栄通記

sakaidoori.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2014年 01月 30日

2329)「シーズン・ラオ(劉善 恆) 手漉き紙写真展 『凜』」エスキス 1月18日(土)~2月11日(火・祝)

  


シーズン・ラオ(劉 善恆)
手漉き紙写真展 

   『凜 spirit of snow
   




 会場:カフェ エスキス
     中央区北1条西23丁目1-1
      メゾンドブーケ円山1F
      (南東角地)
     電話(011)615-2334

 期間:2014年1月18日(土)~2月11日(火・祝)
 休み:水曜日(定休日)   
 時間:12:00~24:00
     (日・祝日は、~21:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーー(1.28)



f0126829_03746.jpg





f0126829_032314.jpg





f0126829_035462.jpg




 当館は完璧な喫茶画廊だ。鑑賞本意に立てばとても見づらい。だから、ここに来る時はオーナー氏の情熱に浸りにでかける。作品をあんまりあてにしないかというと、そこが悩ましいところで、結構知らない作家や、意外な世界に出会うことができていつも満足している。何故なんだろう?青い漆喰調の壁が特異だからか?オーナー夫婦の魅力か?今回もそんな恵まれた機会だ。新年早々幸せ気分だ。お薦めの写真個展だ。


 真っ先に見たのが入口にある次の作品だ。



f0126829_0141244.jpg
   ↑:(「凜 - spirito of snow -Hakodate 2009」・379×288㎜ 以上の資料は間違っているかもしれません)。



 実は、その後も深くはこの作品を見てはいない。見るなり、「銅版画?随分紙に拘っているな・・・、それともドローイング調の絵画?やさしそう・・・」、一瞬の判断だった。
 この作品は他とは異質だ。具体的世界がない。つかみ所のないふわふわ感と・・・水墨画だ。




f0126829_0255936.jpg
   ↑:「凜 - spirito of snow -Otaru 2009」・508×610㎜。



 「うっ、写真か~・・」

 この作品、あまりに構図なり枠がしっかりしていて、論理的言葉で終わってしまいそうだ。鳥居の前後で此方と向こうの世界が分断され、異界をするーっと横断し合う。手前の大きめの空間。奥の拡がっていく空間、一本の道が遠近を見定めて繋げている。そこに人が水墨画の点景のようにして天界と地界を往き来している。
 説明はいかようにでもできる。あまりに写真という情報が詰まっているから。だが、そんなことよりもあまりにやさしき世界が拡がっていて、これはもう実作を見て心地良い気分に浸るしかない。



f0126829_134626.jpg
   ↑:「凜 - spirito of snow -hakodate 2009」・379×288㎜。


 (函館の冬をこんな風に見る人を始めて見た。大きく包み込むようにして全体への目配り。それでいて一軒一軒の建物への愛情。全体と個と雪の協奏曲なのだろう。)




 「やさしさ」、「周りに包まれ、全体と呼吸し合うやさしさ」、「強い拘りがあるのだが、すべてはやさしさと語り合いで感じさせないようにする」・・・「やさしさ」なのだ。僕はシーズン・ラオの世界をそう決めつけた。日本人の「やさしさ」が人間関係という倫理的なものならば、彼の場合は「異界や境界を見つめ、存在するやさしさ」と言うべきだろう。旅人なのだ。が、旅人の刹那はない。優しい雪だが、しつこく雪を追っかけている。

 そもそもシーズン・ラオとは何者なのだろう?
 マカオ出身の中国人で26歳。中国、韓国(朝鮮)、日本の共通項に拘ってあえて北海道に3年住んでいるという。





f0126829_0594578.jpg



 (以下、敬称は省略させていただきます。)



 シーズン・ラオ青年に「旅人・客人(まれびと)」という視点から語り合った。真っ先に彼は「旅人」という立場を否定した。彼曰く『確かにこの地に一生住むわけではないのですが、決して行きずりの路傍の人、観察の人ではありません。この北海道という雪ある土地に拘って、その根っ子を少しでもより良く知りたいのです。言葉も理解して、ここの文化を知りたいのです。中国とも韓国とも共通する何かがあると思っているのです・・・』しっかりした日本語で以上のような言葉をもらった。


 マカオと言えば日本人はカジノしか連想しないが、とてもやさしい『民族』だと思っている。そして、マカオという位置が、シーズン・ラオをコスモポリタン的視野を育てたのだろう。中華感覚一本に染まらず、常に東アジア人という意識で物事を見る。

 ・・・・・


 書きたいことは山ほどある。止めよう。以下、抱擁とやさしさによる自分探し、そして若者らしい遊び心で以下の作品を見て下さい。



f0126829_1245026.jpg



 (額装無し、浮かして立体感や影の演出だ。手漉き紙の効果だ。「手漉き紙」、手作りという伝統文化への拘りだ。暖かくふっくらしている。)




 以下の2点は対(つい)として見て下さい。撮影者の原点。過去と今です。


f0126829_129094.jpg
   ↑:「凜 - spirito of snow -Abashiri 2013」・610×508㎜。





f0126829_1291492.jpg

   ↑:「凜 - spirito of snow -Macao 2008」・610×508㎜。






f0126829_1334252.jpg
   ↑:左から、「凜 - spirito of snow -Yubari 2012」・610×508㎜、「凜 - spirito of snow -Date 2009」・同左。








f0126829_1354520.jpg


f0126829_135581.jpg
   ↑:左側、「凜 - spirito of snow -Hakodate 2009」・288×379㎜。
   ↑:右側、「凜 - spirito of snow -Hakodate 2009」・288×379㎜。









f0126829_1375234.jpg
   ↑:「凜 - spirito of snow -Yubari 2009」・379×288㎜。




f0126829_1385100.jpg
   ↑:「凜 - spirito of snow -Asarigawa 2012」・379×288㎜。






f0126829_1385941.jpg
    ↑:「凜 - spirito of snow -Yubari 2009」・379×288㎜。






 

by sakaidoori | 2014-01-30 02:19 | (カフェ)エスキス | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : https://sakaidoori.exblog.jp/tb/21345163
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]


<< 2330)①「札幌大谷大学芸術...      2328) 「山下敦子個展 『... >>