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栄通記

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2014年 01月 31日

2331)②「第17回 多摩美術大学版画科OB展」 さいとう 1月28日(火)~2月2日(日) 編集 | 削除

第17回 
多摩美術大学版画科OB
  
             


 会場:さいとうギャラリー
     中央区南1条西3丁目1
      ラ・ガレリア5階
     電話(011)222-3698

 会期:2011年1月28日(火)~2月2日(日)
 時間:10:30~18:30
     (最終日は、~16:30まで)

※ ミニ・パーティー ⇒ 2/1(土) 17:00頃~

 【参加作家】
 いけやりょう 石原誠 伊藤あずさ 上田政臣 御囲章 小川了子 Sulley 三瓶光夫 竹腰桃子 友野直美 中嶋咲子(mocha) ネモトサトコ 岡田育美 川田竜輔 川村紗耶佳 佐治直魅 阪てるみ 濱田路子 早川純子 保坂洋平 吉川奈菜子 山口菜摘 佐竹邦子 
 岩永りぼん 前田純平 宮崎文子 庄司光里 南館麻美子 吉見律子 他
・・・29名?。 

ーーーーーーーーーーーーーーー(1.27)

 2327)①に続き。

 (以下、敬称は省略させていただきます。)


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 前回は会場風景をお伝えしました。今回からは個別作家です。30名という大所帯、とても全員などは無理です。というか、何人載せれるか、結局は自分好みの幾人かで終わるでしょう。

 ①は主に奥の部屋の作品たちです。なぜ奥かというと、いつも手間で掲載が終わるからです。



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   ↑:吉川奈菜子、「field athletics」・木版 2014 85×120㎝。



 3室ある会場の一番奥まった所に、最後の場所にあった。ピンクピンク、ピンクさわやか春の野原だ。タイトルは「草原競技会?」か。要するに、春匂う野原で頬をピンクに染めて喜び合っているのだ。
 こういう作品を玄関に飾って毎日見続けたならば、僕の心も大らかになるかもしれない。そうありたいが、まだまだ娑婆臭く生きたいので、時折出会う「人生爛漫」な姿で満足しよう。






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   ↑:小川了子、「春のワルツ」・木版 コラージュ ドローイング 2013年 110×90㎝。



 とにかく「ウルサ系、ニギヤカ系、ゲンキ系」の小川了子だ。画題として、植物が画面を勢いよく覆う。今回も基本はそうなのだが、先ほど掲載した吉川奈菜子に触発されたわけではなかろうがピンクピンクで道内登場だ。もっとも、奈菜子嬢のような若さ剥き出しの淡い色合いはさすがに小川了子ではなかった。ググッと生命を力強く見つめ一体化したい、そんな願望の強さを感じた。女学生気分はとっくに卒業して、母という感覚か。





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   ↑:いけや りょう。左から、「月下華舞」、「飛竜乗雲」・木版リトグラフ 2014年 それぞれ95×50㎝。



 一対の屏風仕立て。左右対称系だが、独立作品としても鑑賞できるような構図だ。空間や勢いなどを違わせている。だからだろう、月を真ん中に描くのを止めた。
 う~ん、僕好みとしては月を真ん中に置いて、スパッと真っ二つに分割した絵を見たかった。日の丸絵画であり、引き裂き絵画になる。そうすれば、有り体の伝統的花鳥風月から一気におさらばだ。どこかしら反骨精神と一本立ちの清々しい男気が発散するだろう。お題は「炸裂日輪」だ。






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   ↑:伊藤あづさ。概ねタイトルは、「藍色の風景 -天空の彼方-」・版画 和紙によるコラージュ 2011年 (大きい作品が)45.5×60.6㎝。



 藍色に目が行きそうで、白い模様を追いかけたくもなり、小さな世界に色と空間と物が別々な物となったり、一つになってスルーッと迫ってきたり、そんな彼方此方のもう一つの世界です。






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   ↑:上田政臣。右側、「ハスとカエル」・メゾチント 13×8㎝。


 どこかしら俳句画のような世界だ。一瞬の世界とその余韻を軽く楽しんでいる。

 カエルの作品、メゾチントだ。メゾチントと言えばグラデーションだ。この作品の黒い部分、色調の変化というよりも、一色の色自体で深みと拡がりを追求しているみたい。ベタな感覚でドップリと淡く・・・なるほどなるほど。
 俳句画と言った。その心は「遊びとやさしさ」か。それを「弱い」と見るか、「やわらかい」と見るかは好みだろう。






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   ↑:山口菜摘、(全部)「独奏」・ミクストメディア 木 53×40㎝ 。




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   ↑:山口菜摘、(ともに)「独奏」・ミクストメディア 木 2013年 53×40㎝ 。








 淡くせつなく美しく、そして輝いて女の日々、私、強く・・・なんだか話しかけて、別れて、振り返ってはその気配を追いかけて、淡い青春に何かのプレゼントを贈りたくなる。

 やはり求めているのは「美」なのだろう。「容姿の美」「女の美」、「雰囲気の美」、「生きる美」・・・絵画は所詮美を求める痕跡かもしれない。女が美を作り、男が愛でる。否、女が美を作り、女が美を謳歌する時代でもある。




 

 大学の版画OB展だが、版画展からかなり離れている。そこが楽しいところでもある。そして、いろいろな手法の中で垣間見える若者気質だ。今年は例年になく華やかだ。明るい。とはいってもイラスト世界とは無縁だ。「くどい明るさ」と言うべきか。


 ③に続く

by sakaidoori | 2014-01-31 00:51 | さいとう


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