2013年 12月 05日
果澄 個展 会場:大丸藤井セントラル・7Fスカイホール 中央区南1条西3丁目 (東西に走る道路の南側) 電話(011)231-1131 会期:2013年12月3日(火)~12月8日(日) 時間:10:00~19:00 (最終日は、~17:00まで。) ーーーーーーーーーーーーーーーー(12.4) 小柄な少女が丸い顔を膨らませ、太い目の玉でギラギラと暗い森を見る。そこのパワーを内に内に溜め込む・・絵画にエネルギッシュに重たく発散する。若いから明るくあどけなく・・・そういう果澄ワールドだ。 会場風景を見て下さい。栄通氏言うところの、エネルギッシュさと重たさに着目して下さい。 入口は-- 入口からの右側-- 入口からの左側-- 衝立で仕切られた入口側と奥の部屋-- メインの奥の部屋です-- 青の好きな画家だ。澄み渡る空色、ではなくて宇宙的な黒い青。沖縄の珊瑚の海色、ではなくて日本海的というか深海的な黒い青だ。 北海道の人間は比較的淡泊だ。が、絵画となるとなぜかしら淡泊は飛んでいき、べったり感が強い。果澄もそうだ。 果澄絵画はべったり感というか重いのだが、若き新鮮なエネルギ-を隠さない。マグマ溜まりの中で生き物がピチピチしている。「あ~、若さだな~」と、うっとり見とれてしまった。 やはり圧巻は上の2点だ。 大きい。 大きいことが好きだから画題も「鯨」で大きい。 もっとも「鯨森」は大通公園の8、9丁目辺りを指す言葉だ。なぜかしらそこだけが鬱そうとした自然の相を残し、「鯨の森」と呼ばれていた。今は完全公園化で、その面影はない。 果澄はその地形近くの美系専門学校を卒業した。1987年生まれの人だ。現在26歳か?森の好きな画家の卵が、今は無き森の跡地に夢を膨らませていたわけだ。 そして、鯨だか森だかへんてこりんな「鯨森」が誕生した。 もう一つの大作は「トムラウシ」。大雪山系の名山・トムラウシは有名だが、その山の意味ではない。 画家は「トムラウシ=花が沢山咲くところ」と語っていた。素晴らしい解釈だ。果澄版「銀の滴ふるふる」だ。北海道の大地に花を見て、咲き乱れ舞う姿を夢見ているのだろう。「トムラウシ」は理想郷なのだろう。それはまさしく彼岸花だ。 (地名研究家の山田秀三氏は、自信なく「トンラ・ウシ [tonra-ush-i] トンラ(一種の水草)・が生えている・もの(川)」と解釈している。) 人物は皆無だ。果澄ドリームには男女の綾など吹っ飛ぶのだろう。基本は八百万的な山川草木、生きとし生きるものへの愛だ。ただ、柔な愛は欲しない。小さな愛と夢物語をドドーンと絵画で花開かせて、みんなでを大きく抱きしめ合うのだろう。 この両点は異色だ。「明るさ」全開だから。間違いなく暗さを好む画家だ。ただただ明るいだけでは不満だろう。でも描く。世界を拡げるために。 ブックス・アートのような、ボックス・アートのような作品がある。大きい心を描く人だが、根っ子はこういう宝物ような小さな世界で遊んでいるのだろう。使い切った感じの古物が好きなのだろう。だから箱だ。気持ちが一杯になって言葉も生まれる。だから本だ。
by sakaidoori
| 2013-12-05 14:15
| 大丸藤井スカイホール
|
アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
検索
最新の記事
ファン
カテゴリ
全体 ★ 挨拶・リンク ★ 栄通の案内板 ★アバウトの写真について ★ 目次 (たぴお) (時計台) 市民ギャラリー (写真ライブラリー) さいとう 大丸藤井スカイホール (ユリイカ) ミヤシタ テンポラリー af 北専・アイボリー CAI(円山) CAI02(昭和ビル) (大同) アートマン アートスペース201 大通美術館 STVエントランスホール コンチネンタル 資料館 門馬・ANNEX 百貨店 (カコイ・ミクロ) 4プラ・華アグラ 石の蔵・はやし (シカク) ☆道外公共美術館ギャラリー (アッタ) 奥井理g. ★ 案内&情報 ★ 訪問客数 ◎ 樹 ◎ 花 ◎ 山 ◎ 本 ◎ 旅・飛行機・船 ◎ 温泉 ◎ 個人記 ◎ 風景 ◎ 短歌・詩・文芸 ☆★ ギャラリー巡り 写真)光映堂ウエスト・フォー (いろへや Dr.ツクール) JRタワーARTBOX ポルト 写真)富士フォト・サロン 道新プラザ 紀伊國屋書店 S-AIR ◎ 自宅 (ニュー・スター) 札信ギャラリー (マカシブ) (自由空間) 真駒内滝野霊園 サード・イアー (どらーる) 区民センター ★★ 管理人用 山の手 富樫アトリエ (プラハ2+ディープ) ★ギャラリー情報 ★ パンフより 創(そう) (オリジナル) ATTIC 美容院「EX]内 ADP 粋ふよう エッセ ◎ 雑記 ★「案内版」アバウトの写真 ☆北海道埋蔵文化センター ☆三岸好太郎美術館 ☆本郷新彫刻美術館 ☆芸術の森美術館 ☆函館美術館 ☆札幌・近代美術館 ☆モエレ沼公園 ☆旭川美術館 ☆北海道開拓記念館 ☆帯広美術館 ☆関口雄揮記念美術館 (☆夕張美術館) ☆(倶知安)小川原美術館 ☆(岩見沢)松島正幸記念館 ☆(室蘭)室蘭市民美術館 ☆北武記念絵画館 ★その他 【道外・関西】 ー [石狩] [ニセコ]有島記念館 [岩見沢]キューマル 他 [音威子府] [深川] [苫小牧]博物館 [洞爺] ☆小樽美術館 市民ギャラリー [美唄] [江別] [室蘭] [小樽] [帯広] [恵庭] 夢創館 【北広島・由仁】 [函館] [夕張] [三笠] [赤平・芦別] 【幌加内(政和)】 (くらふと)品品法邑 (茶廊)法邑 (カフェ)れんが (ブックカフェ)開化 (カフェ)アンジュ (カフェ)北都館 (カフェ)エスキス (画廊喫茶)チャオ (カフェ・soso) (カフェ)ト・オン (カフェ)アトリエムラ (カフェ)サーハビー 槌本紘子ストックホルムキ記 (画廊喫茶)仔馬 (ギャラリー&コーヒー)犬養 Plantation CAFE BLANC(ブラン) - コレクション ■ 複数会場 公共空間 ー ◎ 風景 新さっぽろg. ー ○ 栄通日記 学校構内 ー ◎ライブ路上パフォーマンス 道銀・らいらっく (コジカ) ▲個人特集 (風景)サイクリング・ロード (風景)札幌・都心 A.S.T(定山渓) 趣味の郷 公共空間・地下コンコース 六花亭 ◎今日・昨日・最近の風景 500m美術館 Room11 アルテポルト・ART SPACE サテライト 【2010年旅行記】 【2010年 ロシア旅行】 【海外旅行】 【2012年上海旅行】 【震災跡地2回目の旅】 【2013旅行記】 ◎ 川・橋 OYOYO コケティッシュ ・我が家 レタラ カモカモ 北のモンパルナス チチ クロスホテル札幌 黒い森美術館 Caballer ▲原田ミドーモザイク画 SYMBIOSIS (ハルカヤマ藝術要塞) 群青(2016) チカホ space1-105 100枚のスナップを見る会 北海道市民活動センター 群青(2018) HUG(教育大文化施設) 札幌グランピスタ 大洋(大洋ビル) - 未分類 タグ
個展(242)
グループ展(183) 油彩画(183) 企画展(153) インスタレーション(115) その他(98) 学生展(93) 現代美術(74) 写真(71) 公募展(70) 写真展(59) 総合・複合展(43) 温泉・山・旅行・雑記(42) 彫刻・金属・ガラス・陶(40) 日本画(38) 北海道教育大学(37) 版画・イラスト(31) シルクスクリーン(26) 藤谷康晴(25) 卒業展(24) リンク
○ 美術関係以外
古い日記 (サカイ・ヒロシさんのブログ) ○ 美術愛好家のブログ Ryoさんのイートアート (サカモト・キミオさんのH.P.) 散歩日記V3 (SHさんのブログ) ○ 表現者のブロブ(相互リンク?) Photo Foto Blue (コバヤシ・ユカさんのブログ) 水彩の旅 (タケツ・ノボルさんのH.P.) アートダイアリー (マエカワ・ヨシエさんのブログ) 画像一覧
最新のトラックバック
以前の記事
2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2017年 08月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 02月 more... ブログパーツ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||