恒雄が颯爽と網走から冷たく暖かい風を運んできた。 きっと、彼は都会と田舎で心は揺れているのだろう。もっとも、不安とか、焦燥とかは少ないだろう。だが、きっと揺れている。 まだ地元では大きな発表をしていないとのことだ。何故なのだろう?おそらく、きっかけがつかめないのだろう。絵画というものは土着的に生まれて、限りなく土から遠ざかる。だから地元で発表しなくても何ら関係ない。だが、佐々木恒雄という生身の人間は、他人のオーラも受け入れないと更なる深化は不可能だろう。いかに地元の風土が素晴らしくても、風土に埋没できるタイプではない。幸い、札幌では当館という拠点がある。単なる発表の場を越えた精神的糧を得る場であろう。ならば、地元でもそういう場があれば絵画の世界も拡がりもし、深まると思う。そういう努力をすべきである。それでこそ、網走の画家であり北海道の画家だ。「ツネオの絵画に囲まれた冬の鍋パーティ」でも良いではないか。折角、札幌人ではマネのできない職業に携わるのだ。それなのに札幌や都会ばかりに目が行くと言うことは、根無し草だ。 「芸術」、それは根無し草も宝にする。だから仕方ないのかもしれない。 以上、初老・栄通の意見、大きなお世話的意見。
by sakaidoori
| 2014-02-11 07:11
| テンポラリー
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アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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