2013年 12月 04日
Art in Progress企画展 「Timeless:時の肖像」 大井敏恭 末次弘明 林亨 会場:由仁実験農場 北海道由仁町東光149 (JR由仁駅から徒歩15分) 電話 090-8902-1533 (大井) 会期:2012年11月3日(日)~11月30日(土) 休み:月曜日 時間:土日祝日 ⇒ 11:00~18:00 火水木金 ⇒ 開場時間は要連絡 主催 :北翔大学北方圏学術情報センター美術研究プロジェクト ※ アーティスト・トーク ⇒ テーマ「それぞれの自作について」 初日(日) 14:00~15:40 作家・大井敏恭 末次弘明 林亨 聞き手・塚崎美保 ※ トーク終了後はミニパーティー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(11.30) 2321)①の続き。 個別作家を見ていきます。既に①で大ざっぱに印象を記しています。それ以上の言葉がでてくればいいのですが、重複することでしょう。 (以下、敬称は省略させていただきます。) ◯ 大井敏恭の場合。 タイトルはあったかもしれません。あったならば完全な見落としです。 以前、「絵画の場合」という画家グループがあった。定期的に展覧会を開いていた。そこで、氏の作品を知り、見慣れている。 その時の作品は、線描というかドローイング的なビルがあり、人が群れなし、それらがフラットに重層的に綾なして、美術でいうところの空間や構図を作っていた。ムードはアメリカンだ。アメリカンは構わないのだが、いかにも「実験しているんだ」という知的ムードと堅さに一歩退いて見ていた。 今回も基本は同じなのだろうが、随分と感じが違う。お洒落に散らかした雰囲気が作品とあっていて、スルーッと入り込めたからか。それと、明瞭に和の雰囲気が立ちこめていた。直線を間違いなく愛する作家と思うのだが、「いかにも直線ありき」が退いていて、木版画的(シルクスクリーン的?)な色の重なり具合がたゆたゆしさを生んでいて目に優しかった。 それに植物を描いているわけではないのだが、水面に見えたり、花びらが散っている感じもした。 相変わらず実験的絵画であることは間違いない。というか、「試み絵画・大井敏恭」だ。「こうしたらどうなるのだろう、あ~したらもっとオレが出てくるかもしれない・・・アメリカの空気と日本の空気は違う、人も違う。同時代の忙しき現代人なのに明瞭に違う。この違いは文化の違いだ。そこを現代絵画人であるオレは見据えている。そこんところを視覚で表現する・・」などなど、電波は外に向かい、大井カンピューターは忙しなく「今」を問うている。 すばらしい建物だ。おそらく、今までの美術活動の中から生まれた意図的施設だろう。しっかりした制作現場を持たねばならない、そこで画家や美術人などがいろいろとコミュニュケートせねばならないと思い詰めたのだろう。 現代の象徴であるアメリカに繁く通う作家だ。そして札幌は重要な生活基盤だ。札幌、著名な地方都市ではあるがどこかおっとりして刺激が少ない。住むには良いが創造妄想という美術刺激には迫力不足だ。そして田園地帯の由仁町を美術の発信地として選んだ。アメリカ、札幌、由仁、氏の選んだ3本の柱だ。いわゆるインターローカルだ。 インターローカル、その言葉はネーション(国家・社会・民族)という血なまぐさい問題を不問にしている。おそらく、そこから一端離れて世界を広々と見渡そうという意志が生んだ言葉だろう。国家に病んだ人たちが作ったのか?逆に国家を軽い存在と感じている人が育てた言葉か?いずれにせよ、しがらみからの積極的浮遊だ。が、その抜け落ちた部分に迫らないインターグローバルという美術造語は無意味で虚構だし、知的怠惰だと思っている。 それはともかく、この建物および環境に不退転的決意を感じた。今後の作品なり活動に期待したい。 思いのほか駄弁になりました。で、 ③に続きます。
by sakaidoori
| 2013-12-04 10:54
| 【北広島・由仁】
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丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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