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栄通記

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2013年 11月 12日

2302)「絵画専攻選抜展 道教育大学岩見沢校美術コース」サテライト 11月5日(火)~11月17日(日)




絵画専攻選抜展 

北海道教育大学岩見沢校美術コース 
    



 会場:北海道教育大学札幌駅前サテライト
      中央区北5条西5丁目7
       sapporo55ビル4F
       (札幌紀伊國屋書店の入っているビル。) 
      電話(011)221-4100

 会期:2013年11月5日(火)~11月17日(日)
 時間: 平日 ⇒ 10:00~21:00
    土日祝 ⇒ 10:00~16:30
     (最終日は、~16:00まで。)

 【参加学生】
 伊勢菜々美(日本画・3年) 小島小夜(デジタル絵画・4年) 遊佐千裕(油彩画・3年) 花田麻里(版画・3年)   


ーーーーーーーーーーーーーーーーー(11.09)


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 「選抜展」、第三者にとっては多大な期待を作品に求めたくなる。DMには、「この1年間、もっとも頑張った学生を紹介します」とある。いつになく砕けた言葉で親近感を覚える。つまり、学校側が、「もし教育大学から全国展に選抜するならばこの学生たちだ」という選考ではない。卒展も近いから4年生は参加しにくいし、期待値と共に、1年間の学業態度が評価されての選抜展だろう。見る僕らからも、「頑張って下さい」とエールを贈ろう。



 全体の印象・・・具象中心で堅実な世界。心象というかイメージ中心の画風、しんみり調で地味な感じ。

 会場を左回りで掲載していきます。



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   ↑:小島小夜(デジタル絵画・4年 札幌大谷高校出身)、Photoshop 2Lサイズ 2013年8月~11月。



 小品ですが全16点。手描きやパソコンを利用してのプリント作品。

 「チョッピリ寂しい女の子(男の子)心」、そんなイメージだ。「相手に何かを伝えたい、関わりをどう持とうか、そこで私はどんな顔をしようか」、揺れ動く乙女心(小島小夜・心)です。

 こういうイメージ作家は作品にならなくても、デッサンでもメモでも、湧き上がれば直ぐにでも筆が走ってどんな紙にでもチョチョッとメモでしょう。それを後で見ては、また夢は膨らむ。その作業をどれだけ日常化できるかが卒業後の課題ではないだろうか。吐き出すというか、イメージを視覚化する、作品の質は後からついてくるのだろう。


 何点か載せます。そのタイトルで、学生が表現したいことを連想しては。
 卒展は近い。その時もこんな感じでもっと一杯になるのだろう。



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   ↑:左側、「伝えないということ」。
   ↑:右側、「生命を抜かれるような」。




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   ↑:左側、「花に孵る」。
   ↑:右側、「言葉を口にするということ」。



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   ↑:花田麻里(版画・3年 釧路北陽高校出身)。



 見事に水平線が中央を貫いている。そして色は淡い。

 人が水平線に視点がある時、何を見ているのだろう?強く水平線を見ている、何も見ていない、どちらかだと思っている。
 何も見ないとは、何となく自己漂白に浸るとか、拡がる海景色に身を任せるとか、そんな風な受け身の姿勢だ。どうしても、時空は過去的になり、今と過去とを往き来してイメージを静かに喚起させて絵として姿を現す。

 もっとも、上掲の右側の作品は、学生の言葉によれば海をイメージしたもので、実際に海を見ているのではない。が、見るものにとっては同じようなものだ。「海→イメージ」、「イメージ→海」、この二つが永遠に繰り返されていく。



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   ↑:「79年目の海」・910×606㎜×3枚組 木枠に綿布 ジェッソ 顔料アクリル絵具。


 根室の海。祖父を見舞いに行っての病院からの窓景。「79年」を描きたかったのだろう。



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   ↑:(上掲作品の部分図。)




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   ↑:遊佐千裕(油彩画・3年 福島県立福島西高校)。



 ゴワゴワした粘着的な雰囲気とアッサリ感が同居している。生命現象を楽しんでいるみたいだ。



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   ↑:「瞬き」・F50 2013年10月 油彩 キャンバス。


 やはり発散と収縮が同居している。きっと、イメージかもしれないが何かをチャンと描いて、チャンと見せたいからドロドロした雰囲気でも整頓感があるのだろう。



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   ↑:「抜けた先」・F100 2013年6月 油彩 キャンバス。



 この粘着さ、拘り感は興味津々だ。今はこういう定型に納まりがちだが、この枠を外して、その感性をいろいろな画題なり手法で試したらと思った。

 福島県福島西高出身だ。生まれもその辺りなのか?だとすると、感性は道内人とは随分違うだろう。海を画題にしている。やはり、震災の影響か?



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   ↑:(上掲作品の部分図。)




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   ↑:伊勢菜々美(日本画・3年 岩見沢東高校出身)。



 綺麗な作品だ。描写力もしっかりしている。子宝のようで、優しく可愛い雰囲気。細長い枠が一層日本画らしい。

 目録に、「今年になって、細長い画面に惹かれるようになった」と記してある。極端な細長さは艶なる響きがある。今は娘が画題だが、学生の成長と共に娘も成長するかもしれない。妖艶な女性が出てきたら・・・それは単なるこちらの願望なのだが。




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   ↑:「春愁ふ」・M50 2013年7月 雲肌麻紙 岩絵具。



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   ↑:(上掲作品の部分図。)





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   ↑:「景」・100×523㎝ 2013年10月
 雲肌麻紙 岩絵具。




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 追記のような雑感:

 ここの大学生は発表の場が沢山ある。教育大学全体の恒例展覧会(7月展、卒展 他)、当館での研究室展、自主的な研究室展、有志展、私的な個展。それに、大学を離れても、一般公募展、他からの選抜選考等による作品発表と、他人に見せるには事欠かない。
 となると、サテライトでの教育大生の発表意義なり意味を、どんな風に位置づけるのかという問題になる。今までのところは授業延長としての作品展という形をとっている。それでいいのだが、「見せる場」、「腕を振るう場」、「交流する場」はきっちと確保されないといけないだろう。

 こちらの方が大事なのだが、ここでの作品の質の中で垣間見る学生の動向やモチベーション、なにより指導している教授陣の心意気、指導スタンス、展示させる意味も問われるだろう。多大な国費も行使されている場だ。単なる授業の顔見せ展では寂しい。JR札幌駅にも近い。道外の美術関係者に、「是非、サテライトを」と言われる場でありたい。

by sakaidoori | 2013-11-12 13:49 | サテライト


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