2013年 11月 15日
(砂澤チニタ展) THIS IS CHINITA vol,3 会場:さいとうギャラリー 5階 中央区南1条西3丁目1 ラ・ガレリア5階 (北東角地。 1階が日産のショールーム。) 電話(011)222-3698 会期:2013年11月12日(火)~11月17日(日) 休み:月曜日(定休日) 時間:10:30~18:30 (最終日は、~17:00まで) ※ オープニング パーティー ⇒ 初日 「「ディスコチニタを偲ぶ会」 開催時間は不明。夕方からでしょう。 18:30~ 東北大震災のためのチャリティーオークション ーーーーーーーーーーーーーー(11.12) 先月の10月下旬に亡くなられた砂澤チニタ女史の遺作展。 画家であり書家とのことだが、僕は女史の軌跡を知らない。全貌はおろか、その一端を交えながらすら語ることができない。 遺作を前にして、作家の情念の凄さ、残る者への強きメッセージを感じたので、今展の様子をお伝えします。故人及び関係者の思いに少しでも寄与できたらと思います。 当館全室を使った個展。 上掲の写真は入口の第1室。ほとんど2007年制作。今展は「砂澤チニタ展」の第3回目だから、前回の第2回展からの継続を意図しているのかもしれない。 今回のメインは照明をこらして新作、大作が存在する第2室でしょう。 第3室ではスナップ写真が沢山並び、「表現者砂澤チニタの日常」を示唆している。 第1室の作品をまとめて載せます。そして、次室に行きましょう。 上掲の写真の右側が青く色づいている。次の部屋が間歇的にレインボー色に染まるからです。残念ながら、今編ではその色世界を上手く伝えれない。不本意なとこところです。 明るい部屋で、いきなりワーッと砂澤ワールドだ。眺めていると突然明かりが飛んでいく、色づいていく。作品は色を違えながら踊りだす。それは一瞬の出来事だ。その様子に出くわした時は、まるで耳なし芳一に出てくる怨霊払いの念仏お経のようだ。遺作展だ、女史の情念がこちらに迫ってくるのか! 再び日常の明るい世界になる。気を落ち着かせて作品と対面する。と、意外にも激しさは消えて、字が落ち着いて話しかけてくるみたいだ。何を書いているのだろう?「般若波羅密」という言葉を見つけた。「般若心経」だ。文頭も「観自在菩薩・・・」で始まっているようだ。中央付近の「無」の字がやけに飛び出して見える。 2013年作の他の書も「般若心経」からのものだろう。残念ながら読めない。 何故「般若心経」か? 「般若心経後日談・友人とのメールより抜粋」がさりげなく展示されている。 故人である父・砂澤ビッキが死の間際に般若心経を写経していた。その様子を目の当たりにして、「あのビッキが般若心経?」という驚き!だが、ビッキは余命宣告をされていない(ということは、女史は告知されていたのだろう。それを前提にしての書作だ。)。『どういう気持ちでビッキは写経していたか?』。ビッキ没後、「父-生・死-般若心経」は一つのまとまりになり、女史の生き様にに刻印を押したのだろう。表現者としての原点ともいえる「言葉群」かもしれない。そして、死を前にして渾身の力で「般若心経」に取り組んだ。 般若心経の一説、「掲諦掲諦(ぎゃーてーぎゃーてー)」に女史は拘っていたという。その部分は経文の中の神髄で、中国仏典でも訳さずに原音をそのまま漢字に当てている。「go to,go to」の意で僕は「行こう行こう、皆で行こう、彼岸(死・悟り・あの世・真理・胎内)の世界に」と勝手に思っている。いわゆる悟った境地であり、他者との連帯でもある。人はなかなかそうはなれない。女史はどうだったのだろう。 「メールより抜粋」文を読むと、今作は一月前にアートスペース201で開かれた「ハイブリッド展」出品作みたいだ。そのグループ展に参加した親しき仲間が、彼女の参加を促した。そして、この「般若心経」が生まれた。全ての人が彼女の死期をしりつつ、それに励まされ、逆に皆なを励ましての壮絶な制作であったろう。その様子が第3室の写真スナップに紹介されていた。 最後の部屋の掲載です。
by sakaidoori
| 2013-11-15 16:58
| さいとう
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アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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