栄通記

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2013年 11月 16日

2306)①「油展 道教育大学岩見沢校美術コース 油彩研究室展」コンチネンタル 11月12日(火)~11月17日(日)

  


油展yuten 

北海道教育大学岩見沢校
芸術課程美術コース 油彩研究室展
 
     
     

    
 会場:コンチネンタル・ギャラリー  
      南1条西11丁目 コンチネンタルビル・B1F
      (西11丁目通の西側)
      電話(011)221-0488

 会期:2013年11月12日(火)~11月17日(日)
 休み:
 時間:10:00~18:00

※ レセプションパーティ ⇒ 11/16(土) 18:30~   

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(11.14)


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 (以下、敬称は省略させていただきます。)は


 今年の油展は面白かった。
 「エッ、会場風景を見てもいつもと同じ感じだよ。女の子好きの栄通さんのごゴマすりではないの?」

 確かに院2年生の清武昌以外は全員女性だ。画風も堅実な具象中心で、「恐ろしいまでの巧みさ」とか、「果てしなく清く爽やかで、それでいて不思議な感覚」とか、「ここまでドロドロ感で迫るか」とか、「今風のふわふわ感で非在に絡みつく」という、アッと驚く世界ではない。どこまでも自分に忠実で、一所懸命に描き上げた、そういう直向きさが伝わってきて好ましい作品展だ。

 何より、ほとんどの学生が大判だ。壁を増設して展示壁面を増やしている。全体の意欲の高さだ。
 そして院生たちの力の入れ込みは現役生の存在を薄くしてしまった。
 力を入れた分だけ、明るい色だとか軽い気分で勝負したい学生もいたかもしれないが、そういうたゆたゆしさ、明るさが見れないのは個人的には寂しかった。「今風のノーテンキな女の子気分」とか、「若者の所在なげさ」、そういう僕のような初老感覚ではつかめない世界を見たいのだが、それはこちらの願望だ。



 全員で18名。半分を目標に個別作品を載せます。低学年から始めて、立ち話をした院生作品を挟みます。



 2年生を全作載せます。総じて軽い塗りによる軽い感覚。軽さは好きなのだが、頑張り不足としての軽さだ。頑張った軽さを期待しよう。



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   ↑:2年・太田香、「戻るひとたち」・F100 油彩 キャンバス。


 おそらく、拙さが軽さを増幅しているのだろう。この人物のいい加減さが画面全部を覆ったならば素晴らしいだろう。全てはあてもなくどこかに戻ろうとしている・・・力なく、まるで健全な病人のようにして。





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   ↑:2年・三村紗瑛子、「prologue」・F100 油彩 キャンバス。



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   ↑:(上掲作品の部分図。)



 大きな画面で経験不足だったか、仕上がり不足みたいだ。もっとも、この不足感が不思議なシュール感も生んでいて好ましい。特に左上方の水辺の境界域、嘘のような水辺が部屋の領域をはみ出して描いている。随分と遠くに不思議なことを試みたものだ。
 タイトルは「プロローグ」、始まりだ。次の本幕を期待しよう。





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   ↑:2年・中野朝美、「舞~地上の海月Ⅲ~」・F100 油彩 キャンバス。



 コンパクトに綺麗にまとめた。クラゲの大きさと花の大きさを同じにして、水の中のよう、空の中のよう、そんな海原や果てなき空を楽しくさ迷いたいのだろう。
 コンパクトにコンパクトに視野が狭められていき、ふと見上げたら広々した深海の中、空の中、そんな世界にもっともっと発展できたら。クラゲが好きな人でしょう。




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   ↑:2年・藤沢杏奈、「無題」・F80 アクリル キャンバス。


 少しピンボケ気味でスイマセン。あまりいいことではないのですが、この作品はこれはこれで楽しめる。
 これから始まる感じです。どういう風に発展するのか楽しみです。




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   ↑:2年・坂本有美、「窓」・F10×3枚 油彩 キャンバス。


 10号という小品ですが、組作品で表現。しかも「窓」だ。
 窓が主役なのか、人物が主役なのかが分かりにくい作品。そこは拙さなのだろう。
 窓ですよ、窓、窓、・・・。






 窓が出たので院生作品を載せてみます。もっともこちらは「ドア」ですが。
 僕自身が「ドア」に多大な関心があるので、以下異様に長い文章になりました。



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   ↑:院2年・山越美里、「Calle Real」・F100 油彩 綿布。



 とにかく作品が大きく見えるのが良い。いわゆる背景処理といわれる空間表現を避けて、四角四面に「風景(壁)」を等価に描き上げた。対象をあえて薄塗り感覚にして、光量を非現実的なものにして、リアルさと絵画としての嘘さを巧みに操作している。
 
 良い作品だと思う。おそらく山越美里もそう思ったのだ。自作に惚れ惚れしてしまった。そこで最大のミスを犯した。開いた隙間の暗い部分、全然力が入っていない。描き込むミスを避けた。そこが悪い。

 今作は「ドア」を開けている。とうとう山越美里はドアを開けたのだ。
 何故?二つの理由が考えられる。
 一つは、単なる装飾としての開閉。壁やドアの好きな学生だ。だから、そのバージョンとして開いたドアを描いた。深い意味はない。深い意味はないが、開けた先でどうするかをハタと考え込んだ。
 「とりあえずは見えない部分だから闇風に・・・、深い黒は全体とのバランスを欠くし、でもこの薄さはやっぱり闇ではないし・・・」。そこで軽めに仕上げて全体との調和を優先した。

 一つは、理由は分からないが、「ドアを開ける」という冒険をしたくなったのだ。おそらく、深い意味があってのことではない。無意識に先へ行きたくなったのだ。が、開けたはいいが、どうしていいか手に余したのだろう。「パンドラの箱(ドア)」かもしれない。そこでようやく、「ドア」とか、「闇」とか、「光」とかを真剣に考え始めたのだ。で、結局元々が自覚的な開閉でないから静かにしてしまった。

 若いのだ。ミスを犯すのならば描き込むミスをしなければいけない。踏み込んで落とし穴に落ちる覚悟がなければ。
 しかし、絵画が彼女を成長させている。「壁」が好きだから、ただただ描き続けただけだろう。深い意味はない。が、絵という壁の虜になりそうだ。



 ②に続く

by sakaidoori | 2013-11-16 00:04 | コンチネンタル


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